《裏切られた俺と魔紋の奴隷の異世界冒険譚》24話

疲労の限界がきたのか、近くにいた最後の魔を倒した途端、プツンと糸が切れたかのように倒れた。

ダンジョンに到著し次第、怒りのままに魔退治をしていたから、ここまでの記憶が曖昧だ。

大の字になって天井を見つめる。

ダンジョンの天井は何かがキラキラとっていて綺麗だ。

隣では俺が最後に倒した魔をイーラが食べている。

無我夢中で魔を倒しては下の階へと繰り返していたから、今が何階なのかよくわからない。

アリアのいっていた通り、1つの階に大量に魔が蔓延っていたから、一は強くなくてもかなり倒し甲斐があった。

だからそこまで階は下りてないだろ。

『ヒーリング』

怪我はしてないと思うが、アリアが俺にヒーリングをかけてくれた。

緑のに包まれるとなんだか疲労も抜けていく気がする。

「今って何階だ?」

「…地下6階です。」

思ったより進んでたな…

1階にも魔がいた気がするから、7フロアも魔退治をしたのか?

自分のステータスを確認すると、調教師も魔法使いもカンストしてた。

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だいぶもったいないことをしてしまった。

そういやイーラも何回か進化許可申請がきてたしな。

とくに確認もせずに許可したが。

とりあえず、だいぶ遅いがカンストした2つを魔導師と調合師に変えようとしたら、新しいジョブが2つも手にっていた。

解説を発

使い…魔を使役する者に適したジョブ。上限は80レベル。

戦闘狂…戦うことが好きな者に適したジョブ。上限はない。

戦闘狂ってジョブなのか?

でも俺にも上限のないジョブが手にった。

SPも手にったから、シクススジョブとセブンスジョブを取得して、魔使いと戦闘狂もれておく。

今回はセリナの特訓がメインだから、スキル確認とかは後回しにしよう。

最初の予定の地下5階は過ぎちゃったし、地下10階を目指すか。

だいぶを休められたから、立ち上がる。

「俺のストレス発散のせいで時間をくっちまったが、これからセリナの特訓を始める。第3段階だ。」

「はい!」

たぶん冒険者とかのジョブを手にれているだろうから、それだけ先に取らせるか。

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「まずはSPでジョブ取得を取得しろ。」

「はい。」

「そしたらジョブ取得を発させろ。…何がある?」

「冒険者と…復讐者です。」

復讐者なんてジョブもあるのか。

戦闘狂も復讐者も仕事じゃねぇけどな。

「じゃあセカンドジョブとサードジョブを取れ。」

「はい。」

これから戦闘をさせるから、レベルが上がってる獣人族はそのままファーストジョブにし、殘りをセカンドジョブとサードジョブにした。

「そしたらこれらをベルトに付けておけ。足でも腰でも好きな方に付けろ。」

ガントレットを取りに行ったときにセリナ用のベルトを2つ買っておいた。

左の太もも用と腰用だ。

セリナは俺が渡した避けと消音の短剣を腰に付け、投擲の短剣をに付けた。

セリナが持ってる短剣は俺の短剣よりも全部が小ぶりだから、セリナの格でも5本付けても邪魔にはならなそうだ。

全部で5本の短剣を持っている姿は異様だがな。

あとは靴をまた換する。

セリナは速度重視で育てるつもりだからな。

「これから俺はダズルアトラクトは使わないから、セリナにも魔が向かう。だけど攻撃はくらうな。避けろ。」

「はい。」

「セリナが攻撃していいのは魔の背後に回れたときだけだ。正面から魔れるのは止する。避けるためでもだ。避けるときは魔れずに避けろ。そして背後に回って攻撃。慣れるまでは攻撃できなくてかまわないが、この2つは必ず守れ。守ってないのを見つけたらこのガントレットのまま毆る。わかったか?」

「!?…はい!」

もちろん加減はするが、いい脅しにはなったようだ。

「アリアはセリナを見ててやってくれ。金貨5枚をすぐに死なせたくないから、アリアのフォロー頼りになるかもしれない。ただ、特訓中はステータスアップの魔法は止だ。」

「…はい!」

これで準備は大丈夫だろう。

食事を終えたイーラも俺の頭に戻ってきやがった。

なんかし大きくなってる気がするな。

全員が大丈夫そうなのを確認して、地下7階に下りた。

地下7階は蟲のフロアみたいだ。

ウジャウジャとデカい蟲たちが蠢いている。

気持ち悪い…。

アリアとセリナを確認すると、アリアは気にしていないのかいつも通りだ。

セリナは顔が青い。

でも、これならりたくないから必死に避けるだろうし、逆にいいのかもしれないな。

俺はここからは短剣を使う練習をしよう。

ミノタウルスみたいにガントレットが通用しない敵に會ったときのためだ。

避けの短剣を腰から外して構える。

ってか蟲の避けの効果範囲だよな?

淡い期待を持って、戦闘を開始した。

結果的には短剣でも戦えているのだが、なんか違う気がする。

せっかく刃を使っているのに切っているというより毆っている気がしてならない。

実際、魔が不恰好に抉れているのだから、使い方がおかしいのだろう。

たぶん軽量の加護で衝撃があまりないのと、武が鋼で丈夫なのをいいことに力任せでやっているということなのかもな。

セリナをチラ見すると、避けては後ろに回り、淺くだが切っている。

切ってからし間をおいて、蟲のが噴き出す。

なんかかっこいいな。

俺と違って一撃で殺せてはいないが、あれが正しい短剣の使い方な気がする。

なくとも俺よりは正解に近いだろう。

ちょっと真似してみるか。

しデカい魔が突進してきたから、避けるときに短剣の刃をかるく魔に當てる。

このあとどうすんだ?

考えていたら魔が通り抜けるさいに勝手に切れた。

なるほど押し込むんじゃなくてスライドさせるのか。

なんとなくわかったかもしれない。

その後も魔相手に試していく。

試すのには事欠かない量の魔がいるからな。

10倒したあたりで、スライドするさいに短剣がブレないようにするといいことがわかった。

20あたりで力まない方がいいことがわかった。

もう數えるのをやめてからしばらくしたら、短剣の使い方がなんとなくわかった。

もちろん完璧とはいい難いレベルだが、セリナにバカにされない程度にはなってるだろう。

そしたら次は普通の剣を使ってみるか。

短剣を腰に戻し、ダメージ貫通の剣をアイテムボックスから取り出す。

短剣を使ってたからけっこう大きくじるな。

これで小さい魔を倒すのは苦労しそうだ。

ちょっと先にいる大きめのやつを狙おう。

通り道にいた小さい魔たちは剣で叩き潰した。

これは練習じゃないからいいんだ。

大きな魔はカマキリみたいだ。

両手が鎌じゃなくて刀みたいになってるのとが赤い以外はまんまカマキリだ。

カマキリが先手を取ってきた。

思いの外早いな。

刀の手で切ろうとしてきたのを剣でけ流す。

そのまま懐にって、『切る』ことを意識しながら斬りつけたら、もう片方の刀の手でけ止められた。

俺が練習しながら戦っているとはいえ、対応してくるとはなかなかやる魔だ。

今までの雑魚とはレベルが違うのだろう。ちょっとテンションが上がってきたな。

互いに出方を伺う。

俺はしずつ間合いを詰めていく。相手の方がデカいし腕も長いからな。

他の魔が來ないかにも気を配りながら、カマキリの刀を意識する。

そしたら、予想外に口から何かを吐き出してきた。

咄嗟に避けたところにカマキリの刀の手の突きがきたのを避けながら剣を振り上げて腕を切り落とす。

が吹き出し、視界を塞がれる瞬間に直が危険を察知して、無理やりに姿勢を低くすると、頭スレスレを殘ってる刀の手が通り過ぎた。

冷や汗をかきながら、を捻って剣で殘りの腕も切る。いや、千切ったといった方が正しそうな當たり方だった。

両腕がなくなったカマキリは羽を広げて威嚇してきた。

こいつは口から何かを吐き出すけど、この威嚇を見るにもうほとんど手はないのだろう。

いたぶる趣味はないから、一撃で仕留めてやるよ。

そんなことを思っていたら、いつの間にか壁を伝って近づいていたイーラがカマキリの頭に飛びついた。

飛んでる最中にイーラが膨張し、スッポリとカマキリの小さな頭がイーラの中に収まった。

カマキリは暴れだすが、一瞬で終わり、巨がパタリと倒れた。

消化速度が増してるな。

というかそんなグロいものを見せるなよ。

殘りのも切り落とした刀の手も全部食して満足したイーラは俺の頭に飛び乗ろうとした。

もちろん避けた。

地下7階に下りてからイーラは倒した魔処理をしていたから、ずっと俺の頭には乗っていなかった。

普段から空気だからいてもいなくてもたいして気にはならんけどな。

俺の元に戻ってきたってことはこのフロアで俺たちが倒した魔も食べつくしたのだろう。

他の魔はまぁ許容できたが、蟲はダメだろう…。

口がどこかはわかんねぇけど、蟲を食ったやつをりたくはねえな。

あからさまな拒絶をしたせいか、イーラが落ち込んでいる。

でもイーラの速度に合わせて歩いたらかなり遅くなりそうだしな…。

「しゃーねぇな。」

大量に用意した水をれた瓶をアイテムボックスから1本取り出して、イーラにかけた。

「頭に乗るのはこれで綺麗になってからにしてくれ。」

イーラに水をかけているのになぜか地面が濡れない…吸収してるのか?

全量かけ終わったところでイーラが俺からし離れた。

不貞腐れたか?

何をするのかと思ったら、吸収した水を全から霧狀にして吹き出した。

吸収した水の量ほどではないから、まだに蓄えているんだろうけど、どこにってるんだ?

表面を綺麗にしたイーラが戻ってきて、俺のを登ってきた。

飛びついて避けられたのがよっぽどショックだったのか、今度は飛びつかずに足から徐々に登って、頭の上に乗っかった。

なんだか満足そうだ。

まぁ機嫌が直ったならいいか。

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