《暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが》第58話 〜正〜
暴に地面に落とすと、完全に目が覚めたのか、ボスは俺を睨みつけた。
どうやら寢起きはいい方らしい。
毎朝苦労している俺としては羨ましい限りだな。
「さて、知ってること全部話してもらおうか?グラムとやらのこともな」
音もなく暗を取り出して首元に押し當てると、ボスははっきりと恐怖の目を俺に向けた。
殺気なんてこれっぽっちも込めていない。
殺す気なんてサラサラない。
ただの威嚇だが、普通ふさふらの人は殺気なんて分からないらしい。
いよいよ、俺は人族からけれられなくなっていくのだろうな。
「き、貴様などに言うことは何もない!」
涙目ながらも、仲間のことは売れないと宣言するボス。
だけど、そのはガタガタと震えていて今にも失神しそうだ。
俺はため息をつく。
「やめだ。俺が悪役みたいじゃないか。それに、俺は別にグラムとやらに興味はない。一応聞いておこうかと思っただけだ。もしお前達でも解決出來ないようだったら俺を呼べばいい」
刃を引っ込めると、ボスも含め、その場の全員がポカンと口を開けた。
何かおかしいことでも言っただろうか。
「アキラ、この件はもう関わらないってこと?」
「悪いなアメリア。そういう事だ」
俺は正義溢れる主人公じゃない。
正直、俺の近くの者が悲しまない限りは他の人がどうなろうと知ったことではない。
エルフ族は一國家でもあるのだ。
これ位のこと、國単位ならいくらでも起きるだろう。
それに、兵がなまるほど平和なら丁度いいのではないだろうか。
「そう。私はアキラについて行くだけだから」
「そ、そんなっ!」
「アメリア様まで!!」
ウィリアムと他が絶したような聲を上げた。
おいおい、あの勇者みたいな事言うなよ。
「そういう事だ。あと、あっちに人質の人を三人解放しておいたからそろそろ來ると思うぞ」
気配がする木々の隙間を指差すと、このから先ほどの人質三人が出てきた。
そのうちのの子が近づいてきて俺に抱きついてくる。
他の人質達も俺に深々と禮をした。
「あのね、お兄ちゃん助けてくれてありがとう!」
「ああ、どういたしまして」
それだけの事なのに、視界の端にアメリアのすねた顔が見えた。
あとで構ってあげないとな。
『本當に良いのか?主殿』
夜だけが俺のそばに寄ってきてそう囁いた。
俺は夜のその皮をでながら、先ほど奴らを落とした時にちらりと見えた、剣に刻まれた紋章を思い出す。
「なあ夜、丸の上に三本の爪痕がある紋章はどこの國だ?」
『ああ、それなら獣人族最大國家のウルクの紋章だが・・・まさか!』
目を見開く夜に、俺は頷く。
「ああ、奴らの剣にその紋章が刻まれていた。あいつらは、人攫いのフリをした騎士だ」
『き、騎士が人攫い・・・。しかし、なぜバレるような紋章を剣に?』
「さあ?それが刻まれていたのは一人だけだったし、大方持ってきていた剣が故障して仕方なく使っていたとかそんなんじゃないのか?」
そいつだけ、やけにむちゃくちゃに剣を振っていたから、その紋章を見せたくなかったのかもしれない。
もっとも、化けである俺の視力にはかなわなかったようだな。
『アメリア嬢とエルフ達にはこの事は?』
「言わない。証拠がなすぎるし憶測で言うにしてはことが重大過ぎる。それに、アメリアは一応王だ。しかも、將來エルフ族を継ぐかもしれない、な」
エルフ達にはああ言ったが、きっと俺はこの事に自分から首を突っ込んでいくだろう。
『分かった。俺は主殿の言う通りにしよう』
「ありがとう、夜」
どうして獣人族の國、ウルクがエルフ族の子供を攫い、アメリアをしているのかは分からない。
絶対に、アメリアは渡さない。
「あとはグラムが誰かだな」
『今の王の名はグラムではなかった。確か宰相辺りにその様な名がいた気もするが・・・』
「まあいいさ。來るもの潰して去るもの拒まずだ」
『・・・主殿それはし違う気がするのだが?』
先程までの暗い雰囲気とは一変、和気あいあいと話す二人を遠くから見つめて、アメリアはそっと息を吐き出した。
「アキラ、私もアキラの力になりたい」
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