《裏切られた俺と魔紋の奴隷の異世界冒険譚》15話
街までの帰り道の2時間を有効活用しようと思い、現在はスキル一覧を見ている。
街からダンジョンに向かうときは飯を買って食べ歩きながらだったし、なんだかんだで初めてのダンジョンってことで心浮かれてたから、なんとか2時間歩けたが、何もせずに2時間歩くのは苦痛でしかない。
アリアとは必要最低限の會話しかしないから、2人で無言で歩き続けるとか暇すぎる。
だから、昨日途中で終わったスキル一覧の確認をしている。
なんか初めてスキル一覧を見たときより増えてる気がするんだよな。
初めてのときは量が多すぎて流し見だったから見逃してるだけって可能もあるけどな。
いくつか気になるのはあったが、やっぱり名前だけじゃわからないのが多すぎる。だからといって全部を解説で確認する気にはならない…
どうせSPはいっぱいあるんだし、無駄だと思ってた初級魔法シリーズでも取ってみるかな。
火、水、土、風、電、、闇の7種類みたいだな。
どれもが『…が出る。』になっている。
全部を取得して試してみた。全部右手の人差し指の先から出るようで、火はライター代わりレベル、水はちょろちょろと水道の締めがあまかったときレベル、土は人差し指の先がし盛り上がったと思ったら土に変わり、風はノートパソコンのファンより弱い、電はまさに靜電気、と闇は玉みたいなのができて、明るい玉と暗い玉だった。
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うん、本當に出てるだけだ。
MPの量とかを調整できるわけでもないみたいで、それ以上にも以下にもならない。
初級魔法自はマジで使えないけど、初級魔法を取ると中級魔法が出てくるようだ。
解説で確認すると『…が出る。』から『…が出せる。』に変わっただけみたいだ。
何が違う?
いい方が違うだけじゃねぇの?
とりあえず中級魔法を取る前にジョブが増えてないかを確認すると、増えていた。
もちろん解説を発。
魔法使い…魔法を使う者に適したジョブ。上限は50レベル。
これは俺よりもアリア向きだろう。
俺は魔法はダズルアトラクトしか基本は使わないからな。
魔法使いのためにフォースジョブを取るか、調教師がカンストしたられ替えるかで悩むな。
また他のジョブが手にるかもしれないから、取っちまうか。
フォースジョブを取得して魔法使いをセットする。
どうせだから中級魔法も取るか。
全7種類を取得して試すと、今度は出す位置と量を調整できるみたいだ。
ただ、確かに出せるだけで前に飛ばしたりとかはできないみたいだ。
出す位置も自分を中心にせいぜい半徑1メートルくらいまでみたいだしな。
電はなんかスタンガンみたいに使えそうな気がするけど、他のは攻撃向きではないな。
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ジョブも確認すると、今度は魔師が増えている。
こんな簡単にジョブが増えるとは…
一応確認しとくか。
魔師…魔法を使う者に適したジョブ。上限は100レベル。
上限が変わっただけか?
まぁいいや。
フィフスジョブを取ってセット。
さて、次は上級魔法が出てきたが、今までの流れを考えると、1つにつきSPを4消費すると思うんだよな。
しかも上級は全部で9種類あるみたいだ。
石と氷が増えてる。
解説すると『…をる。』になってるから、やっと実用のある魔法になるっぽいが、全部取るとSP36消費だからけっこうでかいな。
SPの殘りは101か…ジョブも増えたからまたSPは手にるだろうし、取っちまえ。
全部取得すると、新しく上級魔法が増えやがった。
どれも『…をる』と変わらないが、後から出てきたってことはSP8消費ってことか?
熱、冷、砂、泥、空間、磁力、影と7種類あるみたいだ。
これを取るとさすがにほとんどなくなっちまうな。
仮にこれを取ったら新しいジョブが出たとしても、シクススジョブを取るSPが殘らない。
だが、ここまできて取らないってのもなんか負けた気がするから不思議だ。
取っちまおう。
取った後にふと思ったが、この後また新しく上級魔法が出てきたらどうすんだ?
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まぁ杞憂に終わったがな。
とりあえず新しい上級魔法は出てはこなかったな。
上級魔法を試す前にジョブを確認すると、魔導師が増えていた。
魔導師…魔法を使う者に適したジョブ。上限は200レベル。
レベルの上限が巫を除けば今までで一番高いな。
これは期待できるかもな。
調教師がカンストしたられるとしよう。
では、あらためて上級魔法を使ってみるか。
全部試すにはMPが全然足りない。
とりあえず火は試したが、まず火を出現させた後、自由にることができた。
火力調整は出現時のみでなく、っている最中であればいつでもできるみたいだ。
ただ、っている最中は常にMPが消費されるうえに火力調整でもMPが必要だ。小さくするのも大きくするのもMPを消費する。
直線的に飛ばしてリンクを切ればMP消費はしなくなるが、その火はある程度飛んでった後に消える。
だから敵に攻撃するなら當てるまでる必要がありそうだ。
上級魔法の火でいろいろ試したせいですでにMPが心許ない狀態だ。
最初に取った上級魔法はなんとなく想像できるからいいけど、後半の上級魔法はわけわからんのが多いのに全部試すMPがない…
アリアに頼むか。
「アリア。マジックシェアをしてくれ。」
「…はい。」
『マジックシェア』
し離れて前を歩くアリアに聲をかけて頼む。
俺が魔法を使ってるのはなんとなくわかっていたみたいだから、何もいわずにかけてくれた。
ちなみになぜ隣ではなく前を歩いてるかというと、俺が左手に持ってるミノタウルスの生首のせいだろう。
この世界は基本が過ごしやすい天候みたいだが、それでも一晩、なんの処理もしてない生首を放置したら臭いが出るってものだ。
だからアリアに距離をおかれている。
ここは奴隷が代わりに持ってもいいと思うが、軽量の加護がないとたぶん重いからな。
まぁあきらめよう。
マジックシェアをしたから、わけわからん魔法を使ってみるか。
熱や冷は熱気や冷気をるみたいだ。
溫度調節はMP消費で変えられるみたいだが、自分の近場でしか使えないみたいだ。
足もとをかなりの高溫にしてみたら、地面が赤くなった。
これを人に使ったら溶けそうだな。
しかも自分には適用されないようで、熱くない。
さすがに赤くなった地面をる勇気はないから、そこまで俺に効果がないかはわからない。
熱気自はじないが、熱したものをったら普通に熱いだろうと思っておこう。
砂や泥は足もとらへんを砂や泥に変えたうえでることができるみたいだ。
あんまり遠くを砂や泥に変えることはできないみたいだが、突進してくるやつの足場を崩すくらいはできそうだ。
近接戦闘の俺には向いてるかもな。ズルい気もするが。
一番気になっていた空間は使ってみると目の前の空間が歪んだ。
なんか覚的にもう1ヶ所出現させるってのがわかり、試してみる。
すると歪んでた空間にもう1つの空間の先の景が映る。
手をれると先の空間に手が移した。
サイズや場所はMP次第で変えられるが、場所にかんしてはせいぜい10メートル先が限界っぽいな。
短距離ワープならできるが、これはMP消費が異常だ。
相手の飛び道をワープさせるくらいにしておかないとMPがもたないだろう。
マジックシェアをしているのにもうMPが3分の1を切った。
でもあと2つだ。なんとかなるだろ。
磁力はS極とN極を纏わせることができるみたいだ。
MP消費次第で數や距離、磁力を作できるみたいだが、無駄使いはやめておこう。
距離は目に見える範囲くらいはいけそうな気がする。
とりあえず左手にS極、右手にN極を纏わせると、両手がくっついた。
今は素手だから、バチンッとくっついてし痛かった。
磁力は弄っていないが、引き離すのにけっこうな力が必要なくらいには強い。
力を込めて引き離そうとしたらMPが減った。
抵抗されるとMP消費するのか。
今度は右手もS極にすると反発した。
力盡くでくっつけることはなんとかできそうだが、MPが削れてくからやめた。
最後に影を試すと、自分の影を自由にれた。
自分のきと関係ないきをさせられた。さすがファンタジー。
かせる距離とかはMPではなく影の面積が変わらない範囲みたいだ。
細くすれば遠くまでいけるってじだ。
だが使い道がなくないか?
立的にかせないかと思ったら、できた。
ただ、立的にかすとMPを消費する。
自分の影を急に尖らして敵を貫くとかできそうだ。ただ、理的にダメージを與えられるのかわからない。
俺はれるからたぶん大丈夫だろ。
これで一通り試したが、MP消費が激しくて、実戦で使えるかは微妙だな。
まぁ魔法使い気分は味わえたがな。
さて、殘りのSPはどうしようか。
気になったスキルはいくつかあったが、全部取るほど殘っていない。
ここは1番気になったやつだけにしておくか。
テイム…野生の魔を手懐けることができる魔法。
使い魔っていうのが気になっていたからな。
この世界じゃ馬も魔らしいから、馬車を使うにも必須スキルだろ。
ちなみに馬以外は元の世界で見たことのあるをこの世界では見たことがない。
いるのかいないのかすらわからない。
犬や貓を聞いたときには通じなかったからいないのかもな。
ちなみにこれらは街からダンジョンに向かう途中で歩くのが嫌になり、足がしいって話をアリアにしたときに聞いた話だ。
だから、アリアが知らないだけってのはありえるがな。
テイムを取得したら、今度は使い魔契約が現れた。
使い魔契約…テイムした魔と使い魔の契約をすることができるスキル。
これも取得したら、今度は使い魔解放が現れた。
使い魔解放…使い魔との契約を破棄することができるスキル。
解放はしたくなったら取ればいいからやめておこう。
殘りのSPは6か。
このくらいは殘しておこう。
前みたいに戦闘中にスキルがしくなる可能があるしな。
さっそくテイムを使ってみたいから、最初に會った魔に使ってみよう。
なんて考えてたら、アリアにぶつかった。
アリアはロッドを構えて立ち止まっていたらしく、スキル畫面を見ていて気づかなかった俺が後ろからぶつかったみたいだ。
今のアリアはぶかぶかローブを著ていないから、すぐにロッドを取り外せるようになっている。
「すまん。どうした?」
「…不自然な水溜りがあります。たぶん魔です。」
アリアが見ている方に目を向けると5メートルほど離れた、整備された道からしずれたところに水溜りがあった。
魔のおしっことかってことか?
観察眼はとくに反応していないが、一応解説を発。
スライム…スライム狀の魔。
説明になってなくないか?
まぁあれが水溜りではなく魔でスライムだってわかっただけいいか。
一応右手だけガントレットを嵌めておく。
まぁスライムっていったらどのゲームでも基本は雑魚モンスターだし、テイムの練習にはちょうどいいだろ。
「こいつで新しいスキルの練習をするから、アリアは下がってくれ。」
「…はい。」
アリアは素直に従って下がった。
こっちを一度も見ずに…そんなにミノタウルスの生首を目にれたくないのか?
じゃあさっそく。
『テイム』
…。
MPは減っているが何も起こらない。
功率が100%ではないとかか?
『テイム』
『テイム』
『テイム』
識別で確認。
『敵』
間違いなくテイムできてないだろう。
距離の問題か?
し近づくとスライムが怯えているように見えた。
ん?なんでわかったんだ?
ただの水溜りでしかないのに。
『テイム』
ダメだ。MPは消費してるのに全く功した気がしない。
こいつは従う気がないってことか?
面倒だから倒してしまおうか?
でも飼うつもりだったやつを殺すってなんか嫌だな。
そんなことを思っていたら、水溜りが纏まり、立的な楕円のような形になって、俺の方に飛びついてきた。
反撃を躊躇してしまったせいで、右手のガントレットにまとわりつかれた。
中級魔の電で一発で殺せそうだな。
最後にテイムをして、ダメなら電気ショックを與えて終わりにしよう。
「できれば殺したくないから、これでうまくいってくれよ。」
『テイム』
お?なんかうまくいった気がする。
りながら使わないとダメな魔法だったっぽいな。
解説のスキルでそこまで表記しろし。
さっきまで怯えていたスライムがし落ち著いたようにじる。
表もきもないのになんでわかるんだ?
観察眼が進化でもしたのか?
このまま使い魔契約のスキルも発した。
覚的にか額を選べるようだ。
魔ならどっちでもいいか。
むしろわかりやすいように額の方がいいだろうから額にしよう。
というかスライムにとか額なんて區別あるのか?
まぁいいや。
右手から黒い何かが蠢いて、スライムに絡みつく。
ちょっと気持ち悪いなと思ってたら終わったようだ。
スライムはビックリしていたみたいだが、終わってみればなんともなかったようで安心しているみたいだ。
右手にまとわりついていた狀態から立的な楕円のような形になってよじ登ってきた。
進行方向にある面の上の方に紋様が刻まれている。
アリアの奴隷紋に似ている気がするが、微妙に違う。
移方法はナメクジみたいだが、ナメクジのように通った道にが殘るということもなくてよかった。
どこまで登るのかと気になったから放置したら、頭の上で落ち著いたようだ。
頬を登る際に冷んやりしてちょっと気持ちよかったが、よくわからないものに這われる覚はゾワッときた。
使い魔のことも奴隷と同じくわかるみたいだ。
使い魔畫面にして、表示する。
名無し LV1
種族:スライム
スキル 『捕食』
加護 『理無効』『護られる者』『長補強』『長増々』『進化補強』『狀態維持』
攻撃力とかのスキルは思った通り雑魚だった。
ってか使い魔にも長補強とかの加護はつくんだな。
それより加護の無効って初めて見たな。
理無効…理攻撃ではダメージをけなくなる加護。
凄いな。
まぁこいつのステータスじゃ魔法攻撃で一撃だろうけどな。
あと気になるのは捕食だな。
捕食…食べたものを取りれる。
ん?栄養とするってことか?
それとも食べたものがそのままの部位になるってことか?
試しにミノタウルスの腐りかけのでも食わせてみるか。
「…。」
そういやこいつは名前がないんだったな。
スライムだから別もないだろうし、呼びやすい長さがいいな。
安直すぎる名前も微妙だよな…面倒になってきたからイーラでいいや。
「スライム。今日からお前の名前はイーラだ。さっそくだが、このミノタウルスのをやるからスキルの捕食を使え。」
なんだかイーラが嬉しそうにしている。
ってか言葉って通じるのか?と心配だったが、ちゃんと通じているようで、俺のを這って左手の先のミノタウルスの生首まで下りていった。
イーラは半明な青だから捕食してるのが見えてしまう。
接地面が溶けて吸い込まれているようだ。
ミノタウルスの顔が溶けていく景はけっこうグロいな。
終わるまで放置しておこう。
使い魔も奴隷と同じく止事項が設定できるみたいだから、アリアと同じ設定にしておく。
ただ、紋様を刻んだ位置が違うためか、アリアの罰はの締め付けだったが、イーラは頭の締め付けになっていた。
「アリア行くぞ。」
「…はい。」
俺とイーラのやり取りは一切見ていなかったようだ。
なんか草を毟っていた。
どんだけミノタウルスの生首を視界にれたくないんだよ。
まぁいいけど。
呼ばれたアリアはそそくさと俺よりし前まで移し、進み始めた。
まぁいいさ。
街まであとしだしな。
俺はアリアの5メートルほど後ろを歩き始めた。
HoodMaker:幼馴染と學生起業を始めたのはいいが、段々とオタサーになっていくのを僕は止められない。<第一章完>
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