《裏切られた俺と魔紋の奴隷の異世界冒険譚》60話
何いってんだこいつ?
クリアナを見ると特に驚いた様子はない。
もしかして奴隷になることを親が同意してるのか!?
アリアを見ると、首を傾げている。
「お前、奴隷になるってのがどういうことかわかってんのか?」
前にも同じようなことをいった気がするが、伝わってなかったのか?
「はい。リキさんの所有となり、絶対服従のとなります。」
「俺は一度奴隷にしたら解放するつもりはないし、使えないやつは売る。それでもいいのか?」
「使っていただけるように強くなる努力はします。お願いします。」
べつに俺に損はないからいいっちゃいいんだけど、このやる気が逆に怖いな。
「とりあえず面接からだ。2人きりで話したいからどっかの部屋を貸してくれ。」
「面接?」
「まぁ話し合いのことだ。アリアたちは自由にしてろ。日が暮れる前にこの店の前に戻ってこいよ。」
「「「「はい。」」」」
「ずいぶんしっかりと教育しているのですね。部屋は前回リキ様がお泊りになった空き部屋をご使用ください。」
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「あんがと。」
マリナを連れて空き部屋にった。
俺がベッドに腰掛けると、マリナは床に正座した。
「さて、俺の奴隷になると決心することになった経緯を聞こうか。」
「え?」
「なんか理由があるんだろ?その話も採用するかの材料になるから、噓はつくなよ。」
「…はい。ちょっと長くなりますが、すみません。」
そう前置きしてから、マリナは話し始めた。
「前回リキさんと會ったときに私が所屬していたパーティーはあの依頼を達したらAランクになる予定だったちょっと有名なBランクパーティーだったのです。私はまだCランクになったばかりだったのですが、ちょうどヒーラーがしかったとのことで、そのパーティーから勧されました。そのパーティーがけていた依頼はBランクだったので、私も參加させてもらうことにしたのです。」
ん?こいつの方がランクが上なのか。
べつにランクとかどうでもよかったが、もしマリナが奴隷になったら奴隷より低いってのはなんか嫌だな。
「依頼容はあのダンジョンにいるミノタウルスの調査でした。地下40階に何発生しているかを調べるだけだったのですが、地下40階を一周したときに1しかいなかったので、倒してしまおうといいだしたのです。ヒーラーが私ではないときに倒したことがあるから大丈夫という自信があったのでしょう。」
まぁ一対一ってわけでなければ普通に倒せるだろうな。
「私も回復だけに専念すれば足手まといにはならないだろうと思って、反対はしませんでした。実際、順調にダメージを與えられていたのです。最後に魔法使いの方が魔法でトドメをさすというところだったのですが、なかなか魔法が飛んでこないので後ろを確認すると、運悪くもう一のミノタウルスが生まれてしまっていたようで、一番後衛にいた魔法使いが殺されてしまいました。」
いや、ダンジョンで戦うんなら戦闘中の相手以外にも警戒しとけよ。
それに代わりの加護を持ってたっていってた気がするが、それで殺されるって弱すぎねぇか?
「とっさの判斷で前衛にいたリーダーが最初のミノタウルスをなんとか倒したので挾み撃ちにはなりませんでしたが、魔法使いが欠けたパーティーでミノタウルスに勝つのは難しいということで逃げる選択を取りました。ですが、ミノタウルスのきが異常に速く、距離を離せないことに焦ったリーダーがリスタートを発させてしまいました。念のためミノタウルスがついてきても被害が拡大しないように地下32階を経由するようにしたら、ミノタウルスもリスタートのゲートをくぐってついてきてしまいました。そこで逃げるのを諦めて戦うことにしたのですが、最初のミノタウルスとは強さが全然違い、私以外が全滅しました。」
そこで俺に會ったわけか。
「リキさんに助けられ、別れた後も冒険者しか私には道がないので、新しいパーティー探しをしたのですが、パーティーを全滅させた厄病神といわれてどこにも所屬できなくなってしまいました。」
ヘタに有名なパーティーが全滅したのに1人だけ生き殘ってるから、気味悪がられたのだろう。
「ソロで魔狩りを出來るほどの力もなければ、付與師ではないので家の手伝いもできません。母に相談をした結果、リキさんとまたお會いできたら奴隷にしてもらうように頼んでみるという結論になりました。」
「どうしてそうなった!?」
「だから、今話した通りです。」
「いや、お前が厄病神扱いされてパーティーを組めなくなったのは理解したが、そこでなんで俺の奴隷になる話が出てくる?他の職を探すなり、他の冒険者ギルドで仲間を探すなりが先じゃね?」
ってかさっきの長ったらしい話がそもそもいらなくね?
有名パーティーを全滅させた厄病神といわれてパーティーが組めなくなっただけで説明としては十分だろ。
余計な時間を割いたわりにけっきょくなんで俺の奴隷って選択になったのかが意味不明だったしな。
「この辺りの冒険者ギルドでは知れ渡ってしまっています。リキさんだったら待奴隷としては扱わなそうというズルい考えもありましたが、それ以上に実際に奴隷となってるアリアちゃんが幸せそうに見えたので、ちょっと憧れてしまいました。」
なんだ。頭がおかしいやつなのか。
奴隷になるのを憧れるって時點でおかしいと気づかないのか?
確かに待で悅に浸る趣味はないが、今のいい方だと奴隷は許容範囲なのか?
ダメだ。俺の思考では理解できないことだからいくら考えても無意味だろう。
「わかった。奴隷にするが後悔するなよ。あと、奴隷になると家名はなくなるからな。」
「私はもともと家名はありません。だから問題ありません。」
「は?親が家名持ちなのに持ってないってが繋がってないとかか?」
「いえ、母の家系はの繋がりではなく、付與師になれた者にのみ家名をけ継がせることになっているのです。私には才能がなかったので、家名はありません。」
才能ね。
アリアのときの仮説が正しいんなら、あれは才能ってよりも運だよな。
まぁいい。
「なら奴隷契約をする。いいな?」
「はい!」
マリナのに右手を當てるとマリナは直した。
そんな張する必要はないんだがな。
奴隷契約を発すると右腕から黒い何かが生まれて、右腕を這ってマリナのまで進み蠢いている。
しばらくしたらマリナの中に浸していった。
確認のため奴隷畫面を開くと奴隷5にマリナの名前がある。
「これでマリナは俺の奴隷になった。俺の奴隷の絶対的なルールは『俺を裏切らない』と『俺の命令は絶対』だ。これだけは守れ。いいな?」
「はい。」
まさか自分から奴隷にしてくれなんていうやつが現れるとはな。
まぁ使えなきゃ売るだけだ。
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