《暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが》第35話 〜不思議な男〜
私は、自分が可哀想であると思ったことがない。
だけど周りの大人達は私が可哀想な子だと言う。
可哀想とは何なのだろうか。
可哀想は、周りの大人が決めることなのだろうか。
それとも、私が決めていいことなのだろうか。
髪が白いと可哀想なのだろうか。
瞳が赤いと可哀想なのだろうか。
妹の方が優秀だと可哀想なのだろうか。
私には、もう分からない。
確かに、妹の方が綺麗な髪で綺麗な瞳で、とても強い。
昔から、妹に全てを取られてきた。
味方だったはずの両親に友達、を囁いてくれた婚約者。
いつの間にか、全ての同族が妹の元にいて、なぜか私が妹をめていたことになっていた。
妹はみんなの前で泣いて、私がどれだけ酷いのかを熱弁した。
同族は皆、妹に味方した。
そして、私はエルフ族領を追放され、神聖樹から離れることを選択させられた。
誰も、私の言葉を信じてくれなかった。
私も、誰も信じられなくなった。
それから、“フォレスト”を出て、人族の大陸“カンティネン”に流れ著いたのだと思う。
Advertisement
知らない森で混しているところをあの黒いスライムのようなドロドロの魔に喰われたのだ。
死を覚悟した。
というか、死んだと思った。
次に目が覚めたのは人族の迷宮の中。
確か、名稱はカンティネン迷宮だっただろうか。
黒髪の、あまりぱっとしない男が食べを與えてくれた。
私は、あのスライムのような魔は、最近エルフ族領を騒がせている拐犯が放った、エルフ族を捕獲するために改造されたスライム亜種ではないかと考えている。
理由は二つ。
一つ目は、喰われる寸前に、微かだがたしかに人の気配がしたから。
それも、一つや二つではなかったように思う。
たぶん村が近かったのだろう。
もしあの魔が人間を食べる食だったのなら、私一人ではなく、村を襲った方がいいはずだ。
多苦戦しても、あのスライムは非戦闘系の職業である村人くらい問題なく捕食出來たはずである。
もし、たまたま冒険者がいたとしても、あのスライムなら相當な実力者でなければ、返り討ちに出來る。
二つ目は何故かカンティネン迷宮にいたこと。
それも、自分の実力に合わないような下層に。
迷宮の魔は基本的に自分の実力の階層をかない。
例外は數年に一度起こる。
魔が迷宮からあふれかえるとき。
あのときは、我先にと魔は階層を上がって地上に現れる。
このことから立てられる仮説は、私を捕らえたあとに、もう一人連れて帰ろうとした。
の大きさからすると、もう一人くらいはる余裕があったし、誰かの命令に従っているあのスライムもどきが実はエルフという種族ではなく、魔族並みに魔力の多い人という條件で標的を捕捉していたのなら、魔力がかなり高いであろうこの目の前の男は、その條件に合致する。
その考えが正しいとして、どうしてエルフ族を狙っていたずの拐犯が人族の大陸に魔を放ったのかは分からないが……。
もしかしたらこの男の方に理由があるのかと思って、私は何もかもを見かしてしまうため、同族の皆が嫌った世界眼で、男のステータスを見た。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・アキラ-オダ
・種族/人間
・職業/暗殺者Lv.68
・生命力23000/23400
・攻撃力15600
・防力10400
・魔力8400/9100
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
スキル
・算Lv.5
・渉Lv.5
・暗Lv.8
・暗殺Lv.8
・曲刀技Lv.9
・短刀技Lv.5
・気配隠蔽Lv.MAX
・気配察知Lv.9
・危機察知Lv.8
・威圧Lv.7
・咆哮Lv.3
・二刀流Lv.3
・魔力作Lv.8
・幻魔法Lv.1
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
エクストラスキル
・言語理解
・世界眼Lv.2
・影魔法Lv.7
・幸運
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
しの間、私は絶句した。
明らかに、おかしい。
冒険者ギルド、最高ランクの金ランクである妹のステータスよりも遙かに強い。
攻撃力だけで言うと、先代の魔王を凌いでいる。
それなのに、どこか気配が薄い。
強い者獨特の気配というものが、この男からはじられなかった。
じっと見つめていると、不思議に思った男がこちらを見てきたので、不審に思われないようにとりあえず悲鳴を上げておいた。
隨分と長い間食べも水分もとっていないには重労働だったのか、しすると掠れ始めた。
それを知ってか知らずか、焼かれた魔のとパンが差し出される。
その直後に、私のお腹がなった。
はしたないが、私はそれを奪って迷宮の隅で食べる。
アキラと出會ったのは、そんな場面だった。
見ず知らずの、しかも魔の中から出てきたようなに食料と水を與えてくれたアキラは、私の顔を見ても目をそらさず、顔を顰めなかった。
それどころか、“完璧”が嫌いだと言ってくれた。
同族に信じてもらえなかった私としては、それだけでも嬉しいセリフだった。
「アキラ、私の髪と瞳、変?」
そうやって聞いても、アキラは絶対に目をそらさない。
そして、不思議そうに、いかにもそれが當たり前のように答えるのだ。
「何を言ってるんだ?お前以上に綺麗な髪と瞳を俺はまだ知らない」
アキラはまだ妹のことを見てはいないが、それでもアキラならと思ってしまう。
アキラなら妹を見ても、私の味方をしてくれそうだ。
それに、近くにいるとドキドキするし、がれ合っただけで心臓が跳ねる。
きっと、これがなのだろう。
同族のエルフ達の綺麗な顔にも反応しなかった頬は、アキラが頭をでた途端に赤くづく。
ずっと、アキラのそばにいたい。
何があっても、私はアキラの味方をする。
例え、アキラが世界を敵に回しても、私だけはアキラのそばに居る。
そう、心に強く誓ったのはいつだっただろうか。
その誓いは薄れることなく、心の中にある。
「アキラ、ずっと一緒にいようね」
「あー。そばにいてくれんだろ?」
「うん」
この時だけ、妹に謝をしていなくもない。
同族達に裏切られていなければ、私はアキラと出會うことがなかっただろう。
だから、キリカ・ローズクォーツとその他大勢の同族達、裏切ってくれてありがとう。
妹と兄、ぷらすあるふぁ
目の前には白と黒のしましま。空の方に頭をあげると赤い背景に“立ち止まっている”人が描かれた機械があります。 あたしは今お兄ちゃんと信號待ちです。 「ねぇ、あーにぃ」 ふと気になることがあってお兄ちゃんに尋ねます。お兄ちゃんは少し面倒臭そうに眠たそうな顔を此方に向け 「ん? どうした妹よ」 と、あたしに話しかけます。 「どうして車がきてないのに、赤信號だと止まらないといけないの?」 先ほどから車が通らないしましまを見ながらあたしは頭を捻ります。 「世間體の為だな」 お兄ちゃんは迷わずそう答えました。 「じゃああーにぃ、誰もみていなかったらわたっていいの?」 あたしはもう一度お兄ちゃんに問いかけます。お兄ちゃんは右手を顎の下にもって行って考えます。 「何故赤信號で止まらないといけないのか、ただ誰かのつくったルールに縛られているだけじゃないか、しっかり考えた上で渡っていいと思えばわたればいい」 ……お兄ちゃんは偶に難しい事を言います。そうしている間に信號が青に変わりました。歩き出そうとするお兄ちゃんを引き止めて尋ねます。 「青信號で止まったりはしないの?」 「しないな」 お兄ちゃんは直ぐに答えてくれました。 「どうして?」 「偉い人が青信號の時は渡っていいって言ってたからな」 「そっかー」 いつの間にか信號は赤に戻っていました。 こんな感じのショートストーリー集。 冬童話2013に出していたものをそのまま流用してます。 2016年3月14日 完結 自身Facebookにも投稿します。が、恐らく向こうは二年遅れとかになります。 ストリエさんでも投稿してみます。
8 197IQと反射神経と運動神経人外がVRMMOやったら!チートだった件
IQと反射神経と運動神経が人外の少年がVRMMORPGをやったら、ヌルゲーになった話
8 189俺、自分の能力判らないんですけど、どうしたら良いですか?
異世界へ赴き、"異彩"を用いて任務をこなす"開拓団"を育成する教育機関、"學園"へと入學した|御笠《みかさ》 |琥太郎《こたろう》。しかし彼は、異彩の能力すら分からず劣等生のレッテルを貼られてしまう。 で・す・が!! これ、キーワード見てみ?"戀愛"だぜ? 有りますとも、戀愛。彼女いない歴=年齢の寂しい非リアどもに次ぐ。ついでにそうじゃないリア充どもにも次ぐ。 お・ま・た・せ☆ ハーレム?始発電車でお帰り願ったよ。さぁ! 野郎共!一人につき、一人のヒロインだそ? 一夫多妻?我が辭書にそのような文字は無い! はい、調子乗ってました。すいません。ハードル高すぎでした 昨今のハーレム系に一言物申したい。面白いよ?めっちゃ面白いよ?だけどさ?現実見てみ?やれ、不倫だ、あーだこーだ世間からひっ叩かれるんだぜ?そんな世の中でハーレムはちとハードル高くね? と、言うわけで!書いてやりましょうとも!思わず「こんな戀愛をしてみたい!」と思うような物語を! と、言うわけなので、「ハーレムものは、ちょとお腹いっぱいかな?」って方にオススメなので、暇な時にいかがでしょう? あ、プロローグはほぼ説明文だから後で読んでも変わらんよ。
8 116異世界スキルガチャラー
【注意】 この小説は、執筆途中で作者の続きを書く力が無くなり、中途半端のまま放置された作品です。 まともなエンディングはおろか打ち切りエンドすらない狀態ですが、それでもいいよという方はお読み下さい。 ある日、パソコンの怪しいポップアップ広告らしきものを押してしまった青年「藤崎啓斗」は、〈1日100連だけ引けるスキルガチャ〉という能力を與えられて異世界に転移した。 「ガチャ」からしか能力を得られない少年は、異世界を巡る旅の中で、何を見て、何を得て、そして、何処へ辿り著くのか。
8 112俺だけ初期ジョブが魔王だったんだが。
203×年、春休み。 ついに完成したフルダイブ型のVRMMORPGを體験する為、高校二年になる仁科玲嗣(にしなれいじ)は大金をはたいて念願のダイブマシンを入手する。 Another Earth Storyという王道MMORPGゲームを始めるが、初期ジョブの種類の多さに悩み、ランダム選択に手を出してしまうが... 設定を終え、さぁ始まりの町に著い... え?魔王城?更に初期ジョブが魔王? ......魔王ってラスボスじゃね? これは偶然から始まる、普通の高校生がひょんなことから全プレイヤーから狙われる事になったドタバタゲームプレイダイアリーである!
8 121殺しの美學
容疑者はテロリスト?美女を襲う連続通り魔が殘した入手困難なナイフの謎!--- TAシリーズ第2弾。 平成24年七7月8日。橫浜の港でジョニー・アンダーソンと合流した愛澤春樹は、偶然立ち寄ったサービスエリアで通り魔事件に遭遇した。そんな彼らに電話がかかる。その電話に導かれ、喫茶店に呼び出された愛澤とジョニーは、ある人物から「橫浜の連続通り魔事件の容疑は自分達の仲間」と聞かされた。 愛澤とジョニーは同じテロ組織に所屬していて、今回容疑者になった板利輝と被害者となった女性には関係がある。このまま彼が逮捕されてしまえば、組織に捜査の手が及んでしまう。そう危懼した組織のボスは、板利の無実を証明するという建前で、組織のナンバースリーを決める代理戦爭を始めると言い出す。ウリエルとの推理対決を強制させられた愛澤春樹は、同じテロ組織のメンバーと共に連続通り魔事件の真相に挑む。 犯人はなぜ3件も通り魔事件を起こさなければならなかったのか? 3年前のショッピングモール無差別殺傷事件の真実が暴かれた時、新たな事件が発生する! 小説家になろうにて投稿した『隠蔽』のリメイク作品です。
8 133