《裏切られた俺と魔紋の奴隷の異世界冒険譚》21話

服屋ではサイズの合う下著とシャツとズボンを數著だけにとどめた。

よくよく考えたら基本が防を裝著しているから、寢間著があれば十分だとここ何日かで気づいたからだ。

いくら金が手にったからってまだ使えるかもわからない新しい奴隷に無駄遣いをする必要はないからな。

「裝備はとりあえず今俺が持ってるやつを使ってもらうつもりだが、使いたい武はあるか?」

「わかりません。」

「わからないってのはどういう意味だ?俺はセリナの要を聞いたんだが?」

「武を使ったことがありません。」

そういやもともとお姫様だもんな。そりゃあ武の使い方なんてわかんねぇか。

でも武の使い方なんて俺も知らないからな。

「…短剣がいいと思います。」

アリアが急に話にってきた。

「なんでだ?」

「…の作りからして獣人は人間よりも力強いので、筋力を限界まで鍛えるのがいいといわれてますが、本來の持ち味はしなやかさだと思います。せっかく1番がしなやかな時期で無駄な筋をつけていないので、それを活かした速度重視に調整した方がリキ様のお役に立てるのではないかと思います。」

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最近のアリアはよく喋るようになったよな、マジで。

それにそんな知識をどこで手にれるんだよ?まだ8歳だろ?

まぁでもセリナはどう見ても貓だから、なんか納得いく部分もあるけどさ。

「ちなみにそれはどこ報だ?」

「…前に読んだ本を參考にしました。でしゃばった真似をして、ごめんなさい。」

「いや、かまわない。むしろ思ったことはどんどんいえ。採用するかはまた別だが、參考にはなるからな。」

「…はい。」

しなやかさを活かした速度重視だと素手が良さそうだけど、殺傷力がなさそうだから、無難に短剣か?

ただ短剣じゃ面白くないし、二刀流でも覚えさせるか。

どうせ0から始めて自己流で學んでもらうことになるんだから、1本でも2本でも変わらないだろ。

他國の王族に復讐に行かせるんだし、飛び道も覚えさせて、いっそ忍者っぽくしてみるか。

なんか楽しくなってきたな。

そしたらまずは使ってない駿足の靴を履かせて、俺が著てる消臭のジャケットも著せよう。あとは投擲の短剣と軽量の短剣と音消しの短剣と避けの短剣と風の短剣を持たせよう。さすがに5本は多いか?加護をどれか2つにまとめて、あとは投擲用にしてもいいかもな。

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手裏剣とか作れないか武屋のおっさんに聞いてみるかな。

「ご主人様?」

おっと、セリナとの會話が終わってないのに1人で話を進めてしまった。

ってかまたご主人様かよ。

「俺は神野力だ。力が名前だ。ご主人様と呼ぶな。」

「申し訳ありません。リキ様。」

アリアもセリナも言葉がかたいな。

まぁ目上の人間に敬語なのは當たり前か。

今は奴隷だが、セリナは元々はお姫様だ。12歳でも敬語くらい使えて當然か。

アリアは奴隷商に教えられたのか?

アリアの場合は聞いたらトラウマまで思い出させそうだから聞けないがな。

「セリナには短剣を覚えてもらう。できれば二刀流を使えるようになってほしい。」

「頑張ります。」

セリナは俺のことを第一印象で悪魔とかいってたくせに、早くも慣れ始めてる気がするな。

あと、俺の勘が正しければ、こいつの本はこんなんじゃない気がする。

観察眼も違和を訴えてるから間違いないだろう。

まぁ素で接せられるようになった方がチームワークは取りやすいかもな。

「今回はアリアのときとは逆で、先に戦闘訓練をしてから、レベル上げをする。」

ガントレットがなくて、レベル上げができないから、その前に俺とのタイマンができるくらいにはなってもらう予定だ。

セリナの顔が青くなった。

もともとが白いから青くなってるのがわかりやすいな。

「別に魔相手といきなりやらせるわけじゃない。相手は俺だ。手加減はしてやるが、素手だから寸止めなんてしないで普通に毆る。だから痛いかもな。アリアが回復魔法をかけてくれるから、痛いのは練習中だけだ。我慢しろ。いいか?」

「…………はい。」

かなり渋々の了承だな。

「その前に奴隷契約をし直すから一回首を外すぞ。逃げるなよ?」

「なぜでしょうか?」

「首は戦闘の邪魔だから奴隷紋に変える。いっとくがお前に拒否権はないぞ?」

「はい。」

それはわきまえてるようで、素直に従うつもりみたいだ。

奴隷畫面でセリナを一度解放すると首がカチャリと外れた。

スキルの奴隷契約を…選べない。

こういう系はれてないとダメなんだな。

セリナのに右手をおく。

セリナが張のせいか直し、なぜか視界の隅でアリアが驚いていた。

どちらも無視して奴隷契約を発

し間をおいてから、額かを選べるようになり、を選んだ。

俺の右手から黒く蠢めく何かが出てきてセリナのあたりで蠢いている。

いつ見ても気持ち悪いな。

しばらくするとおさまった。

黒い何かは俺には戻ってこなかったが、ちゃんと奴隷畫面に奴隷2で現れている。

忘れないうちにパーティー設定をしておこう。

イーラもれておいてやるか。

定員まであと2人。

セリナを育てたらまた奴隷を探してみるのもよさそうだ。

戦闘訓練ができそうな場所を考えた結果、町の外でやることになった。

そもそも戦闘訓練ができそうな広い場所を噴水広場かスラム街か外しか知らないからな。

噴水広場は曬し者になるから嫌だし、スラム街で戦闘訓練なんかしたくない。

だからぶっちゃけ町の外一択だった。

あまり町から離れて魔に會うと逃げられなくなるから、門を出て壁沿いにし歩いた草原にした。

とりあえずセリナには俺が著てた消臭のジャケットを著せて、使ってなかった駿足の靴を履かせ、風の短剣と軽量の短剣を持たせた。

他の3つの短剣の加護は今は意味がないからな。

もちろん短剣にはカバーをつけたままだ。切られたりしたらシャレにならないからな。

「とりあえず俺の攻撃を避ける練習だ。加減はするが、當たると痛いだろうから、頑張って避けろ。余裕が出來てきたらその短剣で俺を切るつもりで攻撃しろ。當てられたら終わりにしてやる。」

「はい。」

アリアは何をしているのかと後ろを見ると、薬草採取をしていた。

時間を無駄にしない神は素敵だと思う。

でも奴隷が主の許可なしで自由行するのもどうかと思うがな。

まぁ俺は何もいわないし、いわれないことをわかってるからの行なんだろうけどな。

まだ數日の付き合いなのに俺の格をわかってきているみたいだ。

俺が視線を戻して構えると、セリナも構えた。

左手の短剣の先を俺に向けて前に出し、右手の短剣をの前におく構えだ。

俺が二刀流の構えなんて知らないからか、なんか様になってるように見える。

軽量の加護がないから、いつもよりが重くじるが、ちょっと懐かしいじだ。

こっちの世界に來る前はこのひとつで喧嘩の日々を送ってたからな。

セリナには悪いが観察眼をフルに使わせてもらう。

左手をセリナの顔に近づけると両手で防ごうとした。そのせいで腹がガラ空きだ。その腹に右拳をれる。

力を込めずに毆ったのに、凄く食い込んだ。

右手に指をしていたのを忘れていたせいで、骨を折ってしまったかもしれない。

「アリ…。」

『ハイヒーリング』

速攻でアリアを呼ぼうとしたのに、それより早くに回復魔法を使いやがった。

なんだかんだちゃんと見てるんだな。

セリナに視線を戻すと吐いていた。

怪我は治ったっぽいけど、涙目になっている。

アイテムボックスから水を取り出してセリナに渡す。

「今のは俺が悪かった。これで口をゆすげ。たぶんレベル差のせいだから、次はジョブを変えてやる。とりあえず場所を変えよう。」

「…はい。」

し壁から離れて、吐いたものが見えない位置くらいまで移した。

ファーストジョブを奴隷使いに変えて、指を左手につけかえてから再開した。

セリナは痛い思いを一度したからか、必死に俺の攻撃を避けようとしている。俺のレベルが下がったからきについていけるっていうのもあるのだろう。

だけど、ちょいちょい攻撃が當たっているから、痛みのせいか徐々にきが鈍くなってくる。

そしたら加減して毆る。

そしてアリアが回復魔法をかける。

日が暮れる間際までそれを繰り返した。

端から見たら泣きながら抗ってる子どもを痛めつけては回復させてを繰り返す鬼畜にしか見えないだろうが、訓練だから仕方がない。

ちゃんと加減はしてるから最初のときみたいなことは一度もない。

アリアの回復も最初以外はヒールとパワーリカバリーだけだからな。

んで、結果をいえば一度も俺に攻撃できてないし、避けるのもまだまだ出來ていない。

ガントレットの整備が終わるまではこの訓練でいいだろう。

俺も久しぶりに軽量の加護なしでかしたから気分がいいしな。

「明日も同じことをする。早く俺に一撃與えられるようになれよ。期待してるからな。」

「はい!」

後半は泣きながらやってたから、もう嫌になってると思ってたのに、なんか元気になったな。

よくわからんが、やる気があるやつは嫌いじゃない。

泣いてる相手を毆るのはさすがにちょっと心が痛かったから、元気な方が助かるのが本音だ。

「もう夜になるから宿に行くぞ。」

「はい。」

「…はい。」

「あと、アリアはもう大丈夫そうだから、今日から寢るのは1人でだ。」

「………………………………はい。」

その間はなんだ?

あぁ、セリナの前で一緒に寢てたことをバラされたのが恥ずかしかったのか。

べつに8歳だったら誰かと一緒に寢ててもおかしくないだろ?

俺の妹なんか今年で14歳になるのにたまに一緒に寢たがってたからな。

それはさすがに子どもすぎると思うが…。

でももうできない今となると、もっと一緒に寢てやるべきだったかもな。

そんな傷に浸りながら、冒険者ギルド橫の宿屋に向かった。

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