《暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが》第169‪話 〜合流〜 津田友也目線

僕が目を覚ましたのは 僕と佐藤君が代してから數分後のことだったらしい。

激しい轟音との奔流。

地面の振という最悪な目覚ましによって起こされた僕は目の前で繰り広げられている戦いに目を奪われた。

先ほどの戦いでかすたびに々な筋が悲鳴を上げてくことができないが、たとえけたとしてもこの戦いにることはできないだろう。

「聖剣――『神罰』」

上段に構えている佐藤君の剣から大きなの柱が立ち上り、視界を焼く。

そのの柱からはすさまじい力が圧されているのをじた。

城を出た後僕たちはそれぞれ実戦経験やそれぞれの鍛錬によって格段にレベルを上げた。

だとしても、佐藤君には屆かない。

勇者という職業の特なのかもしれないが、僕たちが一歩進む間に佐藤君は十歩も二十歩も進んでいる。

さっきは力及ばずに倒れたけど、それは僕と上野さんを守りながら戦っていたっていうのもあった。

そして、佐藤君は実戦の方が々なことを吸収して長する。

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だからこそ僕は多の無理を承知で佐藤君を回復させたのだ。

「はぁぁぁぁぁ!!!!」

の柱を振り下ろした先にいた魔がすべて消滅する。

この聖剣は斬るのではなく消滅させるというのが正しいと思う。

それだけ圧倒的な力の差だということだ。

剣を振り下ろした佐藤君に、僕はカンティネン迷宮で僕たちのために退路を築いたサラン団長の背中を見た気がした。

僕の憧れは朝比奈君で変わりはないが、佐藤君は老若男問わずにみんなが憧れる人だと思う。

「おーい!」

佐藤君の技によって魔が消滅し、森が靜まり返ったと思うと今度は七瀬君の聲が響いた。

いつもと変わらないその聲に安堵する。

七瀬君にはジールさんがついていたから魔に倒されるというのは想像していなかったが、それでも萬が一というのはある。

七瀬君は誰とでも仲良くできて、教室の隅にいた僕にも聲をかけてくれる人だから彼が死んでしまったらと思うととても悲しい。

「七瀬君、ジールさん!大丈夫やったん?」

今まで靜かだった上野さんが聲を上げる。

ぱっと見たかんじ二人に怪我はなく、僕たちはをなでおろす。

そしてそちらはどうだったのか聞こうと佐藤君が口を開こうとしたとき、それより先に慌てたように七瀬君がぶ。

「俺らには怪我はない!そんなことよりすぐにここを離れるよ!」

けない上野さんをジールさんが抱え、疲労困憊の僕に七瀬君と、何が何やらわからないような顔をしている佐藤君が肩を貸してくれた。

何かあったのだろうか。

「ジールさんが言うには、この森の主がさっきの司の攻撃に反応してしまう可能があるらしい。先代勇者も避けていたくらいの魔みたいだぞ!気づかれないうちに逃げた方がいい」

走りながらされる説明に僕は口をポカンと開いた。

橫を見ると、佐藤君も同じような顔をしている。

「森の主??そんなんおんの?」

「ええ、ですから急いでいるんですよ」

と、先ほどの場所から百メートルほど離れたとき、突然地面が揺れて僕たちは地面に倒れた。

「地震か?」

「いえ、魔の聲ですよ。今言った森の主というやつです」

しばかり聲を潛めてジールさんが言う。

曰く、森の主は一聲で地面を揺らし、くと地面が割れる……らしい。

とはいえ、クロウさんに聞いたらしいから信憑は高いかもしれない。

「……どうやら追ってくることはないようですね。森の主のことははじめに言っておくべきでした。すみません」

そこからし移して、ジールさんは立ち止まり、巖の上に上野さんを置いて負傷した足の手當てを簡易的に行う。

癥が殘ることはないくらいの怪我ではあったが、今歩くのは難しそうだ。

「とりあえず朝比奈君たちと合流することを最優先にしよう。上野さんの足を細山さんに手當てしてもらわなければ」

佐藤君が聲をかけるが、でもどうやって合流すればよいのだろうか。

この森はかなり深く、々と移したせいで僕はもう自分の現在地が分からない。

前後左右どの方角を見ても木ばかりだ。

「なあ、みんなこれ見て!!」

みんなで悩んでいると、巖に座った上野さんが一本の木を指差す。

「あっ!これは……」

「朝比奈君、和木君、細山さん。みんな無事でよかった」

再び八人全員がそろったのは、一番最初に散開したし開けた場所だった。

俺たちがその場所についたときには朝比奈君たちはすでに到著していて、採って來た果実を並べて僕たちのことを待っていた。

三人とも怪我はなく、あったとしても小さい切り傷で、おそらく枝に引っかかったりしてついたものだろう。

各自とってきた食べを並べて、均等に取り分ける。

どうやら細山さんが食べられるものか食べられないものかわかるらしく、はじめに毒見をしてくれた。

結果、僕やジールさんたちの班は比較的すぐに戦したため朝比奈君たちよりもない量となってしまった。

川で魚を手づかみで取るのはとても難しく、楽しかった。

食事をしながら朝比奈君が口を開く。

「にしても、よくここまでたどり著いたな。そっちは何の目印もしていなかっただろう?森の中で魔もいるから狼煙も焚けなかったし、今晩は三人で野営をするかもしれないと思っていたんだが」

朝比奈君も再會を喜んでいるのか、心なしかいつもよりも饒舌だ。

あ、この魚、鯛の味がしておいしい。

見た目は完全に鯉なのに。

持っていた量の塩で味付けしただけの焼き魚だけど、空腹は最高の調味料とはよく言ったもんだ。

はぐはぐと魚を食べながら會話に耳を傾ける。

これからの方針なんかを決めるときは朝比奈君と佐藤君で決めることが大半だ。

たまにジールさんも混ざるけど、普段は口を挾まずに僕たちの方針に従ってくれる。

教室ではあんまり話しているところを見なかった朝比奈君の會話にも慣れてきた。

多分無意識だろうけど、朝比奈君と織田君は口調がし似ている。

どちらかが似せているのかな?

それとも一緒にいるうちにうつったのかな。

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