《裏切られた俺と魔紋の奴隷の異世界冒険譚》36話
扉からってきた虎のような男は第一王の婚約者の死なんかよりも俺たちに興味があるといった顔をしていた。
笑っていやがるが、逃げようとして背中を見せた瞬間殺されるだろう。
俺とセリナで一緒に戦っても勝てない程度には強い。
セリナとのコンビネーションがちゃんと取れれば勝てる可能はあるが、まだそこまで分かり合えてはいないからな。アリアは頭がよくて俺の求めることを察してくれるから共闘できてるだけで、俺自が共闘はほぼしたことないからアリア以外と合わせられない。
それに支援魔法なしでは戦いたくない相手だしな。強さ的な意味で。
先にセリナを逃しておけば、1人なら逃げられそうではある。
こいつは俺らのことを楽しめる程度の雑魚としか思ってないだろ。だからあいつが油斷してる今なら、逃げに徹すれば俺一人でなら逃げられると思う。
「…副団長!?」
セリナが驚いたように言葉をらした。
「知ってるのか?」
「はい。以前と変わりがなければ、騎士団の副団長です。戦闘力だけなら団長より上だといわれていました。つまり、今のこの王城で二番目に強い相手です。」
Advertisement
なるほど。
そりゃ2人がかりで勝てないことにも納得だ。
でも、それにしては弱くねえか?
王城で二番目の強さのくせに、たぶんアリアとだったら余裕で勝てる程度だ。
いや、いくら俺らが多は強くなったといっても、王城二番手が俺らに負けるレベルなはずがねぇ。
何かヤバいスキルを持ってるとかか?
とりあえず、相手が本気を出す前に逃げるべきだろう。
「先に逃げろ。スタート地點で集合だ。」
「え?………はい。」
返事に変な間があったから、チラッとセリナを確認すると瞳のがなくなったような、奴隷市場で見た諦めたみたいな目をしていた。
なぜだ?
だけど今はこの男に意識を向けていなければならないから、セリナが何を考えてそんな反応をしてるのかを考える余裕はない。
でも、何か勘違いしているのは間違いないだろう。
そんな狀態で向かわせるわけにはいかない。
「待て!やっぱりそこで待機して、俺の戦闘を見ていろ。だが、いつでもける準備はしておけ。」
「え?」
「まずは弱い方から殺して、お前には楽しませてもらうぜ。」
男はセリナに向かって素手で毆りかかった。
かなり速いが反応できないほどではない。
咄嗟にトンファーを持って間にり、男のパンチをけ流して蹴りをカウンターでれようとしたが、後ろに跳んで避けられた。
あの勢から後ろに避けるだと!?
なんつう腳力してやがる。
「やっぱりそこそこやるじゃねぇか。」
男は笑顔を絶やさない。
これは普通にやってたら逃げることも出來ないだろう。
トンファーを腰に戻し、衝撃発のハンマーをアイテムボックスから取り出す。
「なんだぁ?俺と戦うのに重いハンマーを選ぶとか馬鹿か?…あぁ、なるほど。てめぇはドワーフか。」
なんかわからんが勝手に勘違いをしてくれた。
それは好都合だ。
男は今度は俺に向かってくる。
俺はハンマーを振り上げ、迷わず力の限り地面に向かって振り下ろした。
男は勘がいいようで、咄嗟に後ろに跳んで距離をとった。
力の限り叩きつけたせいか、予想以上の発が起きた。
床には空かなかったが窓は吹き飛び、煙により視界が塞がれる。
音で耳もしいかれた。
『上級魔法:磁力』
対象を俺と男に設定し、両方をS極にした。
男は警戒することなく、煙の中から飛びかかってきた。
脳筋で助かったぜ。
男に手のひらを向けて足を踏ん張り、上級魔法の磁力を最大に上げる。
かなり反発をけたが、俺はかないように踏ん張ると男は空中で止まり、凄い勢いで俺らの反対側に吹っ飛んでいった。
よし。うまくいった。
魔法を解除してハンマーをアイテムボックスにしまって振り向き、セリナの腰に右手を回して持ち上げて、扉の正面にある窓まで走っていき窓枠に乗る。
壁までは遠いが、庭に降りてから登るのでは時間がかかる。
PPを大量消費して跳べばギリギリ壁まで屆きそうだな。
迷っている時間もないし、本気で壁に向かって跳ぼうとしたが、窓枠が跳び上がる時の衝撃に耐えきれずに折れたせいでうまく跳べなかった。
これだと間違いなく屆かない…。
『上級魔法:磁力』
もう一度発し、俺をS極、壁の上部の一部をN極にし、磁力を最大に上げると引っ張り上げられた。
すぐに魔法を解除して、その勢いを利用して壁を蹴り、壁の上に著地する。
セリナを下ろして、壁の外側を確認するが誰もいない。
「降りるぞ。」
「はい。」
そういや炎を上げるんだったな。
振り向いて適當な場所を探す。
あの旗でいいか。
國旗だかなんだかわからないが、一番高いところにデカい旗が立っていた。
そこまで遠くないから屆くだろう。
『フレアバウンド』
旗の真下に炎を最大で発生させ、燃やす。
これでMPがほとんど0になってしまった。
男が追ってくる前に逃げなきゃな。
俺が壁から飛び降りると、セリナも続いて飛び降りた。
結局、せっかく決めたコードネームを一度も使わなかったな…。
ひねくれ領主の幸福譚 性格が悪くても辺境開拓できますうぅ!【書籍化】
【書籍第2巻が2022年8月25日にオーバーラップノベルス様より発売予定です!】 ノエイン・アールクヴィストは性格がひねくれている。 大貴族の妾の子として生まれ、成人するとともに辺境の領地と底辺爵位を押しつけられて実家との縁を切られた彼は考えた。 あの親のように卑劣で空虛な人間にはなりたくないと。 たくさんの愛に包まれた幸福な人生を送りたいと。 そのためにノエインは決意した。誰もが褒め稱える理想的な領主貴族になろうと。 領民から愛されるために、領民を愛し慈しもう。 隣人領主たちと友好を結び、共存共栄を目指し、自身の幸福のために利用しよう。 これは少し歪んだ気質を持つ青年が、自分なりに幸福になろうと人生を進む物語。 ※カクヨム様にも掲載させていただいています
8 135乙女ゲームのヒロインで最強サバイバル 【書籍化&コミカライズ】
【TOブックス様より第4巻発売中】【コミカライズ2巻9月発売】 【本編全260話――完結しました】【番外編連載】 ――これは乙女ゲームというシナリオを歪ませる物語です―― 孤児の少女アーリシアは、自分の身體を奪って“ヒロイン”に成り代わろうとする女に襲われ、その時に得た斷片的な知識から、この世界が『剣と魔法の世界』の『乙女ゲーム』の舞臺であることを知る。 得られた知識で真実を知った幼いアーリシアは、乙女ゲームを『くだらない』と切り捨て、“ヒロイン”の運命から逃れるために孤児院を逃げ出した。 自分の命を狙う悪役令嬢。現れる偽のヒロイン。アーリシアは生き抜くために得られた斷片的な知識を基に自己を鍛え上げ、盜賊ギルドや暗殺者ギルドからも恐れられる『最強の暗殺者』へと成長していく。 ※Q:チートはありますか? ※A:主人公にチートはありません。ある意味知識チートとも言えますが、一般的な戦闘能力を駆使して戦います。戦闘に手段は問いません。 ※Q:戀愛要素はありますか? ※A:多少の戀愛要素はございます。攻略対象と関わることもありますが、相手は彼らとは限りません。 ※Q:サバイバルでほのぼの要素はありますか? ※A:人跡未踏の地を開拓して生活向上のようなものではなく、生き殘りの意味でのサバイバルです。かなり殺伐としています。 ※注:主人公の倫理観はかなり薄めです。
8 125栴檀少女禮賛
究極の凡才である僕が出會った、悪徳だらけの天才な彼女とのお話。彼女が持ってくる厄介事と、それの処理に追われる僕の日常劇。 イラスト作者:haЯu サイト名:21:works URL:http://hrworks.main.jp/
8 115デスゲーム
普通に學校生活を送り、同じ日々を繰り返していた桐宮裕介。 いつもの日常が始まると思っていた。実際、學校に來るまではいつもの日常だった。急に飛ばされた空間で行われるゲームは、いつも死と隣り合わせのゲームばかり。 他の學校からも集められた120人と共に生き殘ることはできるのか!?
8 182ACT(アクト)~俺の婚約者はSな毒舌キャラを演じてる…~
「私と...結婚してくれる...?」 「い、いいぜ」 中學2年生の藤岡奏太は、引っ越す直前の幼なじみの少女に逆プロポーズされ、中學生にして、めでたく可愛らしい婚約者を手に入れた。 離れ離れになり會えない間も、毎日電話やメールは欠かさず、再會できる日を待ち続けること四年。 高校2年生の春。遂にその日はやって來た。幼なじみ兼戀人兼婚約者である少女の突然の転入に驚きつつも、ようやく大好きな彼女とのラブラブな高校生活を送ることができると、舞い上がる奏太。 しかし... 「靜かにしてくれない?私、うるさい人って嫌いなの。人が喋っている時は靜かにするーーそんな小學生でも分かることがあなた達には分からないのかしら?」 自己紹介でクラスメイト達に上から目線で毒を吐く彼女...。 ...そこに昔の素直で可愛らしい性格の少女の姿は全くなかった。 素直で優しく可愛らしい性格と毒舌なSキャラを併せ持つ婚約者との痛快ラブコメ、ここに開幕です! 2018/5/5 前作の戀愛サバイバル~卒業率3%の名門校~も是非読んでください! 2018/10/8 新作の元主人公、今は脇役願望も是非呼んでください!初めて書いた異能力バトル系です!いや〜戦闘描寫が難しいですね笑!
8 77明日流星群が見れるそうです。
綺麗な星の夜、どこかで謎の墜落事故があった。奇跡的に生き殘った彼女は、人間と言うにはあまりにも優しく、殘酷な生き物だった。 子供時代、心にとても深い傷を負った長崎安曇(ながさき あずみ)は彼女と出會って少しづつ前に進んでいく。
8 160