《裏切られた俺と魔紋の奴隷の異世界冒険譚》7話
おっちゃんと別れてからしばらく市場を探してみたがアリアが食べれそうなものはなかった。
酒屋っぽいところに栄養ドリンみたいな飲みが売ってたから、とりあえずそれは飲ませたけど、それだけじゃさすがにまずいだろ。
あとは水しか與えてないし、早くどうにかしないとな…
「自炊するしかねぇか。」
自炊っていっても昨日の宿を見たじではこの世界の宿の部屋には臺所が存在しない可能が高い。
「やっぱり外か…。」
外は若干のトラウマがあるからな。
でも森から出てくる魔はないっていってたから、草原側でならキャンプとかできるかもな。
さっき米っぽいのが売ってるところと鍋とか売ってるところがあったから、自炊できないこともないだろう。
「質的に食べれないものってあるか?」
念のためアリアに確認を取る。
「…ないです。」
さっきからアリアのお腹が鳴りっぱなしだ。
恥ずかしいのか話しかけても全く顔を上げない。
出會ったときは死寸前みたいな見た目だったにもかかわらず、腹の蟲なんてなってなかったのにな。
まぁ元気になってきたってことかな?
米や、野菜と鍋やナイフや大きめな布を買ったが、包丁やまな板は見たところ置いてなかった。
それにしてもけっこうな荷になったな。
この世界にはビニール袋なんて便利なものはないから、持ち運びにくいのなんの。
マジックバックにるだけ食材をれてアリアに持たせ、殘りは鍋の中にれて俺が持っている。
本當はマジックバックすら持たせるのが怖いくらいにアリアはガリガリなのだが、大丈夫だというから持たせている。
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鍋類や米はガントレットの加護のおかげかほとんど重さをじない。
本來なら不必要なものを買ったせいで、もう所持金が銀貨70枚と銅貨がちょっとしかない。
本格的にヤバくなってきたな。
外に出るための門のところに著いたので、冒険者カードを見せて通ろうとしたら、アリアの分証も見せるようにいわれた。
「俺の奴隷なんだけど、ダメなの?」
「でしたら奴隷紋を確認させてください。」
そういやまだ奴隷紋を刻んでなかったな。
「すまん。出直す。」
回れ右して奴隷市場に向かうこととなった。
「お待ちしておりました。」
相変わらず背中がくなるような笑顔で出迎えられた。
笑顔が下手なのかわざとやってんのかわからねぇやつだな。
「奴隷紋をしてもらいにきた。」
「いいのでしょうか?まだ完治していないように見えますが?」
「あと3日くらいで完治する程度には回復したから大丈夫だ。それとも奴隷紋を刻むのはそんなにに負擔がかかるのか?」
奴隷商はローブに隠れたアリアの顔を覗き込む。
アリアはビクッと肩を跳ねさせ、一歩下がった。
「今くらい生気があれば問題ないでしょう。それにしても神薬を使わずに治すとはどんな手を使ったのでしょうか?」
やっぱりこいつは神薬を使わなきゃ治らないレベルの病気だとわかってやがったな。
「知り合いの補助をけながら最高品質の治療薬でどうにかな。」
「素晴らしい人脈をお持ちで。」
もしかしてあのって何気に凄いのか?
そういや知り合いとかいっときながら名前も知らないわ。
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「たまたま知り合っただけだ。それよりあまり時間がないから早く頼む。」
アリアがそろそろ空腹に耐えられなくなるからな。
それに飯の匂いにつられて魔がくる可能もあるから、夜になる前に食べ終わりたい。
「それでは直ぐに始めましょう。」
そういって歩き始める奴隷商のあとについて行くと、昔漫畫で見たような魔法陣が床に書かれた部屋に連れて行かれた。
「お待たせいたしました。お客様はそちらの円の中にお立ち下さい。そして、奴隷を魔法陣の真ん中に立たせてください。」
指示されるままに行する。
「アリアはそこに立つんだとよ。」
「…はい。」
定位置に立ったのを見計らって、奴隷商が俺の後ろに立った。
「紋様は額かに刻むことができますが、どちらになさいますか?」
どんな紋様かがわからないが、さすがに顔は可哀想だろ。
「で頼む。」
「かしこまりました。それでは始めます。」
奴隷商から顔をそらし、アリアを見る。
何が起きるかわからずに張しているようだ。
「我が認める。互いの分を違えることを同意し、下の者の心の臓に紋様を刻み永遠の証となれ。」
『奴隷契約』
魔法陣のを黒い何かが這うようにアリアに向かって高速で進み、足を伝って絡みつき、あっという間にに集まる。
アリアは苦しそうにしているが、死ぬほどではなさそうだ。
數秒アリアのあたりで蠢いたかと思うと、黒い何かが一滴だけ床に落ち、凄い速さで這って、一直線に俺の方に向かってきた。
「避けないでくださいね。」
回避行を取ろうとしたのがバレたのか、奴隷商に釘を刺された。
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黒い何かは俺の足に到著すると、登ってこないでそのまま浸していった。
なにかがってきたのがわかる。
ステータス畫面を見ると奴隷の項目が増えていたので確認をする。
奴隷1
アリアローゼ 8歳
人族LV1
狀態異常:弱
スキル なし
加護 『長補強』『炎耐』
俺のスキルの長補強は加護として奴隷にも與えられるのか。
これは當たりスキルだな。いや、どの程度上がるかわからないんだから當たりかはわかんねぇか。
あとは奴隷の止事項の設定ができるみたいだ。
裏切りに當たるものは全部止だ。
あとは止事項にれた場合の罰を選べるのか。
まぁ敵意を持って俺の不意をついた攻撃を仕掛けてきた場合は死を持って償ってもらうが、あとはの締め付けレベルマックスでいいか。
曖昧なのはとりあえず今は設定しなくていいや。
それと、今までスルーしていたパーティー編を使うときがきたな。
この世界の奴隷なら裏切れないらしいからな。
パーティーは自分含めて6人までみたいだ。
とりあえずアリアを設定っと。
そういや冒険者ギルドでいっていた『チーム』とは何が違うんだ?
付のお姉さんが話してるときは仲間なんていないから別にいいと聞き流してたが、ちゃんと聞いとけば良かったな。
また今度覚えてたら聞いてみればいいか。
「以上にて完了となりますが、先ほど荷したばかりの奴隷を見ていきますか?」
「今は急いでいるからやめておく。」
処分間際の奴隷で銀貨20枚なんだから、今の所持金じゃたぶん買えないだろう。
金がないって斷ってなめられるのも良くないしな。
「失禮いたしました。初めにお急ぎだとおっしゃってましたね。」
「ちなみに今の奴隷紋はどの程度の強度なんだ?」
前にレベルがあるっていってたしな。
「本來ならサービスなのでレベル1なのですが、お客様は戦闘奴隷をお求めと最初にお聞きしていましたので、特別サービスでレベル3を付けさせていただきました。冒険者を基準にしますとレベル50まではまず逆らえないでしょう。これ以上が必要になった場合は申し訳ございませんが有料となってしまいます。」
そのくらいになったらたぶんソロでも戦えるだろうから、別に問題ないな。
「最高レベルはいくつだ?」
「レベル5となります。5は特殊な力を持っていない限り、逆らうことは不可能といわれております。4でも今まで自力突破されたと聞いたことはありません。」
そのいい方だとレベル3までは自力突破されたみたいに聞こえるが…。
「察しの通り、お客様が奴隷紋料を安くすませたせいで、戦闘奴隷が強くなりすぎて痛い目を見たという話はいくらか伺っております。」
それでレベル3までは今までのデータをもとに大丈夫であろう基準があるわけか。
「そっか、あんがと。じゃあもう行くわ。」
「またのご來店お待ちしております。」
奴隷商と別れて街の外に出るための門のところに戻ってきた。
俺は冒険者カードを渡して、アリアの奴隷紋を見せようと思ったが、今さらながらのに奴隷紋って分チェックのたびにを見せることになるのか…額にしてやるべきだったか?
いや、あとで冒険者カードを作ってやればいいのか。
そんなことを考えていたが、アリアは特に恥ずかしがることもなく奴隷紋を見せた。
まぁつっても8歳だから問題ないか。
やっと外に出れたけど、もう俺の腕時計で15時かよ。あと3時間くらいしかねぇじゃねぇか。
とりあえず場所を決めなきゃな。
森からある程度離れながらもちゃんと森の様子を視認できる距離が妥當だろう。
整備された道の右側の草原を歩きながら、しっくりくる場所を探した。
最終的には街の外壁から1キロくらい離れていて、整備された道から500メートルくらい離れた場所にした。
荷を置いていざ料理を始めるかと思ったが、薪も炭も食類も買ってねぇや。
ここまで來たら森の木から作った方が早そうだな。
まだ晝だから大丈夫なはずだし。
「ちょっとそこの森から木片を取ってくるから、荷を見ててくれ。」
「…。」
森に向かって歩き始めたところで、立ち止まる。
返事がなかったからだ。
どうしたかと振り向くと、し震えていた。
「どうした?」
「…ごめんなさい。」
「思ったことをいっていいぞ。」
「…連れて行ってほしいです。」
捨てられると思ったのか?
それなら自由になってむしろいいんじゃないか?いや、奴隷紋のせいで逆らえないから置いて行かれたらここからけなくなるのか。
それは確かに怖いわな。
「まぁし目を離したくらいじゃ炊いてもない米や鍋類は盜まれねぇか。じゃあ連れてってやるけど、時間がないから俺が運ぶぞ?」
前に俺に運ばれて合悪そうにしてたから、一応いっておく。
「…はい。」
マジックバックだけ持って、アリアを抱えて全力で走った。1キロないくらいの距離だが、1分もかかってなさそうだ。
だが、PPは10%くらい減ってる。
森のり口付近で探したが、生きてる木ばかりで燃やせそうながない。
安全確認をしながらしずつ奧にったところで結構大きな枯れた木片を見つけたので、丸ごと持って行くことにした。
あとはスプーンやオタマを作るために生きてる木からナイフで削り取った。
森についてからはアリアは自分で歩かせているが、すごく警戒しながら俺のそばを歩いている。
この辺りはなんか見覚えがあると思ったら、昨日俺が來たところのようだ。
そうそうここで初めての魔狩りを…
俺が倒した魔だと思われるものの骨だけが放置されていた。
牙が片方ないからたぶんそうだろう。
つっても骨と歯とツノしかないがな。
周りを見回すと、し離れたところに上顎と下顎が外れてる犬もどきの骨が2分あるから間違いなさそうだ。
遅れて気づいたアリアは小さい悲鳴をあげた。
「こいつは俺が初めて倒した魔だ。」
「…え?」
「倒したはいいんだけど、素材になりそうなものを取ろうとしてたら仲間っぽいやつらに襲われて、放置せざるをえなくなってさ。せっかくだから回収していこう。アリアは周りの警戒を頼む。」
「…はい。」
何かいいたそうにしていたが、けっきょく何もいわずに返事をした。
がないせいか思いの外楽に牙は取れたが、ツノは頭蓋骨に完全にくっついてるみたいだ。
めんどうだからこのまま持ってくか。
首のところでゴリっと無理やり取ったら、またアリアが小さい悲鳴をあげた。
まぁそのうち無理やりにでもやらせるがな。
2人とも立ち止まったことにより靜かになったからか、かすかに水の流れが聞こえる気がする。
そんなに遠くはなさそうだったから、3分の素材回収が終わってから足を運んでみた。
100メートルほど歩くと目視で川が確認できたので、近づく。
これって飲めるのかな?
識別を発。
…
無反応だと ︎
って平気なのか?
識別を発。
『無問題』
よくわからんがるのは大丈夫みたいだ。
ちょうどいいし、アリアの汚いをここで洗っとくか。
「アリア、服をげ。」
「…はい。」
ローブの結び目を解くのに苦戦してたから手伝ってがせ、ボロ布は自分でいだ。
下著は著てなかったようだ。
ってか傷が酷いな。
もう全部古傷のようになってるけど、顔以外に傷がない部位がねぇんじゃねぇか?
はボロ布でスッポリ覆われてたうえに布から出てる手足部位はそこまで傷が目立ってなかったから気にしてなかったけど、あらためてよく見ると腕や足まで傷だらけだ。
特に背中がヤバい。
2日前の俺なら目を背けるレベル。
犬もどきの顔を潰したグロさを見たおかげか、今は酷いなと思う程度で済んだ。
グロ耐0のやつが見たら吐くかもな。
「そしたら川にれ。」
「…。」
怯えた目で俺を見てきた。
どこぞのCMのチワワみたいだな。
「を洗ってこい。」
まだアリアはこうとしない。
「しゃーねぇな。俺も淺いところまでならってやるからそこで綺麗にしろ。」
面倒だったがブーツと靴下をぎ、スウェットを膝まで上げて水にる。
アリアも俺に続いてってきた。
川の水って意外と冷たいな。
これは深いとこにって洗えってのも辛いか。
「髪を洗ってやるからそこで仰向けに寢て水に浸かれ。は自分で洗えよ。」
寢ないと浸かれない淺さだからといってを全で仰向けに寢かせるとか通報ものだな。
でも本人は恥ずかしいとは思ってないのか、素直に従う。
まぁ8歳なんて一部の変態以外は別を意識なんてしないからな。
本人が平気なら問題ないだろ。
俺は淺瀬に足をれ、アリアの髪を洗おうとしてビックリした。髪がぬとっとしていて、ぶっちゃけ気持ち悪い。
は本人が一生懸命手でこすっている。
垢すりなんか使ってないのにポロポロ剝がれた皮が流れていくのが見える。
どんだけ風呂にってねぇんだよ。
まぁ臭いでなんとなくわかっちゃいたけど、ここまでとはな。
我慢して髪を水の中で洗い続けたら、ちょっとマシになってきた。
本人はまだ一生懸命を洗ってるから、その間は髪を指で梳き続けた。
10分くらいしたらアリアのきが止まった。
「…ご主人様。」
かなり背中がむずくなった。
鳥までたってやがる。
ご主人様とか実際に呼ばれるとゾワッとするな。
「俺は神野 力だ。力が名前だ。」
「…ごめんなさい。リキ様。」
様もなんか恥ずかしいが立場を勘違いさせないためにもけれるべきだろう。
「どうした?」
「…背中が屆きません。」
「しょうがねぇな。」
髪を梳いてた右手をそのまま背中に回し、ってやる。
「痛かったらいえよ。」
「…はい。ありがとうございます。」
それにしてもめっちゃ垢が取れる。
いっそ清々しいな。
ただ素手で洗ってるから傷痕が生々しいがな。
思いの外時間を使ってしまったため、そろそろ上がろうと思ったら、タオルがねぇ…
せっかくを洗ったのにもう一度ボロ布著せるのも嫌だしな…
服とタオルも買っておけば良かった。
とりあえずボロ布を川の水で洗って絞る。
1度洗ってもまだ臭いから何度も洗ったが、汚れが落ちきる気がしねぇ。
ある程度マシになったところで絞ってタオル代わりにしてアリアを拭く。
の上に直接ローブを著せる。
俺の足もアリアが著てたボロ布で拭いて靴下とブーツを履き直して、草原に戻ることにした。
腕時計を確認すると16時を過ぎていた。
を洗ったりオタマやスプーンの代わりになるようなものを木から作ったりとしていたから、けっこう時間が経っていた。
急いで飯を作らなければ夜になってしまうから、荷のとこに著くなり、買ってきた水で米をといで鍋にれ、買ってきたや野菜類を(俺の技量の範囲で)出來るだけ細かく切って鍋にれ、水を鍋いっぱいにれる。
あとは味付けだが、調味料も買ってねぇや…
うん、弱ってるアリアに取っては素材を活かした薄味の方がいいだろう。
ということで鍋にフタをして、準備OK!
だからあとは火をつけるだけなんだが、これも持ってねぇ…
「ダメダメじゃねぇか!」
俺の獨り言にアリアがビックリして肩を跳ねさせた。
「悪い。今さらだが、火がないから作れねぇ…」
ここまできたら適當に魔狩りしてレベルを上げて、炎系のスキルを覚えた方が早そうだな。
するとアリアがローブのポケットから黒いビー玉みたいなを取り出した。
「…たぶん、火の出るマジックアイテムです。」
なぜ奴隷が私を持ってる?
「どこで手にれた?」
「…薬屋のお姉さんにもらいました。」
俺が薬を買いに行ってるときか?
こうなることを予想していたのだとしたら凄いやつかもしれない。
玉をけ取り観察する。
明はあるが、中が暗くなっててよく見えない。
「なんていって渡されたんだ?」
「…。」
なぜ黙る?
「正直にいえ。」
「…リキ様が変なことをしてきたら、ローブを羽織って、この玉を地面に叩きつけるようにとです。」
あのガキ…
まぁ確かにそのローブを著て使えってことは炎系の可能は高いな。
意識が玉からそれたとき、手からポロっと落下した。
あ…と思った瞬間、直がうるさいくらいに危険だと告げている。
音が出てるわけではないが、気分的には警報を耳元で聞かされるじに近い。
どうするかなんて考える前にがほとんど勝手にマジックバックとアリアを抱えて力の限り飛び退いた。
後ろで鍋の蓋の上に落ちた玉からだろう、ピキッというヒビがったような音が微かに聞こえたと思った瞬間、ゴオッという轟音が響いた。
PPが一気に80%も消費されるほどの漫畫みたいな跳躍だったにもかかわらず、背中が熱い。
燃えてはいないだろうが、異常な範囲の炎が立ち上り、わけわからん熱量をさらに広範囲にぶちまけていた。
炎は15秒ほどで消え、それに合わせて熱さもおさまったが、さっき持ってきたけっこう大きめの枯れ木の殘りは跡形もなかった。一応の存在証明かのように置いてあった場所に影のような黒い跡があるだけだ。
草原の草すらこの辺りは燃えてなくなっている。
さすがに鉄でできてる鍋は燃えてはいなかった。
魔の頭蓋も無事みたいだ。
若干黒くなってるが、多分焦げたわけではないだろう。骨だし。
燃えるものは燃やし盡くしたように見えたが、まだ何ヶ所かで微かに火が殘っている。
マジックバックから食材を出したときにバックにさっき作ったオタマやスプーンと大きめな布をしまっておいてマジで助かった。
ってかなんつーもんを俺の奴隷に持たせてんだよ!
「…ごめんなさい。」
「いや、べつにアリアは悪くないだろ。手をらせた俺と、そもそもこんな危ないものを持たせたあののせいだから気にするな。火傷はないか?」
「…熱くなかったので、大丈夫です。」
炎耐っていうのはその熱も含まれるわけか。
こんなところに突っ立ってても仕方がないし、鍋のとこに戻るか。
鍋から湯気が出ている。
ガントレットを裝著してフタを開けると、若干焦げた臭いもあるが、見た目は白い。
水分が飛びすぎて、このままだとカピカピになりそうだ。
俺はマジックバックから殘った水を取り出し、おもむろに鍋にれてみた。
ジューーーーッという音がした後、グツグツと煮え始めた。
どんだけ加熱されてんだよ。
でもそのおかげでリゾットができた。
食べたことないけど、これがこの世界のリゾットということにしておこう。
一口食べてみる。
うん、苦味はないな。
味もないけど。
かなり集中して食べれば微かに野菜の味なんだろうなって味はするが、薄味とかいうレベルじゃない。
まぁ食べるのは俺じゃないからいいか。
マジックバックからさっき作ったスプーンを取り出して、アリアに差し出す。
「ご飯が出來たから好きなだけ食え。鍋はかなり熱いから、絶対にるなよ。あと、し食べたらすぐに腹がいっぱいにじるかもしれないが、そしたら無理せずいったん休め。そのあとまたお腹が空いたら食べろ。それをゆっくりと時間をかけて繰り返せ。休んでもお腹が減らなそうだったらそこで終わりだ。俺はその間寢てるから、終わったら必ず起こせ。あと、何かあったときも必ず起こせ。飲食以外の勝手な行は許さない。わかったか?」
「…はい。」
アリアが理解したことの確認を取り、バックから大きめな布を取り出す。
ナイフで布をし破き、もう使わなくなった木のオタマと味見に使ったスプーンにそれぞれ巻きつけて、近場の微かな火をオタマの方に燃え移させる。
そのオタマを鍋の近くにブッ刺して、そのオタマに布巻きスプーンを立てかける。
もっと木がしいけど、ここを離れるとしたらアリアまでついてきそうだしな。
アリアには夜になる前に飯を食ってもらわないと困るし、まぁ火が消えたら消えたでいいか。
俺は焼け野原跡に橫になり、し眠ることにした。
今日は本當に疲れたのだろう。
あっという間に意識が持っていかれた。
星の見守り人
如月 星(きさらぎ せい)はごく普通の宇宙好きな天文探査官だった。 彼は銀河連邦の公務員で有り、科學や宇宙が好きだったので、宇宙探査船に乗って、宇宙探査局の命令に従い、のんびりと宇宙探査をしていた。 辺境の宇宙を しかし彼の少々変わった才能と、ある非常に特殊な遺伝的體質のために、彼は極めて特殊な計畫「メトセラ計畫」に関わる事となった。 そのために彼は萬能宇宙基地とも言える宇宙巡洋艦を與えられて、部下のアンドロイドたちと共に、宇宙の探査にでる事となった。 そしてある時、オリオン座のα星ベテルギウスの超新星爆発の調査に出かけた時、彼のみならず、人類全體の歴史と運命を背負う事になってしまった・・・ これは科學や探検が好きな一人の人間が、宇宙探検をしながら、しかしのんびりと暮らしたいという矛盾した欲求を望んでいたら、気が遠くなるような遠回りをして、ようやくその願望を葉える話である!
8 137【最強の整備士】役立たずと言われたスキルメンテで俺は全てを、「魔改造」する!みんなの真の力を開放したら、世界最強パーティになっていた【書籍化決定!】
2022/6/7 書籍化決定しました! 「フィーグ・ロー。フィーグ、お前の正式採用は無しだ。クビだよ」 この物語の主人公、フィーグはスキルを整備する「スキルメンテ」が外れスキルだと斷じた勇者によって、勇者パーティをクビになった。 「メンテ」とは、スキルを整備・改造する能力だ。酷使して暴走したスキルを修復したり、複數のスキルを掛け合わせ改造することができる。 勇者パーティが快進撃を続けていたのは、フィーグのおかげでもあった。 追放後、フィーグは故郷に戻る。そこでは、様々な者にメンテの能力を認められており、彼は引く手數多であった。 「メンテ」による改造は、やがて【魔改造】と呼ばれる強大な能力に次第に発展していく。 以前、冒険者パーティでひどい目に遭った女剣士リリアや聖女の能力を疑われ婚約破棄されたエリシスなど、自信を失った仲間のスキルを魔改造し、力と自信を取り戻させるフィーグ。 次第にフィーグのパーティは世界最強へ進化していき、栄光の道を歩むことになる。 一方、勇者に加擔していた王都のギルマスは、企みが発覚し、沒落していくのだった。また、勇者アクファも當然のごとくその地位を失っていく——。 ※カクヨム様その他でも掲載していますが、なろう様版が改稿最新版になります。
8 68え、社內システム全てワンオペしている私を解雇ですか?【書籍化・コミカライズ】
とあるコスプレSEの物語。 @2020-11-29 ヒューマンドラマ四半期1位 @2020-12-23 ヒューマンドラマ年間1位 @2021-05-07 書籍1巻発売 @2021-05-13 Kin◯leライトノベル1位 @2021-07-24 ピッ○マ、ノベル、ドラマ1位 @2022-03-28 海外デビュー @2022-08-05 書籍2巻発売(予定) @編集者の聲「明日がちょっとだけ笑顔になれるお話です」 ※カクヨムにも投稿しています ※書籍化&コミカライズ。ワンオペ解雇で検索! ※2巻出ます。とても大幅に改稿されます。 ※書籍にする際ほぼ書き直した話數のサブタイトルに【WEB版】と付けました。
8 124【書籍化・コミカライズ】無自覚な天才少女は気付かない~あらゆる分野で努力しても家族が全く褒めてくれないので、家出して冒険者になりました~
各分野のエキスパートである両親と兄姉5人を持つリリアーヌ・アジェットは幼いころから家族から最高水準の教育を受け続け、15歳になった今ではあらゆる分野で天才と呼ばれている。 しかし家族が全員「この子はこんなに可愛い上に素晴らしい才能もあるのだから、自分くらいは心を鬼にして厳しいことを言わないとわがままに育ってしまうだろう」とそれぞれ思っていたせいで、一度も褒められた事がなかった。 ある日突然遠縁の少女、ニナが事情があって義妹となったのだが、いくら頑張っても自分を認めてくれなかった家族が全員ニナには惜しみなく褒め言葉をかける様子を見て絶望したリリアーヌは書置きを殘して姿を消した。 (ここまでが第8部分) 新天地で身分を偽り名を変えたリリアーヌだが、家族の言う「このくらいできて當然」という言葉を真に受けて成長したため信じられないくらいに自己評価が低い。「このくらいできて當然の最低レベルだと習いましたが……」と、無自覚に周りの心をボキボキに折っていく。 殘された家族は「自分を含めた家族全員が一度もリリアーヌを褒めたことがなかった」とやっと気づくのだが…… 【コミカライズ進行中】
8 170【書籍化・コミカライズ】誰にも愛されなかった醜穢令嬢が幸せになるまで〜嫁ぎ先は暴虐公爵と聞いていたのですが、実は優しく誠実なお方で気がつくと溺愛されていました〜【二章完】
『醜穢令嬢』『傍若無人の人でなし』『ハグル家の疫病神』『骨』──それらは、伯爵家の娘であるアメリアへの蔑稱だ。 その名の通り、アメリアの容姿は目を覆うものがあった。 骨まで見えそうなほど痩せ細った體軀に、不健康な肌色、ドレスは薄汚れている。 義母と腹違いの妹に虐げられ、食事もロクに與えられず、離れに隔離され続けたためだ。 陞爵を目指すハグル家にとって、侍女との不貞によって生まれたアメリアはお荷物でしかなかった。 誰からも愛されず必要とされず、あとは朽ち果てるだけの日々。 今日も一日一回の貧相な食事の足しになればと、庭園の雑草を採取していたある日、アメリアに婚約の話が舞い込む。 お相手は、社交會で『暴虐公爵』と悪名高いローガン公爵。 「この結婚に愛はない」と、當初はドライに接してくるローガンだったが……。 「なんだそのボロボロのドレスは。この金で新しいドレスを買え」「なぜ一食しか食べようとしない。しっかりと三食摂れ」 蓋を開けてみれば、ローガンはちょっぴり口は悪いものの根は優しく誠実な貴公子だった。 幸薄くも健気で前向きなアメリアを、ローガンは無自覚に溺愛していく。 そんな中ローガンは、絶望的な人生の中で培ったアメリアの”ある能力”にも気づき……。 「ハグル家はこんな逸材を押し込めていたのか……國家レベルの損失だ……」「あの……旦那様?」 一方アメリアがいなくなった実家では、ひたひたと崩壊の足音が近づいていて──。 これは、愛されなかった令嬢がちょっぴり言葉はきついけれど優しい公爵に不器用ながらも溺愛され、無自覚に持っていた能力を認められ、幸せになっていく話。 ※書籍化・コミカライズ決定致しました。皆様本當にありがとうございます。 ※ほっこり度&糖分度高めですが、ざまぁ要素もあります。 ※カクヨム、アルファポリス、ノベルアップにも掲載中。 6/3 第一章完結しました。 6/3-6/4日間総合1位 6/3- 6/12 週間総合1位 6/20-7/8 月間総合1位
8 88これって?ゲーム?異世界?
余命2年の宣告をされてから1年後…朝、目を覚ますと…見知らぬ草原にパジャマ姿 両親からのクリスマスプレゼントは 異世界転生だった 主人公、森中 勝利《もりなか かつとし》 あだ名『勝利(しょうり)』の、異世界転生物語 チートスキルの冒険物(ノベル)が好きな高校2年生…余命は、楽しく、やれることをして過ごす事にする
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