《暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが》第33話 〜スキル封印〜

俺達はようやく七十九階層から八十階層へと続く階段を見つけた。

約一日探し回っただろうか。

今回の下に降りるための階段は蓋で隠されており、その上に潰れたミノタウロスがのっていて見つけるのにとても時間がかかったのだ。

「……長かったな」

「うん。今まで最長だった。まさか魔塊で階段が塞がっていたとは」

「だな。ちなみに、あのでかいミノタウロスを潰したのはお前だよな?」

「……黙

俺のエクストラスキルである〝幸運〟がなければずっと七十九階層をさまよい続けたままだっただろう。

幸運さまさまだな。

「今回のボスはなんだろうな」

「ドラゴン?」

「……それはおかしいだろ。普通そういうのは最終階層に出てくるんじゃないのか?」

「そういうもの?」

「男のロマンだな」

階層ごとに高度になっていくトラップを避けつつ、先へと進む。

「このままボス部屋にむかうの?」

「ああ。出來るだけ早くレベルを上げたい」

「でも、技磨かないとかない」

……アメリアが、珍しく真面目なことを言っている。

「今、凄く貶された気がする」

「気のせいだ。で?的には何するんだ?」

「スキル使わずに、剣だけでこの階層をマッピングすればいい」

それ、俺も前したよなぁ。

たしか、結局無理だということを悟ったのだったか。

「それ、前に俺も実踐しようとしたんだが、結局スキルないと死ぬってとこで落ち著いたぞ?」

「それは一人だったから。二人で、安全マージンとりながらしたら大丈夫」

事も無げにアメリアはそう言って、俺の方に手を差しべた。

「『魔法生』……『スキル封印』」

「……え?」

淡い青が俺のを包み、が急に重くなったようにじた。

そう言えば、アメリアには魔法生があった。

あるのは知っているが、ここで味方相手に使われると誰が予想できただろうか。

「……アメリアさん、危機察知も気配察知も、気配遮斷も使えないんだが?」

「知ってる。大丈夫」

何を拠に言っているのか、軽く問いただしたいが、今はそんな気分ではない。

「アキラ、右前方からヒュージゴブリン三。気配読んでたら、スキル使わなくても分かる」

「……ちっ」

おそらく、上の方の階層で死んだ冒険者の裝備であろう剣や斧を裝備した、巨大なゴブリンがアメリアが宣告した三秒後くらいに現れた。

俺は腰だと邪魔なので背中に裝備していた〝夜刀神〟を抜いて一目に斬りかかる。

結果から言うと、俺は一も倒せなかった。

死にそうなギリギリのところでアメリアが巨大ゴブリン三をまとめて押し潰したのだ。

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