《暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが》第61話 〜冒険者ギルド〜
説明はギルドにあるリンガの部屋でされることになった。
まあ、どこで誰が聞いているか分からないし、この世界の文明がどのくらいかも分からない。
外とリンガさんの部屋のどちらが聞かれにくいのかは知らないが、民衆に恐れられているギルドマスターの方が幾分かましに思えた。
「ここが冒険者ギルドだ」
そう言って、リンガさんがドアを開けたのは何の変哲もない、るのを躊躇うような薄汚い酒場だった。
「へえ」
中にって、俺は思わず聲を上げる。
冒険者ギルドの中は外裝とは違い、なかなか清潔に保たれている。
酒場を改裝して作ったのか、カウンターが酒場のそれだ。
依頼は紙に印刷されてごとに難易度が分けられて酒場の壁にってあった。
なんか、想像した通りのギルドだ。
きちんと酒場の機能も果たしているのか、冒険者らしき人が何人か、設置されているテーブルと椅子で酒を飲んでいた。
リンガさんがギルドにった瞬間、騒々しいとまでいかないが、それなりに會話があったギルドがしんと靜まり返った。
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酒を飲んでいた何人かの冒険者は一気に酔いが覚めたように顔を青ざめさせている。
それさえなければ居心地が良さそうな空間だったのだが。
「ギ、ギルドマスター!今日はどのような用件でこちらに?」
「ああ、マイル君。彼らは私の客人だ。部屋に人數分の飲みを持ってきてくれ」
「は、はい!分かりました!!」
子犬のようなギルド職員がカウンターから出てきて、リンガさんの指示を聞いてからまたカウンターに戻って行った。
俺の常人離れした聴力が、カウンターの向こうの會話を拾う。
「はああ、リンガさん何考えてんのか本當にわからないよなぁ」
「まあ、今回は機嫌いいみたいだし、マシじゃねーか」
「そうそう。それに、めったに現れないと思ったらこうやってふらっと誰かと一緒に來るから困るよねー」
「今回のは人數多かった上に人族にエルフ族に従魔・・・。いや、突っ込みどころ多いな」
「そもそも従魔ってどっちの従魔だ?」
「エルフ族の嬢さん、可かったなぁ・・・。あれぞ神だ」
「どうでもいいけど、とりあえずマイル、先にこれ持っていけよ」
「う、・・・はーい」
どうやら何を考えているか分からないから怖がっているのか?
他人が考えていることなんて分からないことが常だったが、獣人族はそのへんの基準も違うのだろうか。
「好きなところにかけてくれ。まあ、書類だらけで座るところもそこ以外にないんだがな」
ギルドマスターの部屋はカウンター裏の階段を上がって左の方にあった。
家は本が大量にしまわれている棚とソファ、デスクと椅子のみ。
生活のないその部屋にはソファ以外大量の書類が所狹しと置かれている。
ベットがないことから、リンガさんの住居スペースではない事が分かるが、先ほど聞こえてきたように本當にめったに現れないのだろうか。
正規の口から現れないだけでは?
いや、だとしたら何故そんな真似を?
「では、先ほどの続きを話したまえ」
「あ、ああ」
ソファに腰掛けてじっと考え込む俺に、リンガさんはそう言って自分の椅子に座った。
俺は先ほどのことをまだ理解していないアメリアと夜に説明してやる。
「まず、俺が放った魔法に、針のを1メートル先から通すような繊細なコントロールがいることは分かるよな?」
魔法の難しさを知っている二人は激しく頷いた。
目玉にピンポイントで小さく凝した魔法をいている対象に當て、なおかつその魔法を遠隔作する。
特に夜の場合は、きちんと変する対象の事を想像していないと魔法自発しないらしいからよく分かってくれるだろう。
「俺はド派手ではない、実力が出るような技をわざと使った。さてアメリア君、なぜでしょうか」
「えっと、派手にする事くらいなら、ちょっと実力がある人なら出來てしまうから?」
なんの振りもなしに問われると、アメリアは突然のことにビックリしたままそれでもきちんとけ答えはできた。
俺はわしゃわしゃとアメリアの頭をでくりまわす。
「正解!じゃあ夜、実力を見せていいことは?」
『・・・余程肝が據わっている者ではない限り、主殿がいる間は俺たちに構わなくなるかもしれないな』
反対の手で夜のをでる。
まさに、両手に皮だな。
「正解だ。じゃあデメリットは?」
『主殿の実力がバレてしまった。もし、先ほどの魔法コントロールを見ても気後れしない実力者なら平気で絡んでくるだろう』
俺は夜を抱き上げてその皮に顔をうずめた。
そう、その通りなのだ。
「それに、俺はあえてアメリアの素をバラした」
「王族と知って一般市民が逃げることをんだ?」
「そうだ」
相談しなくて悪かったなと言うと、アメリアはし微笑んで首をゆるく振った。
「アキラの好きにすればいい。私は何をされてもいいよ」
「・・・アメリア・・・」
『リンガ殿よ、外に出ているか?』
「いや、なかなか興味深い」
突然広がる桃空間に夜は苦笑し、リンガはひっそりと笑った。
「リンガがいたのはわざと?」
「ああ、それはわざとじゃない。たまたまだが、目のおでリンガさんがギルドマスターと分かったからせっかくだし巻き込もうかと。」
俺はトントンと目の近くをつついたら。
アメリアは途端に納得した表をしてくれた。
話がわからないリンガが口を尖らせる。
思いのほか子供っぽい仕草に俺は苦笑した。
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