《裏切られた俺と魔紋の奴隷の異世界冒険譚》57話
昨晩は宿の庭を使わせてくれるとのことで、魔のをメインとしたバーベキューをした。
レシピはアリアが教えてくれたが、調理擔當はなぜか俺だった。
まぁけっこう楽しい晩飯だったから、またやるのもありだろう。
それにあのは余分な脂を削ぎ落として、アリアのレシピ通りに調合した香辛料をまぶして焼くとめちゃくちゃ味かった。
またあのダンジョンに行くことがあったら牛もどき狩りをしよう。
でも今日はガントレットが出來上がるだろう日だから、ダンジョンには行かないつもりだ。
ちなみにあの牛もどきの名前はキャレルっていうらしい。
どうでもいいな。
宿のチェックアウトを済ませ、町に戻る前に昨日のカレンの果を見るために、村の外で一度手合わせをした。
まぁセリナやアリアほどの上達はないが、これなら勝手に死ぬことはないだろうくらいには長できていた。
5日でここまで上達すれば十分だろう。アリアとセリナの長が早かっただけだしな。イーラは異常だから比べるつもりもない。
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比較を出すとすれば、回避に専念すればミノタウルスの攻撃くらいならギリギリ対処できるだろうくらいの回避能力とゴブリンソルジャー1だけなら時間はかかるかもしれないが無傷で勝てるだろうくらいの総合力っていったところだな。
うちのパーティーでは最弱だが、アオイを除いて一番新人だから仕方ない。
まぁ無理をさせなきゃ第三王の依頼くらいなら問題ないだろう。さいあく見てるだけでいいしな。
そういや全員のステータスチェックを忘れてたな。
べつに急ぐことでもないから今夜にでもすればいいか。
カレンとの手合わせも終わったし、そろそろ町に向かおうと思ったところで、目の前に二人組の男が現れた。
見た目は2人とも20歳くらいの細で整った顔をしている。
學校のクラスにいたらそこそこ持てそうな優男ってじか?
それにしても、こんなに近づかれるまで気づくことができなかった。
今思えば視界にはっていた気がするが、認識できなかった。
何かの魔法か?
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嫌な予がするから、先手を取るため鑑定を行った。
やっぱり認識阻害をしてやがる。
頭痛が始まるギリギリまで鑑定を強めると、簡易的なステータスは見れた。
クルサリフ・カタサイト エルフ 42歳
護衛騎士LV34
狀態異常:なし
サイナフル・ミラライカ エルフ 35歳
護衛騎士LV24
狀態異常:なし
「お前がリキ・カン…ゴフッ」
エルフが話しかけてきたが、いい切る前に顔面を毆りつけた。
カレンの短い悲鳴が耳にったが、それどころじゃない。
エルフは皆殺しだ。
でも今は素手だから殺せてない。
腰から短剣を抜く。
「貴様!何をする!?」
「私たちがキャンテコック様の遣いと知っての狼藉か!?」
キャンテコックの仲間だと?
なら…。
…楽には殺さねぇ。
まずは逃げられないように足を切り落とすか。
「イーラ。こいつらを拘束しろ。」
「は〜い。」
イーラが鞭を使って拘束しようとするが、見えない力で妨害されて、なかなか捕まえられないようだ。
こいつらは魔法名すらいわずに魔法が使えるのか?
まぁいい。
イーラに意識がいってる間に足を切る。
「セリナ。そっちの男の足を切れ。」
「…はい。」
渋々だが承諾した。
俺ももう1人の元に向かおうとすると、風の刃のようなものが飛んできた。
俺は見えてるから普通に避けれるが、完全な無詠唱でこれは反則技じゃねぇか?
風の刃を避けたことに驚いたエルフの1人はイーラに捕まった。
すかさず近づいて、両アキレス腱を短剣で切った。
アイテムボックスからダメージ貫通の剣を取り出し、改めて足を切り落とそうとしたところ、男は緑のに包まれながらイーラの鞭を燃やして、俺から距離をとった。
抵抗すんじゃねぇよ。
イライラすんな。
セリナを見ると、執拗にアキレス腱を切っているようだ。回復されてはまた切り、回復されてはまた切り、相手の逃げる速さと同じ速さで後ろに回り切り続ける。
その嫌がらせ、最高だな。
俺も真似しよう。
「サイナフル!もう任務続行は不可能だ。殺す気でいけ!」
「これだから人族は嫌いなんだ!」
好き勝手いってるけど、既にこいつは俺を殺す気だったぞ?風の刃を放ってたからな。
相手も本気を出したから、形逆転されるかなんて思ったが、いまだに嫌がらせを続けられている。
見たことないジョブだったが、レベルが低いしな。
最初は完全な無詠唱のように思ったが、途中から詠唱がいくつも重なって聞こえてきた。
どうやって発音してるのか謎だが、複數人が一斉に違う詠唱をしてるような風に聞こえる。
でも口はいてないんだよな。
もう遊びはこのくらいにしとくか。
『上級魔法:冷』
サイナフルって名前の男の足が一瞬で凍り、バランスを崩したように倒れた。
俺はアイテムボックスから理麻痺のロッドを取り出して、鑑定で確認しながら麻痺になるまでサイナフルを毆り続けた。
イーラはサイナフルを狙いから外し、クルサリフだけを狙い始めた。
セリナがアキレス腱を切ると見せかけて足を引っかけて転ばせた。
そこにイーラが口からなんか明なを吐き出してクルサリフにぶっかけた。
汚ねぇな。
明なを浴びた男はピクピクと痙攣を始めた。
どうしたのかと鑑定をすると、狀態異常が麻痺と微毒になっていた。
そんな技まで持ってんのかよ。
しかも合図なしでセリナと息を合わせやがったな。
俺が毆った男は麻痺のせいかボコボコに毆られたせいか既に蟲の息だ。
「アリア。」
『ヒーリング』
男は傷が癒されていくが、狀態異常の麻痺はなくならないからけないようだ。
さて、どうやって殺せば気が晴れるだろうか。
1人は殺して1人はそのことをエルフの里まで伝えに行かせた方が次に繋げられるか?
「アリア。どうしたら一番俺にとっていい結果になると思う?」
「…奴隷として売るのが一番効率的かと思います。」
奴隷と聞いた瞬間、サイナフルは風の刃で自分の首を切斷した。
俺はその頭を押さえてすぐさま首をくっつけた。
『リジェネレイト』
『ハイヒーリング』
すかさずアリアが魔法を放った。
さすがは魔法というべきか、綺麗にくっついたようだ。
「奴隷か。確かにエルフは金になるらしいし、買ったやつは俺が想像する以上に楽しいことをやってくれそうだしな。」
だが奴隷にするには同意が必要だからな。
まずは心を折るか。
「さて、サイナフル。自殺をしようとしたみたいだが、もうしないのか?しないなら奴隷商に売るぞ?」
サイナフルは緑のに包まれたと思ったら、麻痺が治ったのか懐からナイフを取り出し、両手で自分のに突き刺した。
サイナフルの両手を蹴り上げると、勢い余ってナイフが抜けてが噴き出した。
『リジェネレイト』
『ハイヒーリング』
傷口が閉まったようで、噴き出していたが止まった。
「俺の國では飛び降り自殺をするやつが多かったんだがな、自殺するほど追い詰められてたはずなのに、なぜか飛び降り自殺で一度失敗すると自殺できなくなるやつが多いらしいんだよ。なぜだと思う?」
今度は口を開けて舌を噛みちぎろうとしたから、顎を蹴り上げて手伝ってやった。
『リジェネレイト』
『ハイヒーリング』
「それはな、痛さや怖さを知っちまったからだよ。お前は何回耐えられるだろうな?」
今度は攻撃を俺に向けてきた。
火の刃の影に風の刃といった攻撃だったが、見えているから避けるのは難しくない。
こいつはこの程度じゃ心が折れねぇか。
こいつらには違う方法の方が効果がありそうだな。
とりあえずまた理麻痺のロッドでボコボコにした。
「カレン。アオイを貸せ。」
カレンを見ると呆然としていた。
そういやエルフの裏切りのときにはカレンはいなかったもんな。
「妾に何かようか?」
「あっちの男を一時的に乗っ取ってほしいが出來るか?」
「あれだけ弱ってれば簡単じゃの。」
カレンから勝手にアオイの刀を取り、クルサリフの足にブッ刺した。
「これから乗っ取るを傷つけんでほしいのぅ。」
「悪い。エルフは見てるだけでイライラしちまってな。」
「リキ殿に接したときに伝わってきたでなんとなく察しがつくわい。」
さすが神を乗っ取ったりするだけあって、れた相手のとかがわかるんだな。
「乗っ取りは終わったから、狀態異常を治してしいんじゃが。」
「アリア。」
『フェルトリカバリー』
クルサリフは立ち上がり、左手で刀を足から引き抜き、右手をグーパーして何かを確かめている。
「うむ。以前の男よりかしやすいのう。ただ、無駄に足掻いてくるこやつの神が煩わしいがの。」
「な!?」
サイナフルが仲間が乗っ取られたのを見て驚いている。
「さて、サイナフル。お前が奴隷にならないというのなら、こいつがキャンテコックを殺しに行くぞ。いいのか?」
さっきこいつらはキャンテコックのことを様付けしてたからな。
そういうやつらにはこの方が効果がありそうだ。
だが、キャンテコックへの復讐をアオイにやらせる気はさらさらないがな。
「貴様!」
麻痺なのに喋れるとはなかなかあるな。
それほどの怒りなのかね。
だがはほとんどかないようで、俺を睨むことしかできていない。
サイナフルに近づき、頭に手を置いて奴隷契約を発する。
「チャンスは一回だ。よく考えろよ。いっておくが、俺はお前らの里の場所を知ってるからな。」
奴隷と知らずに違うやつに奪われたら面倒だから、奴隷紋の位置は頭を選ぶ。
しばらく悩んだ後、奴隷契約をけれたようで、黒い何かがサイナフルの頭で蠢いて浸していった。そして、奴隷紋が額に浮かび上がってきた。
「いっておくが、アオイは死者も乗っ取れるから、今度自殺したらお前のでキャンテコックを殺しに行くからな。」
返事はなかったが、全てをけれたからか泣いていた。
同じようなじでクルサリフも奴隷契約を結び、2人を連れて町に戻ることにした。
イーラの変を見られるのを避けるため、2人には眠ってもらうとするか。
ロッドで頭を毆って気絶させようと思ったら、アリアが魔法で眠らせた。
また新しい魔法を覚えやがったのか。
それについては後で確認するとしよう。
「イーラ。」
「は〜い。」
特に指示はしなかったが、イーラは今までのサイズよりもさらに大きな犬っぽい魔に変した。
気がきくじゃねぇか。
もうやることもないから、イーラに乗って町に向かった。
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