《暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが》第37話 〜ドラゴン2〜

ドラゴンの元に〝夜刀神〟を突き立てた俺は、し違和じた。

「っっっ!!!アキラ!離れて!!!」

『グルァァァァァァァ!!!』

「・・・ちっ!」

アメリアのび聲も遅く、俺にドラゴンの攻撃が至近距離で直撃した。

そして凄まじい力で、まるで埃のように吹っ飛ばされた。

「アキラっっ!」

悲鳴じみたアメリアの聲が遠くから聞こえる。

それに、背中がとても痛んだ。

恐らく、ドラゴンが落ちてきた衝撃と攻撃でボス部屋の壁に激突したのだろう。

幸いな事に右手に握っていた〝夜刀神〟はそのまま抜けたようで、傷一つ付くことなく黒くっている。

にはドラゴンのらしきがついていた。

立ち上がるのと同時にアメリアが駆け寄ってきた。

「アキラ、大丈夫?」

「ああ、何とかな。・・・斬ったのに元気じゃねーか。」

「ドラゴンは魔の中でも上位。アキラが戦ったというミノタウロスやキメラなんか比較にならないくらい。」

アメリアはそう言いながら、俺ののあちこちをって酷いところがないか確かめている。

俺は地面に降り立ち、こちらを睨みつけているドラゴンを見た。

金の雙眸が薄暗闇のなかでギラギラとっている。

「渾の一撃だったんだけどなぁ。」

「重力魔法が解けても飛んでいないという事は、アキラの攻撃も効いてないわけじゃない。・・・それより私はその刀の切れ味の方に驚いてる。」

アメリアは俺の右手を見た。

俺は〝夜刀神〟をし持ち上げる。

他にドラゴンを斬ったことがないため、比較は出來ないが、案外あっさりと鱗に刃が通った気がする。

「まあ、こいつは特別製だからな。」

これを渡してくれた時のサラン団長の笑顔が目に浮かんだ。

ドラゴンなんか斬った事がないから分からないが、初代勇者が打った刀ならおかしくもないのかもしれない。

「そういうアメリアは、怪我してないか?」

「大丈夫。アキラが庇ってくれた。」

「あー・・・。覚えてねぇ。」

覚えていないということは、無意識だろうか。

とにかく、アメリアに怪我がなくて良かった。

先ほどの俺、ナイス。

「とりあえず、あいつをどうするかだな。」

「・・・あのドラゴン、しおかしい。」

「何がだ?」

「ドラゴンにしては弱すぎる。アキラがいくら訓練したと言っても、數日なんてたかが知れてる。なのに、攻撃が簡単にった。」

確かに、ドラゴンにしてはし呆気ない気がする。

を裂いても死なないタフさには驚嘆するが、魔上位としては足りない。

俺の視界に表示されているステータスにも、ドラゴンであることはハッキリと見えているのだが、違和は拭い去れなかった。

「・・・ちょっとやってみるか。」

「何するの?」

「いや、カマをかけてみる。」

「・・・・・・カマ?」

首を傾げるアメリアに、俺は頷き、走り出した。

『グルルルァァァァァァァァッッッ!!』

まるで近づかせまいとするかのように、先程まで止んでいた遠距離攻撃が再開される。

俺は右足や背中の怪我など気にせずにその攻撃を回避し続け、巨大なドラゴンの足元まで辿り著いた。

流石のドラゴンも、自分に當たるかもしれない攻撃はしない。

ドラゴンは足を振り上げ、俺を潰そうと下ろす。

すんでのところでそれを回避して、振り下ろされた足を伝ってを登った。

『グルァァァァァァァ!!!?』

ツルツルる黒い鱗に刀を突き刺して登っているため、ドラゴンは痛みに暴れ回る。

「ぐっ!!」

「『重力魔法』!!!」

振り落とされそうになった時、アメリアが重力魔法でドラゴンのきを止めた。

ドラゴンの巨大がし地面に沈む。

倒れかけるドラゴンだったが、そこは意地なのか、堪えてとりあえず俺を振り落とそうとした。

想像を絶するようなGがかけられているはずなのに、それでもけるとは、流石はドラゴンと言ったところか?

でも、俺はこのドラゴンをドラゴンだとは思えなくなってきた。

「さて、チェックメイトだな。」

頭まで登りきった俺は、右手に握る刀を黃金の瞳に深々と突き刺す。

『グガァァァァァァ!!』

ドラゴンは悲鳴じみた聲をあげ、先程とは比べにならないくらいの勢いでを振り回した。

俺は刀に全重をかけ、更に押し込む。

「っっっ!!!・・・影魔法起。」

から、影が溢れ出た。

それはいつものよりも大きなボス部屋を覆い盡くし、ドラゴンを飲み込む。

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