《裏切られた俺と魔紋の奴隷の異世界冒険譚》65話

地下20階の豬のような魔は食べれるとアリアにいわれたから、てきとうに解してからだけアイテムボックスにれ、殘りをイーラに食べさせてから地下25階に下りた。

地下25階でも2.3の魔を倒したが、問題ないだろうから一周せずにリスタートで地下30階に下りた。

もうなくなる予定のダンジョンのマップを埋めても意味ないからな。

同じことを繰り返して地下40階まで下りたところで、微かに何かが聞こえた。

「…す…て。」

「何かいったか?」

隣にいたセリナに確認を取るが、首を橫に振られた。

「にゃにもいってにゃいよ〜。それに誰も喋ってにゃかったよ?」

じゃあ聞き間違いか?

「ク……ム……けて。」

「やっぱりなんか聞こえるんだが。」

「リキ殿の腕から他者の魔力の干渉をじるが、それが原因ではないかの?」

アオイが念話で教えてくれたが、俺の腕

この以心伝心の加護が付いたブレスレットのことか?

ブレスレットを耳に近づけるが、何も聞こえない。

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「リキ殿。そこから音が出ているわけではないじゃろうから、耳を近づけても意味などなかろうて。」

マジか。

ちょっと恥ずかしいじゃねぇか。

「アリア。以心伝心の加護で伝わってくる聲を大きくしたいんだが、どうしたらいい?」

「それでしたら、こちらから呼びかけて大きくしてもらうのがよろしいかと。」

俺はアリアに聞いたんだが、第三王が答えやがった。

まぁいい。

「使い方を知ってるのか?」

「もちろんです。今回のように散らばって連絡を取り合わなければならない時によく使用しますので。」

「なら教えてくれ。俺はこれの使い方がよくわからない。」

片割れが見つかったら使えばいいと思ってたから、まだ使ったことがないんだよな。

「はい。以心伝心の加護は加護にしては珍しくMPを使います。なので、魔法を使う要領で話しかければ使えます。あとはMPの量で音の大小が変えられますし、距離によって消費量も変わります。聞こえてくる聲が小さいとしたら、相手があまりMPを使わないようにしているのかもしれませんね。」

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ようするに俺から聲をかけて、相手にもっとMPを使わせろってことか。

試しに「よく聞こえねぇからもっとMPを使え。」とブレスレットに念を送る。

僅かだがMPが消費されたから功しただろう。

「誰?」

しばらくすると返事があり、今度はハッキリと聞こえた。

「ブレスレットを拾った者だ。」

「クライムは?」

「そんなやつは知らん。まぁこれはスケルトンソルジャーから奪ったから、死んでんじゃねぇの?」

「そんな…。」

本來の持ち主が死んでることにショックをけたのか、會話が途切れた。

「話は終わりか?」

「…お願いします。助けてください。」

「お前を助けて俺に何か特があるのか?」

「謝禮は支払い…。」

なんか覚でわかるが、リンクが切れたっぽい。

正確にはこっちからは聲をかけられるが、向こうからのが切れたじだ。

「腕の干渉が途切れたのぉ。」

アオイがそういってるから間違いないだろう。

「途中で會話が途切れたんだが、よくあることなのか?」

第三王を見て確認を取る。

「いえ、裝備が破壊されたのでなければ、意図的に切るか、MPが盡きたのだと思います。」

MPが切れたと仮定したら、こいつはないMPで助けを呼び続けていたのだろう。

助けてくれる相手が死んでいるとも知らずに。

もしかしたらこのブレスレットの元の持ち主は助けるためにダンジョンに潛って死んだ可能もあるがな。

まぁダンジョン自が違うからどうあったって見つからなかっただろうがな。

どんまい。

「さて、俺の推測ではこの階もしくは上下どちらかの階にブレスレットの片割れの持ち主がいると思う。アリア。これは助けたら金になると思うか?」

「…以心伝心のブレスレットを用意できる者であれば、それなりのお金を持っている可能が高いですが、冒険者相手ではなんともいえません。」

「ちょっと待ってください。リキ様はなぜこのフロアに聲の主がいると斷言なさるのですか?」

アリアと話を進めていると、第三王が邪魔してきた。

いや、斷言はしてねぇよ。

「いくら音量を上げるとMPを余計に消費するといっても、さっきのしの會話でMPが盡きたのだとしたら、そもそもたいしてMPが殘ってなかったはずだ。それでもさっきのじでは助けを呼び続けていたっぽい。だけどその聲はこの階にくるまで聞こえなかった。だからMPの消費を抑えるために自分の近場を通ったときに聞こえる程度の距離で助けを求め続けてたんじゃねぇかなと思っただけだ。だからこの階にいるかもしれないという推測であって、斷定ではない。」

あくまで俺のブレスレットの元の持ち主が助けに向かってると聲の主が思っていることを前提としてだからな。

「リキ様は聡いお方なのですね。お話の邪魔をしてしまい、申し訳ありませんでした。」

「べつにいい。その程度の時間をロスしたところで俺らに害はない。聲の主にとってはどうかわかんねぇけどな。」

第三王の顔からの気が引いたようだ。

冒険者の危険は自己責任だから、死んだとしても気にすることはねぇと思うんだがな。

まぁ王からしたら冒険者も一民だからかね。真面目なことで。

「とりあえず探して、金がないなら放置でいいか。」

「…。」

あぁ、第三王の前だから返事しづらいのか。

「俺とセリナはちょっと見てくるから、アリアはここで待ってろ。この意味はわかるな?」

アリアは目線だけで第三王をチラッと見た。

「…はい。」

「イーラも行きた〜い。」

「俺とセリナは全力で走るつもりだが、イーラがその姿のままでついてこれるならかまわないぞ。」

「ふふ〜ん。余裕だよ。」

「アオイ。何かあったら頼む。」

「妾にできる範囲でだが、了承した。」

第三王が何かをいおうとしていたが、その言葉が発される前に全力で走った。

PPの消費が半端ない。そのおかげか、數十秒でもう第三王が見えなくなった。道が緩やかに曲がっていたからだろうがな。

セリナとイーラはちゃんとついてきてるみたいだ。

「とりあえずマップを埋めたいから、イーラは移用の魔になれ。2人乗れるサイズでかまわないからな。」

「は〜い。」

イーラはギリギリ2人乗れるくらいの犬になった。これは吸収した魔のままっぽいな。いつもはデカくするためにいろいろ継接ぎしてたっぽいから、オリジナルは久しぶりに見た気がする。

オリジナルはさすがに時速120キロはでないみたいだが、ダンジョンを走り回るにはちょうどいい速度だ。加減してるだけかもしれないけどな。

しばらく走ってると壁に違和があった。

「止まれ。」

イーラが俺の制止に反応しての道を作りながら急ブレーキをした。

これだけを流してるのに痛くないらしいから不思議だ。

「セリナ。そこの壁の先に隠し部屋があると思うんだが、危険か?」

「ん〜。確かにたくさんの気配はあるけど、イーラ1人でもどうにかにゃるくらいだと思うよ。リキ様が戦うまでもにゃい程度だね。」

セリナがそういうなら問題ないだろ。

「ならるぞ。」

「「はい。」」

俺が先にると、人型に戻ったイーラとセリナが続いてくる。

中はけっこう広い空間になっていて、でかい亀みたいなのが大量にいた。

甲羅だけで4メートルくらいありそうだな。

足はデカイけど見た目は亀ってじだ。ただ、頭はちょっとトゲトゲしいが。

ノッシノッシと移してるのが18。中があるかはわからないが、甲羅になってるのが10いる。

でも、襲いかかってくる様子はない。

俺らに気づいてないのか?

「この魔は私も知ってる!ニータートだ。珍しいね。」

「珍しいのか?」

「前にケモーニャでは南の方で飼ってるって聞いたけど、野生は滅多に見つからにゃいっていってたよ?」

「ケモーナは魔を飼ってるのか?」

「私がいた時は飼ってたよ〜。ニータートは怒らせにゃければおとにゃしいし、生きは薬ににゃるらしいからね〜。今は知らにゃ〜い。」

それは金になりそうな響きだな。

「ちなみにこの部屋に人間がいるかとかわかるか?」

セリナは周りをキョロキョロしながら耳と鼻をピクピクしている。

「あの甲羅の中が臭い。」

臭いとかどうでもいいといおうと思ったが、何日も助けを待ってたならそりゃ臭いわな。

ってことはあそこにいるのか。

壁伝いに近づいてセリナが指差した甲羅の中を確認すると、弱りきって橫になっているがいた。

本當にいたよ。

確かに風呂にってないだろうから臭いが、らした的な臭さではない。

これだけ魔がいて怖くて逃げ出せないから隠れてるだろうに、トイレは別でするってのはよっぽどプライドが高いのか、よく躾けられているのか。

どちらにせよ、いいとこの娘だろう。

「さっき念話してきたのはお前か?」

頭側から聲をかけたら、は億劫そうに上を向いて俺を見た。

何日いるのか知らないが、だいぶ弱ってるな。

口をかそうとするがうまくかせないようだ。

アイテムボックスから飲みかけの飲料水を取り出して飲ませた。

むせないようにちょっとずつ飲ませてやる。

これから渉するからな。

とりあえず喋れる狀態にはなってもらわないと困る。

全部飲んだみたいだ。

よっぽどが渇いていたのだろう。

続いてジェルタイプの攜行食を飲ませる。

し元気が出たのか、を起こした。

「水に食料までありがとうございます。先ほど念話で助けを求めたケニメイト・サラテラスと申します。」

まだ力が回復出來てないのか、きがいちいち重そうだ。

「俺は神野力だ。俺は渉をしに來ただけだから余計な話はなしで進めたい。お前も喋るのは辛いだろう?」

「お気遣いありがとうございます。」

「さて、俺はお前を助けることはできるが、無償で助けてやるほどできた人間ではない。お前は見たじ俺より若いか同じ程度だから、まだ親の庇護下にあると予想しての話だが、お前を助けたら親はいくら出す?」

「…きっと金貨10枚は出すと思います。」

なかなか金持ちなんだろうな。

だがもっと煽ればさらに出しそうだ。

「なんだ。勝手にお前は貴族だと思ってたんだが、この前助けた平民と同じ価値なのか。」

やはりプライドが高いのか、庶民と同じ価値と聞いて、目を見開いた。

「私は親の反対を押し切って冒険者となってしまったため、親は金貨10枚しか払ってくれないかもしれません。ですが、私が稼いだお金も足して必ず金貨20枚お支払いいたします。」

おぉ。倍になった。だがこいつはそんなに払えるのか?

「払えなかったらどうする?」

「私の命を差し出します。」

助けてもらった命を差し出すって喧嘩売ってんのか?

それとも馬鹿なのか?

「お前の命なんかいらねぇ。払えなかったらお前のを見つけられる限り皆殺しだ。それでも約束できるか?」

顔が青くなったな。やっぱり金のアテがないのに見栄を張ったな。

「俺の仲間には生死にかかわらず人をれるヤツがいてな。そいつにお前をらせて、お前のを皆殺しにする。覚悟しとけよ。それとも放置された方がいいか?好きな方を選んでいいぞ?」

「お金はすぐに用意できない可能があります。もし足りなかった場合は猶予をいただけないでしょうか?必ずお支払いいたしますのでお願いします。」

ほう。ちゃんと見栄を張ったことを認めて、可能を考えられるんだな。

「猶予とはどの程度だ?」

「3ヶ月ください。」

3ヶ月あったら逃げることも出來そうだな。そもそもこの世界の3ヶ月って何日なんだ?

「セリナ。この世界の一年って何日だ?」

「ん?30日が12ヶ月だから360日だよ。」

俺の世界とは年間5、6日の違いか。この程度なら誤差の範囲だな。

12ヶ月ってのが一緒だし、これなら覚的に覚えやすくて助かるな。

「なら助けてやると約束しよう。支払いは払える限りの金を払った後、殘りは3ヶ月後に取りに行く。利子としてそのブレスレットはもらう。逃げないように追跡の魔法をかけるから、逃げたらわかってるな?」

そんな魔法は持ってないがな。

「はい。ありがとうございます。」

禮を述べて、ブレスレットを渡してきた。

立とうとするが、足に力がらないようだ。

運んでもいいが、今はクエストの最中だから邪魔だよな。

「イーラ。なんとかならないか?」

「なるよ〜。」

そういってイーラはの口を右手で塞いだ。

は驚いた顔をしてゴクリと何かを飲み込んだ。

飲んだのを確認してイーラは手を離した。

「何を飲ませた?」

「魔の混合。」

あっ。が吐きやがった。

俺は咄嗟に離れたから被害はないが、は自分の手と膝にぶちまけた。

といっても吐くものが胃にほとんどないみたいでほぼなんだが、紫をしてるからかなり気持ち悪い。

このまま放置したくなったが、約束しちまったからな。

…めんどくせぇ。

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