《暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが》第63話 〜特典〜
本題にろうと言いながら、リンガは先ほどマイルが運んできた飲みを啜る。
ちなみに中は柑橘系ではない、何かの果のジュースだ。
匂い的にブドウだろうか。
俺は飲んでいないので味がどうなのか分からないが、アメリアが味しそうに飲んでいるところを見ると、王族の口に合うくらい味しいらしい。
俺が飲みに手をつけていないことに気づいて、リンガはし目を細めた。
「で、君たちは何をしにこの大陸に渡ってきた?」
鋭い目線のまま、質問してくるリンガに、俺は背中に背負ったままの“夜刀神”を鞘ごと抜いてゴトンと機の上に置いた。
無言で促すと、リンガはそれを半分ほど抜く。
俺はしだけ目を見開いた。
「なるほどな、鍛冶師を探しにか」
刃のこぼれ合を見たリンガはそれを元に戻して再び機の上に置く。
「隨分な業のようだが、どうしてこんなふうに?」
業であればあるほど、その剣は頑丈さと切れ味を増す。
それは刀でも然り。
素人目にも素晴らしいものだと分かるような刀をこんなになるまで使うようなことがあるのかと聞いてきたのだ。
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「俺は、どうしてもレベルを100まで上げなければならない。そのために人族領にある迷宮に潛って魔を倒しまくったらこうなった」
素直に答えると、リンガは暫く固まった。
「・・・聞き間違えか?人族領の迷宮にこの剣で立ち向かったと聞こえるのだが」
「いや、合ってる」
「お前は馬鹿だな」
スッパリと言われた。
それはもう、清々しい程に。
そうだよなと肩の上で夜も頷く。
とりあえず指弾しておいた。
「まさか、人族領の迷宮が魔法専用の訓練場だと知らずにったのか?それとも、死にって偶然生き殘ったのか?」
「夜に言われるまで知らなかった。偶然というか、運も多は味方してくれたこともあっただろうが、大半は俺の実力とこのアメリアのおだ」
特に気にした風もなくサラリと言ってのける俺に、リンガはため息をついた。
「大方、レベル100で貰えるというスペシャルスキルを求めているのだろうが、あんなお伽噺に命をかけるとは、なかなかの死にたがりだな」
俺はニヤリと笑う。
そう。
レベルを100まで上げた者にはスペシャルスキルという、エクストラスキルよりも更に上のスキルが與えられる・・・という噂がある。
もちろん、俺はサラン団長からその話を聞いていて、更にその噂が本當のことだということを知っている。
そして、必ずレベルを100まで上げると、サラン団長と約束をしたのだ。
最初で最後の約束を。
「スペシャルスキルは存在する」
俺がキッパリと言い張ると、リンガはじっと俺の顔を見つめた。
暫く、部屋に靜寂が満ちる。
「・・・その顔、本當にそう思っている様だな。いや、確信しているのか?なぜだ。この世にはもうレベルが100以上の英雄は居ないはず」
「いやその時は存在していたよ。ちゃんと見たさ。レベルを100まで上げた者にスペシャルスキルが與えられていたのをな」
「本當のことなの?」
冒険者ギルドを出たあと、人混みをスイスイと進みながらアメリアが聞いてくる。
俺の肩に乗っている夜のおかげで獣人族は勝手に避けてくれるし、アメリアがハイエルフだということは既に街中に広まったのか、誰も絡んでこない。
狙いが的中して萬々歳だ。
でも、そろそろ路地にりたいな。
アメリアの質問は主語が無かったが、何のことかは見當がついた。
夜も、肩で用にバランスをとって俺の頭にしがみつきながら言う。
この制は耳元にがあたってしくすぐったいな。
『主殿、レベル100で特典が貰えるなど、聞いたことないぞ?』
「ああ、魔だった夜はそうだろうな。アメリアの方は何回か聞いたことあるはずだ」
な?と問うと、アメリアはぎこちなく頷いた。
「お伽噺でなら聞いたことがある。普通のスキルレベルをMAXまで上げるのと同じように、たどり著けるのは一部の天才のみ。凡人では到底不可能。99まで上げるのでさえも厳しいかも」
そう、全てはお伽噺の筈なんだよ。
でも、そうじゃなかった。
「レベル100の特典に最初に気づいたのは初代勇者だ。當時の魔王との最後の戦いで仲間は全滅、自分も瀕死の狀態で、魔王以外の最後の魔を倒したところで発現。魔王との戦いの中で開花し、無事にその力を使ってハッピーエンド。まあ、勇者ものでよくある限界突破みたいなやつだな」
ちなみにその衝撃で魔族領の大陸の北半分が吹き飛んだらしい。
エクストラスキルの影魔法でも森を一つ消滅させることができるのだから、その位はいくだろうな。
ちなみに、森は森でも日本にあるような、ちみっちゃい森ではない。
外國の、小さい國なら丸々ってしまうような、そんな森だ。
サラン団長の魔法と俺の影魔法を組み合わせることで、それほどの被害が出るかもしれなかったという訳だ。
大陸の半分くらいわけないだろう。
『魔にはないのか?』
ガッカリしたような、殘念そうな聲音の夜の頭をでる。
「言い伝え自なかったということは、魔にも魔族にもそんな特典はないって事になる?」
「多分な。まあ、別の可能もあるが・・・」
『別の可能?』
俺は路地裏にる道でピタリと足を止めた。
「魔族が意図的に隠したってことだよ」
肩越しに振り返ると、人混みに紛れてリンガがこちらに鋭い視線を投じていた。
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