《暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが》第64話 ~宿~

「それでは、アメリア様一行様一部屋で宜しいですね。朝食はどう致しますか?」

「ああ、屋臺でとるからいらない」

「かしこまりました。部屋を案させますので々お待ちくださいませ」

今、俺達はある宿の付に立っている。

そこはしっかりしていそうな宿で、俺達は揃って肩をなでおろした。

実は先ほど、アメリアが小腹がすいたと言い出して、近くにあった飲食店っぽい店に適當にったのだ。

マスターは貓系の獣人族で、種類で言うと三貓だろうか。

イギリス風のなかなか灑落た、喫茶店っぽい店だった。

獣人族が食べるようなもの、例えばマタタビなど以外にも食べがあり、人族の冒険者らしき人も客として居る。

客のりもまずまずの様だな。

男の俺より食べるアメリアが々と頼んでいるうちにそこのマスターと仲良くなり、マスターオススメの宿を聞いてみるとここだったという訳だ。

マスターも、街で俺が意図的に流している噂を知っていたらしく、アメリアの正がハイエルフだということを分かっていての紹介なのだろうが、冒険者ギルドがそうであったように、獣人族の建は外裝と裝が真逆なことが多く、外裝は悪くないのに裝やサービスは最悪・・・なんてことがザラにあるらしい。

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まあ、ちゃんとした店もあるらしく、マスターオススメの宿、“とり萬。”は一階が居酒屋の清潔そうな宿で、なで肩の鳥系獣人族の亭主は良い人だった。

獣人族では恐れられている夜にもあまり怖がることはなく、アメリアにもそれ相応のもてなしがされた。

「初めまして、ハルだよ。部屋を案するね」

役としてなで肩亭主の後ろから出てきたのは八重歯が可い、人族のの子だった。

しかも、髪が黒く、これで瞳も緑ではなくて黒だったらまるっきり日本人だっただろう。

名前も日本っぽいしな。

「コラ、エルフの王様なんだぞ!?」

ハイテンションで気さくに挨拶をするハルになで肩亭主が慌てて窘めた。

頭を下げようとする亭主を、アメリアが止める。

「こちらはまだ獣人族の王にも挨拶をしていない、完全にお忍びで來ている狀態。そこまでもてなしてもらう訳にはいかない」

「ですが・・・」

釈然としないような表をする亭主に、アメリアは一つ提案をした。

「なら、あなたオススメの飲食店を教えて。それでいい」

「はい、では數軒リストアップさせてお部屋にお屆けさせて頂きます」

アメリアは頷いて、ハルを促した。

ハルは先程とは打って変わって真面目な表で俺達を案した。

「では、こちらになります」

ハルは食事をする広間などを案しながら、明らかに特別仕様の大きな部屋の前で止まった。

「・・・ここがアメリア様方のお部屋でーす。萬が一の事があった時の非常出口はこちら。何か用がある時にはそちらのベルを鳴らしてね」

されたのは恐らく、この宿で一番安全でなおかつ清潔な部屋。

「あ、壁は完全防音仕様で夜も気にせずにお楽しみいただけますよー」

最後にそう言い殘して、ハルは戻っていった。

あいつ、なで肩亭主の前ではちゃんと敬語に直していたのに、もう普通に戻っていやがる。

反省のゼロだな。

『・・・主殿、俺は空気が読める魔故にちゃんと夜には出ていくから安心しろ。あ、念話でこっそり聞くような無粋な真似もしないぞ』

「夜、俺がアメリアにそんなことをすると思うか?」

『思わんが、據え膳食わずには男が廃るとも言う言葉があるのでな』

「どこで覚えてきたんだそんな言葉」

『魔王様が言っておられたのだ!』

「まだ會ってすらない魔王に対する評価ただ下がりなんだが」

夜をモフりながら二人で會話していると、アメリアが目の前にニュッと出てきた。

「二人で何コソコソしてるの?」

「『何でもない』」

シンクロナイズドスイミングの選手もビックリのぴったり合で返事をすると、アメリアはふーんと、納得のいかない顔をしていたが、引き下がってくれた。

俺と夜は息を吐き出す。

今度からはこういう會話は念話でしよう。

そう決意して、それほど多くはない荷の荷解きを始めるアメリアの隣で同じく荷の整理をした。

「・・・アキラになら食べられてもいいのにな」

そう隣でアメリアが呟いていたのを俺は知らない。

「アメリア味しいか?」

「ん!」

口いっぱいに食べを頬張るアメリアに、俺は口角が上がるのをじた。

あのあと、ゴロゴロして長旅の疲れを癒した。

一応部屋は隅々まで調べ、魔力を使って何か仕掛けられていないかも見たが、何もなかった。

こちらに來てから死にかけたり殺されかけたりが多かったために神経質になりすぎているのかもしれないな。

まあ、普通にこれ位の警戒は必要だろうが・・・。

「あとはあのギルドマスターの厄介なスキルをどうするかだよなぁ」

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