《暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが》第43話 〜キリカ・ローズクォーツ〜
夜のおで広場まで出てくることが出來た俺たちに、無數の殺気が襲いかかってくる。
が、人質がいるせいか攻撃はしてこない。
周りを見回すと、弓矢を構えたエルフがぐるっと俺達を囲んでいた。
「アメリアは夜の上にいろ。夜、頼むぞ。」
『任せよ主殿!アメリア嬢には指一本れさせはせんよ。』
俺は気絶したままのリアム・グラジオラスを夜の上から引きずり下ろした。
こいつがイケメンだからか、扱いも雑になる。
まあ、仕方ないよな。
見るからに人生謳歌しそうな形なんてみんな滅べばいい。
「貴様っ!!リアム様になんて扱いを!!!」
弓矢を構えているエルフのうち、の気の多そうな一人がそうぶ。
なるほど、こいつはそれなりに慕われているらしい。
不容易に攻撃してこないことから、地位もそれなりに高いのだろう。
「こいつを無傷で渡してしければ、俺達を、アメリアを見逃せ。」
リアム・グラジオラスの元に暗を突きつけて怒鳴ると、エルフ達は明らかに怯んだ。
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それでも、即決はしない。
中にはチラチラと何かを待つような雰囲気を出しているエルフもいる。
そう言えば、リーダー格のようなエルフがいないようにじるな。
統率されてはいるが、指示を出す者がいない。
「・・・くそっ!野蠻な人族など、キリカ様がいらっしゃればリアム様が人質にとられていようと一撃で仕留めてしまうのに。」
風に流れて、そんなセリフまで聞こえてくる。
なるほど、こいつらはその“キリカ様”を待ってるのか。
いざとなったら影魔法で神聖樹を切り倒そう。
うん、そうしよう。
「貴様っ!何をにやけている!」
さっき怒鳴ってきたエルフがまたぶ。
うるさいなぁ。
リアム・グラジオラスと同じ目に合わせてやろうか・・・。
俺は魔石を取り出そうとした。
が、後ろから切羽詰まった聲が聞こえてきてきを止める。
『・・・アメリア嬢?』
「ダメ!アキラ、キリカはっ!」
振り返ると、アメリアが夜の上でをくの字に曲げていた。
呼吸が荒く、過呼吸の一歩手前のようなじだろうか。
「アメリア?」
「キリカっはっ!ダメっっ!」
背中をってやるとし呼吸が落ち著いただろうか。
エルフ族はそんなアメリアを見てひそひそと囁きあっている。
「見ろ、キリカ様に嫌がらせなどするからああなるのだ。」
「アイテル様より罰が下ったのだ。」
「忌み子が分不相応なものを求めるからああなる。」
エルフたちがそう言っているのが聞こえた。
多分、俺達に聞こえるようにわざと聲を大きくして言っているのだろう。
アメリアのが震えていた。
好き勝手いいやがる。
でも、俺はアメリアのことを何も知らない。
知っているのは、アメリアが嫌がらせなど、利にならないことはしないだという事だろうか。
「でも、それで十分だよな。」
俺はアメリアの頭をぽんぽんと叩いた。
呼吸の落ち著いてきたアメリアはぐったりとしながらもこちらを見る。
「なぁアメリア、あいつらがお前がキリカってやつに嫌がらせしたって言ってるんだが、お前はどう思う?」
「・・・。」
アメリアは目を見開いて、黙った。
「俺は、お前がやってないって言うんなら、信じるよ。・・・それに、嫌がらせがどうしたってじだけどな。そんな稚っぽいことを、お前はしないだろ?」
「・・・・・・うん。しない。私は、キリカに嫌がらせなんかしてない。」
周りに聞こえるように問うと、意図を汲み取ったアメリアは同じく大きな聲でそうハッキリと言った。
俺はニヤリと笑う。
「だそうだぞ?エルフ諸君。」
「噓に決まっているでしょう。何故そのような忌み子の言葉を信じるのです?」
広場に、違う聲が割ってってきた。
ねっとりと絡みつくような、気持ち悪い聲だ。
俺は知らずのうちに顔を顰める。
「キリカ様!」
「キリカ様が來たからにはもう大丈夫だ!」
エルフ達の間で安堵の空気が流れる。
俺は聲のした方を向いた。
「・・・・・・アメ、リア??」
髪と目のこそ違うが、アメリアそっくりながエルフ達の間を抜けて歩いてくる。
あと、の大きさも違うな。
服裝も、他のエルフ達のものより數ランクは上の服だ。
見るからに、王族だった。
嫌なタイプの王族だ。
「あれがキリカ。私の妹。」
アメリアが震える聲でそういうのが聞こえた。
なるほど、あいつがキリカか。
似てるけど、似てないなぁ。
これ見よがしに元に金のドックタグを下げていて、見るからに傲慢そうな表をしている。
顔の造形こそ似ているが、アメリアの無表とは大違いだ。
「ふぅん。私を見ても慌てないのですね。図太いこと。まあ、逃げ出した罪人を連れてきてくれたことには謝致しますよ。」
キリカはそう言って、この場のエルフ達の誰よりも金に輝く髪を後ろに払い、蒼い瞳を俺のものと合わせた。
その後、リアムを抱えている俺を押しのけ、夜にのったままのアメリアに近づく。
「ああ、姉上。久しぶりですね。私、姉上からけた傷がまだ癒えていないのですよ?ほら見てください。」
キリカはそう言って、こちらにも見えるように腕をまくり上げた。
周りのエルフ達が顔をしかめる。
その寶石のようなには酷い火傷の痕があった。
まだ完全には癒えておらず、治っている皮も元通りに再生できてはいない。
周りのエルフ達がその傷を見て一様に嘆いた。
アメリアはそれを見て項垂れる。
キリカはその様子を見て爛々と目を輝かせた。
「姉上はいいですよね、神子のおでいくら怪我をしても、致命傷を負っても死なないのですから。」
「・・・キ、キリカ、アキラに謝って。」
「は?」
しい顔を極限まで醜く歪めて、そう言い放つキリカに、アメリアは顔を上げてそう言った。
キリカは一瞬呆ける。
俺も、こんな狀況で何を言うのだろうとアメリアを見た。
アメリアは先程までの怯えた顔をやめて震えながらもキリカの顔を真っ直ぐに見ている。
「キリカ、アキラに謝って。魅了をかけようとしたでしょう。」
「かけようとしたも何も、もうこの男は私の。姉上には関係ないでしょう?」
アメリアは今度は俺の顔を見た。
その瞳は、俺のことを信じていると語る。
俺はニヤリと笑った。
「俺がいつ誰のものになったって?」
そう言うと、キリカは再び俺の方を向いた。
「なんで、なんで魅了されてないの?こんな男、魔法なんか使わなくても、私自の魅力でイチコロでしょう?」
「こっちこそ、なんでお前みたいな格ブスに魅了されないといけないんだよ。俺にだって選ぶ権利がある。」
アメリアと目を合わせると、アメリアは幸せそうに微笑んだ。
その様子を見て、キリカは焦ったように周りのエルフ達にんだ。
「全員、アメリアとこの男に矢をりなさい!」
「し、しかしキリカ様、リアム様が人質に!」
キリカは眉を釣り上げた。
「私とリアム、どちらに傷がついたらまずいか、わからないあなた達ではないと思うわ。」
「り、了解しました。」
エルフ達は、それまで構えるだけだった弓を殺気を込めて引く。
キリカは一瞬のうちに俺達から離れた。
そののこなしから、実力があるのは本當らしい。
「アメリア、夜、俺の近くに。」
『大丈夫なのか?主殿。』
俺は応えずにただ前に手を差し出した。
「てっーーー!!!」
「影魔法、起。」
エルフ達が一斉にるのと同時に、影魔法を起する。
影があまり無いため、自分たちしか覆えないが、十分だ。
俺達の影が蠢き、飛んでくる矢を全て喰い盡くした。
広場が、しんと靜まり返る。
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