《暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが》第65話 ~イチャイチャ?~

夜はどこか行きたいところがあるらしく、晩ご飯を一緒に食べた後に別れた。

行きたいところって、知り合いでもいるのか?

俺達は宿に戻って再びゴロゴロとベットの上を転がる。

王族を泊まらせる部屋なだけあって、ベットはふかふか、とても寢心地が良い。

迷宮に潛ってからはい床で寢ていたから尚更そう思う。

アメリアも隣のベットでうつらうつらとしていた。

寢る前に拭かせないとな。

そう言えば、別れる際に夜にサムズアップされたのだが、あいつ、まだ俺がアメリアを襲うと思っているのか・・・。

確かに、こんなを抱くなんて全世界の男のロマンだろう。

だが、俺とアメリアでは容姿に差がありすぎだし、俺もそういう経験がある訳じゃない。

あっちでは、生きていくためにお金を稼ぐのに一杯で、毎日夜遅くまでバイト掛け持ちしていたから彼なんか作る暇もなかったし、いたとしても俺の家にはいつも母さんがいるからイチャイチャも出來なかっただろうと思う。

まあ、する相手もするつもりもなかったけどな。

悶々と考えていたために、アメリアが起き上がって隣に寢転んだのに気づかなかった。

「・・・アキラ。考え事?」

「あ、ああ。あのギルドマスターについてな」

眠たそうな目をこすってアメリアが俺の顔をのぞき込む。

しだけドキッとした。

「スキル『無干渉』?」

「『不干渉』だ。とても厄介なスキルだよ」

貓のようにり寄ってくるアメリアの頭をでる。

アメリアは、まるでゴロゴロとを鳴らしそうな顔で更にり寄ってくる。

「・・・アキラ、私味しそうじゃない?」

一瞬、思考が止まった。

んん?

「どういう意味だ?」

思わずを起こしてそう聞くと、アメリアは口を尖らせて寢たまま俺を見上げた。

「だって、こんなに近くにいるのにアキラ襲ってくれない。魅力ないのかな」

ションボリと悲しそうな顔をするアメリアに、俺は唖然とした。

アメリアの口からそんな言葉が出てくるとは思わなかった。

俺は額に手を押し當てて息を吐く。

「魅力がない?まさか。魅力がありすぎて一緒にいるのが辛い」

ぽろりと口から本音が溢れ出る。

アメリアは靜かに目を見開いた。

なんてこと言ってんだ、俺。

顔に熱が集まってくるのをじた。

「ふふふ。ならいい」

アメリアは恐らく耳まで真っ赤な俺を笑って、後ろから抱きついてきた。

そして、後ろから耳元に囁く。

「アキラが食べたい時に食べていいから」

「~~~~っ」

ああ、男としてに手玉に取られるなどけない。

でも、これだけは譲れなかった。

俺は首だけを後ろに回してアメリアの頬に口付ける。

「魔王からの用事とやらが終わったら思う存分抱いてやる。覚悟しとけよ?」

「うん!」

出來るだけ威圧的に言ったつもりなのだが、アメリアには頬を赤く染めて元気よく頷かれてしまった。

「よし、寢るぞ。明日から“夜刀神”を修理してくれる鍛冶師を探しに行くんだからな」

くるりとの向きを変えてアメリアと向き合う形をとる。

アメリアは既に俺にしがみついてウトウトとしていた。

そう言えば、さっきから眠たそうだったなと思い出す。

二人で抱き合いながら、ベットに倒れ込む。

眠気で靄のかかった意識の中、は明日の朝拭こうと考えていた。

ーーーーーーーー

『主殿、ただいま帰ったぞ・・・・・・?』

それから數時間後、行きたかった場所から帰ってきた夜はやけにモッコリとした晶のベットと、無人のアメリアのベットを見て首をかしげた。

とっくに消燈時間は過ぎており、真っ暗闇だったが、一応は貓である夜には関係ない。

晝間のように見える視界の中で、ゆっくりとベットに近づき、布団を捲る。

『ほほう、これはこれは。良かったな、アメリア嬢』

そこには、お互いを抱きしめて眠る晶とアメリア。

服の合から一線を越えていない事は分かるが、アメリアが晶の事で悩んでいたことを知っている夜は幸せそうなアメリアの顔をみて優しく微笑んだ。

布団を元通りにかけ直して、夜は空いたもう一つのベットに橫になる。

小さいだとベットの範囲が勿ないので、わざわざベットの大きさに合わせて自分ののサイズを調節した。

『・・・おやすみ、主殿、アメリア嬢。明日から忙しくなるぞ』

そう呟いて、夜は靜かに目を閉じた。

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