《裏切られた俺と魔紋の奴隷の異世界冒険譚》44話

おっさんの誤解を解いてから、宿に戻ることにした。

けっきょく著だからいいかということで、カレンに下著を著せてはいないんだけどな。

だってまたがせて著せるのは面倒だし、宿に戻ってシャワーを浴びたときでいいだろう。

宿に戻るとセリナとイーラが戻っていた。

なにやら楽しそうに話している。

仲がいいのはいいことだ。

「ただいま」

「あっ、リキ様おかえり〜。」

「おかえりにゃ…誰?その子?」

カレンを見つけたセリナが疑問をぶつけてきた。

カレンの背中を押して前に出す。

「自己紹介しろ。」

「ジコショウカイ?」

「名前と種族とよろしく的なことをいえばいい。」

「あぁ、えっと、カレン・ニノミヤです。種族は鬼人族です。これからよろしくお願いしますです。」

「よろしく〜。変異スライムのイーラだよ。」

「獣人族のセリナアイルです。よろしくね。」

「変異スライム?」

イーラに疑問を持ったらしく、カレンは首を傾げながら俺を見てきた。

まぁ今のイーラは人間にしか見えないから仕方がないが。

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「イーラ。元の姿に戻れ。」

「…は〜い。」

渋々といったじで、葉の上の水滴のような形をした半明な青のスライムに戻った。

「え?え?え!?」

「こいつは元はスライムだ。進化して変できるようになったんだ。」

「魔は敵じゃないのか?」

カレンの雰囲気が変わった。

に何か恨みでもあんのか?

「こいつは俺に従う魔だから、敵じゃない。正確にはもう魔じゃなくて魔族だけどな。」

「魔族なのに人を襲わないのか?」

「俺の指示がない限りはな。カレンは魔が嫌いなのか?」

「魔のせいで母ちゃんは殺された。村もなくなった。」

ん?母親は父親に殺されたっていってなかったか?

まぁいいか。

「イーラは仲間だ。馬鹿だが使える。魔だからって理由で敵意を向けたら毆るからな。」

「え?あ、はい。」

俺が怒ってると勘違いしたのか、カレンがあらたまった。

イーラが歩の姿になって近づいてきた。

「馬鹿じゃないもん!」

「はいはい。」

てきとうに頭をでてあしらう。

これだけで機嫌が直るのだから扱いが楽だ。

そういや俺とアリアはまだ自己紹介してなかったな。

「自己紹介が遅れた。俺は神野力。力が名前だ。こいつがアリアだ。俺と同じ人族だ。」

「リキ様の第一・・奴隷のアリアローゼです。よろしくお願いします。」

「イーラ…セリナアイル…リキ…アリアローゼ…覚えたぞ!」

やっぱりそこそこ頭がいいのかもな。

は馬鹿っぽいが。

それじゃあまずは今後の予定について話し合うか。

俺がテーブルに著くと、隣にアリア、前にイーラ、斜め前にセリナが座った。

出遅れたカレンは立っている。

そういやここは4人部屋だからな。

「イーラはスライム形態で參加しろ。発言は俺が代弁してやるから。」

「え?…は〜い。」

スライムとなってテーブルを這って俺の方に進んできた。

テーブルの端まできたら俺の元に飛びつき、頭の上まで登ってきた。

べつにテーブルの上でいいんじゃねぇか?一言も俺の元に來いなんていってねぇんだけど…まぁいい。

「そしたらカレンは空いた席に…。」

俺がカレンに座るように指示をしようとしたら、セリナが俺の前に席を移した。

今、席を移る必要があったか?

こいつらなりの序列があるのかもしれねぇな。

「そしたらカレンは空いた席に座れ。」

「はい。」

これでやっと話し合いができるな。

「まずは10日後に依頼をけてダンジョン攻略を手伝うことになった。」

イーラはよくわかってないようだが、セリナはかなり驚いている。

「まぁ俺らはべつに戦わなくてもいいらしいが、けっこう報酬がいいから、ちょっと頑張ろうと思っている。だから、新しくったカレンのレベル上げが必要だ。もちろんアリアたちもさらに強くなってもらいたいからな。」

「「「はい。」」」

「レベル上げといったら前回行ったムカデがいたダンジョンを考えていたんだが、アリアはどう思う?」

「…いいと思います。以前のムカデのような例外はそうそうあるものではないと思うので、5人分のレベルを上げるのであれば、あのダンジョンが最適だと思います。」

アリアが同意してくれるなら問題ないだろう。

「今回はアリアのときのようにレベルを上げてからカレンを実戦投したいと思っている。あと、イーラはこれから戦闘するときは基本はどの形態でいるつもりだ?スライムか?人型か?ムカデか?」

人型かと聞いたときに反応があった。

「じゃあイーラにも人型での戦闘経験を積んでもらわなきゃならねぇから、案外課題が多いな。イーラの武も買わなきゃならねぇのか。」

イーラが俺の頭から飛び降り、人型になった。

「武はあるから大丈夫!」

そういって、どこから出したのか柄の長い鎌を握ってポーズをとった。

「そんなでけぇのどこから出した?」

だよ〜。自分でいろいろ作ってみたから、武は大丈夫!」

までできるのか?

だとしたらかなり役立つぞ。

「ちょっと貸してみろ。」

「無理だよ〜。の一部を変化させてるだけだもん。離れたら使えないよ〜。でもでも!イーラが武になってリキ様が使うことならできるよ!」

吸収したものに変できるってのは生に限らずだったんだな。

それにいろんな魔を合わせることもできるって前にいってたから、いろんなもんを合わせて武なんかも作れるってわけか。

ちょっと羨ましい能力だな。

さすがに人間やめてスライムになりたいとまでは思わねぇけど。

イーラを武として使うってのも面白そうだし、今度試してみるか。

「イーラを武として使うのは今度な。それじゃあ、この前行ったダンジョンの続きから地下9階までは俺とイーラが先頭で魔狩りをし、セリナは俺とイーラが狩りそこねた魔を狩る。そしてアリアは俺らの援護をしながらカレンを護れ。んで、地下10階では俺とセリナのポジションを代する。地下10階の魔きが速いらしいから、セリナの練習にはもってこいだろ。確か魔が溢れかえってるのは地下10階までだったよな?」

念のためアリアに確認を取る。

「…正確にはわかりません。以前読んだ本には地下10階までは魔がたくさんいるだろうと書かれていただけで、もしかしたら全ての階で魔が溢れかえっている可能もあります。別で得た報ではいまだに地下30階が攻略できていないため、訪れる冒険者が激減しているとのことでしたので、可能は高いです。」

あれは本の知識だったわけね。

下に行けば行くほど魔が強くなるのだろうから、全ての階があの魔の量だとキツいかもな。

レベルはかなり上がるだろうけどさ。

「とりあえず地下10階までは今の予定だ。地下11階からは魔の量次第ではカレンに戦わせる。10日後までは暇だからそのまま行けるとこまで行くことにする。逆にいえば、たいして進まずに終わることになる可能もあるが、お前らの長に期待してる。」

「「「「はい。」」」」

「じゃあ今日はシャワー浴びたらもう寢ろ。明日はおっちゃんのとこの串を食ったらすぐにダンジョンに向かって、この町には數日は帰ってこねぇつもりだ。だからしいものがあるなら先にいえよ。」

「「「「はい。」」」」

隣のアリアを見る。

「…抗麻痺丸を補充しておいた方がいいかもしれませんが、私が狀態異常にならない限りは治せるので問題ないかと思います。」

セリナに渡してある抗麻痺丸をアリアに渡せば20個くらいはあるから大丈夫だろう。

それにしても見ただけでいいたいことが伝わるのはかなり楽だな。

「それじゃあこれで終わりだ。全員早く寢ろよ。」

「…リキ様。カレンさんのベッドはどうしますか?」

そういえば4人部屋だからな。

「カレンは1人で寢れるか?」

「馬鹿にするな!もう10歳だ。當たり前だろ。」

「そうか。じゃあイーラ。一緒に寢るか?」

「やったー!一緒に寢る〜。」

喜ぶところではないと思うがな。寢るスペースが狹くなるんだし。

まぁイーラはヒンヤリしていて気持ちいいから狹くても問題ない。

アリアとセリナが何かをいいたそうにしている。

主が狹いスペースで寢るのに自分が普通に寢ることを申し訳なく思ってるのか。

「2人は気にせずゆっくり寢ろ。」

「「…はい。」」

あれ?なんか違ったかもしれないが、まぁいいか。

今日はもう寢るとしよう。

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