《暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが》第36話 〜ドラゴン1〜

八十階層のボス部屋に、俺とアメリアは遂に足を踏みれた。

ボス部屋を見つけてから約二十四時間後、つまり一日経ってからだ。

一日休憩したのにはもちろん、理由がある。

一つはアメリアの『魔法生』のデメリット、一度使うとまる二日は使えないことだ。

普通の人ならもう一つ、消費魔力が多いことが挙げられるが、アメリアは無限に近い魔力を有しているのでクリアされる。

もちろん、『魔法生』を使うまでもなくボスを倒してしまえば良いのだが、ボス部屋は萬全を期して挑みたい。

もう一つは俺の訓練だ。

出來るだけ長くスキルを封印して、剣を鍛えたかったのだ。

「アメリア、準備はいいか?」

「うん。いつでも開いていい。」

俺が準備運をしながら聞くと、黙想をしてイメージトレーニングをしていたアメリアは目を開いて頷いた。

俺は手を開いて閉じ、作を確認した。

「よし、行くか。」

「私とアキラの二人なら瞬殺。」

「それが出來る相手だといいんだがなぁ。」

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俺は〝夜刀神〟を抜いて扉に手をあてた。

今までと同じように、重量がないかのように巨大な扉が開く。

中にるとすぐに扉が閉じた。

「・・・・・・っ!?アキラっっっ!!!」

何もいなくて首をかしげた時、気配を探っていたアメリアが今までにないくらい切羽詰まった聲をあげた。

その直後に、俺はある気配をじてその場から後ろに跳んだ。

つい先程まで俺が立っていた場所が一瞬にして焼け焦げた。

「・・・なんだ今の・・・・・・。」

が粟立つような覚が、今も殘っている。

アメリアは再びじっと気配を探った。

「・・・次來る!!」

アメリアの聲に、俺は橫っ飛びに避ける。

次は完全に避けきれず、右の太し焦がした。

「・・・くっっっ!!」

「アキラ、今のは見えた?」

「・・・ああ、しだけな。今までに戦ったことのない魔だった。」

俺がそう言うと、アメリアは顔を青くして上を見上げた。

「私は、見たことも戦ったこともある。・・・ずっと昔、神聖樹を焼こうとしてキリカに、私の妹に倒された魔、ドラゴン。」

「・・・ドラゴンっ!?」

まさかと思いながら、俺も上を見上げた。

『グルルルァァァァァァァァ!!!!』

ほぼ點に見るような高い天井に、遠近がおかしくなるような巨大な影が張り付いているのが見えた。

この世界でもほとんどが絶滅したと言われ、魔の中でも上から數えた方が早い強さを誇る魔

「・・・・・・あの時フラグを立ててしまったのか・・・。」

黒いドラゴンが、黃金の瞳をらせてこちらを見下ろしていた。

ドラゴンのようなラスボス漂う魔はキリのいい百階層あたりで出てくると思っていたのだが、予想が外れた。

「アメリア、あのドラゴンに重力魔法をかけて地面に叩き落とせるか?」

「・・・多分できる。けど、大きさが分からないからこちらに當たるかもしれない。危険。」

アメリアは、ドラゴンの攻撃が掠った右足を見て言った。

そう話している間にも、ドラゴンの攻撃は止まることなく降り注いでいた。

「俺のことは気にするな。こんな傷では死にはしない。だけど、このままだといい的だ。そのうち當たるぞ。」

「・・・・・・・・・・・・・・・分かった。」

アメリアは口を尖らせ、渋々頷いた。

手を上に差し出し一言、引き金となる言葉を呟いた。

「『重力魔法』。・・・・・・墜ちろ、ドラゴン。」

『グァァァァァ!!!?』

黒い鱗を持つドラゴンに凄まじい重力がかかり、その巨を軋ませた。

り付くために天井に引っ掛けていた爪が一本ずつ割れ、天井にも罅がる。

重力魔法に抵抗することに全神経を注いだドラゴンはこちらへの攻撃を止め、背中からはえている羽を広げようとした。

すかさずアメリアが魔法を作してそれを阻止する。

その數秒後、ドラゴンが地面に向かって落ちてきた。

俺は〝夜刀神〟でドラゴンを迎え撃とうと構えた。

凄まじい勢いで落下してきたドラゴンは、空中でをひねりながら俺を睨んだ。

「・・・悪いな。」

俺はまっすぐ首へ刀を突き出す。

〝夜刀神〟はそうなドラゴンの黒い鱗を砕き、その元を裂いた。

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