朝目を開けると、目の前にがいた。

數秒固まって、やっと今の狀況を理解する。

そう言えば、昨日アメリアを抱きしめたまま寢たんだった。

ふかふかのベットに、の子のらかいに、前には超絶。

ここは天國か？

いや、むしろ働かさないための地獄か？

悶々と考えていると、奧のベットが軋んだ。

しだけを浮かせてアメリアの向こうを覗き見ると、巨大化した夜がベットから起き上がる所だった。

『・・・』

朝が弱い夜は額に皺を寄せながら起き上がり、大きくびをする。

そのまま俺の後ろに回ると、俺の服をくわえてグイグイとひっぱりだした。

「あ、ちょ、夜？」

俺はアメリアを起こさないように腕を解いてアメリアから離れた。

夜は俺をベットから引きずり下ろすと、無言で服をがせにかかる。

俺は首をひねりながらも夜に催促されるまま、服をいで著替えた。

俺を著替えさせると、続いてアメリアも起こして服を著替えさせる。

「夜、どうしたの」

夜の顔を見ると、夜は欠を一つして、ようやく口を開く。

『昨日の夜、知り合いの鍛冶師を尋ねた。今から來るらしい』

それだけ言うと、気だるそうに自分はベットに戻っていった。

俺達は戸って顔を見合わせる。

「今から來るって、どうやって分かるんだ？」

揃って首をかしげていると、コンコンとドアがノックされた。

いや、かなりの勢いだったから正確にはドンドンかもしれない。

「・・・どうぞ」

一応暗を手に忍ばせてから返事をすると、ハルと、ハルに連れられた黒貓の獣人がってきた。

「鍛冶師のクロウさんだよ。従魔様のお知り合いらしいから一応検査をしてから連れてきたよ」

クロウという獣人はベットで橫になっている夜を一瞥して、それから俺とアメリアのを舐めまわすように見た。

「あ、ああ、ありがとうハル。」

ごゆっくりとの言葉を殘してハルは去っていった。

完全にハルがいなくなるのを見計らって、クロウが口を開く。

「腕はいいようだが、まだ神の面で子供だな。あの“アドレアの悪夢”と言われたそこの魔が従うまでもない。そっちのエルフは言わずもがなだか」

“アドレアの悪夢”？

たしか、獣人族の首都だったよな。

それに、神経を逆なでするようなとてもカチンとくる言いだ。

『主殿、これでもこいつは恐らく、この世界一の鍛冶師だ。格に難があってなかなか客が來ないがな』

ベットに寢そべって、壁の方を見ながら夜が呟くように言う。

俺はそれを聞いてああと納得した。

勇者しかり、天才はすべからく格に難があるからな。

「ご説明どうも。“アドレアの悪夢”にそこまで言われると流石に照れるんだが」

全く照れた様子はないが、嬉しかったのは本當らしく、尾がしだけ上がった。

なるほど、こいつツンデレか。

「初めまして、俺は織田晶。こっちはハイエルフのアメリアだ」

俺の自己紹介に、クロウはしだけ頷いて手を出した。

首を傾げると、イラついたようにクロウは語気を強める。

「私に直してしいという武を出せ」

ああと俺は“夜刀神”を出した。

“夜刀神”を見た瞬間、クロウの瞳が一瞬見開かれる。

俺はそれに気づかずにクロウの手に鞘ごと刀をのせた。

「・・・ふん。手れは怠っていないようだが、間に合っていないな。大方、人族の迷宮にでも潛って酷使したか」

一瞥しただけで、的確に指摘するその観察眼に、アメリアが嘆したような聲を出す。

「直るか？」

俺が聞くと、クロウは首を振った。

やれやれとでも言うように。

「私を誰だと思っているんだ？ただ、材料を集めるのに苦労するだろうな」

刀を橫から見たり、叩いてみたり、太にかして見たりとじっくり観察しているクロウのセリフに、再び夜が解説をしてくれた。

『そいつは修繕するだけで、修繕のための材料や金は全てこちらが出さなければならない。資金の方は魔を狩って手にれるとして、材料の方はちと厄介だ』

へえと頷いて、クロウに視線を戻すと、刀をバラしているところだった。

ヒョイと鍔や柄などが返される。

「そちらは問題ない。刃だけ貰っていくぞ。材料のリストはそこの魔に渡してある」

それだけ言うと去っていくクロウを、アメリアが追いかけていった。