《裏切られた俺と魔紋の奴隷の異世界冒険譚》67話

5階おきに下りて行って、既に地下65階まで來たのだが、さすがは危険視されるだけあるダンジョンだというべきか、地下45階あたりから魔が強くなっていた。

數がないから問題なく地下65階まで下りてきたが、地下60階の時點でもうカレンだと魔に囲まれたら勝てないだろうってくらいには魔が強かった。

アリアでも厳しいかもな。

マリナじゃ一対一でも無理だろう。

俺も1人では5以上とは一度には戦いたくない。

イーラとセリナは複數相手でもまだいけそうなのがちょっと悔しい。

まぁセリナはそろそろ倒すのが厳しくなってきてるだろうがな。短剣では決定打に欠けるみたいだし。

打撃か短剣の俺も似たようなもんだがな。

地下65階では今のところ魔が1しか現れていない。

そういや攻略組が通ったばっかだもんな。そりゃ討伐されてるわな。

「今は何階まで攻略されてんだ?」

「騎士の報告では先頭にいた7組のパーティーが地下72階のフロアボスと戦闘中とのことです。」

Advertisement

マジか。

上位ランクどものフロアボス戦は見たかったが、出遅れたか。

「次は何階なら行ける?」

「地下70階でしたら用意してあります。時間をいただければ地下72階にいる者をお呼びします。」

最初に俺たちについてきた、リスタート用の騎士は地下64階までしか行ったことがなかったから、俺らが5階ずつ下りてるのを考慮して、いつの間にか第三王が地下65階にリスタートできる騎士を用意してくれていた。

今度は俺たちが地下65階を回っているうちに地下70階にリスタートできる騎士を用意してたみたいだ。

第三王は気がきくし、使えるやつだな。

「呼ぶ必要はない。地下70階まで行ったら、あとは1階ずつ下りていく。」

どうせフロアボスで多は時間がかかるだろうし、俺らが通る道には魔がほとんどいないだろうから、すぐに追いつくだろう。

「かしこまりました。今、報告がありましたが、フロアボスを倒して地下73階に下りたようです。」

マジか。

俺らもちょっと急がねぇと追いつく前に攻略されちまうかもな。

せっかく強い奴らの戦い方を見るチャンスなんだから、逃すのはもったいねぇし。

地下65階で魔を探すのをやめて、地下70階に下りた。

地下70階はそこそこ魔が殘っているようで、まだ戦闘中のパーティーもちらほら見かけた。

人間の死もちょいちょい転がっている。

さすがに地下70階の魔は強いってことか。

「アリアとセリナはカレンとマリナを護ることを優先。イーラは俺と2人で前だ。」

「「「「「はい。」」」」」

前衛が俺とイーラでその後ろにアリア、さらに後ろにカレンとマリナを挾んで、一番後ろがセリナという陣形だ。

第三王たちはセリナよりさらに後ろにいる。

騎士が前後になり、第三王とケニメイトが挾まれている。

まぁそっちはそっちで好きにやってくれ。

しばらく歩いていると、エルフの奴隷のパーティーがデカいサソリと戦っているのを見つけた。

「あっ、偽リキ様だ!」

イーラがふざけたことをいったから、ガントレットをつけたまま裏拳をしようとしたら、いつのまにか近づいていたアリアに肘を摑んで止められた。

「…ごめんなさい。でも、イーラが魔族と知られると面倒なことになると思います。」

それもそうだな。

仕方ないから今回は流してやろう。

の強さを知るためにエルフのパーティーの戦闘をし離れて見ているが、あれは負けるな。

既に3人も紫になって倒れてるし。

まぁ3人ともボロ布裝備だから、サソリに刺されて死んだんだろう。

むしろ殘り1人がボロ布裝備で前衛をやらされてるのに生きてるのが凄いくらいだ。なかなかいい戦闘奴隷じゃないか。だけど、武が鞭だから全くダメージが與えられてない。

奴隷の主はせっかく大剣を持ってるのに、デカい盾に隠れて攻撃する気がなさそうだ。

エルフはいろんな屬の魔法を放っているが、サソリは魔法に耐があるのか、どれもたいしたダメージは與えられてなさそうだ。

たぶん効果のありそうな屬を探してるんだろう。

というか、エルフは詠唱してるっぽいのになんでこんなに連続で攻撃できてんだ?詠唱時間と魔法の連続発の間隔が合ってないような気がする。

「助けに行かないのでしょうか?」

俺らがエルフたちの観戦をやめて先に進もうとしたら、第三王が申し訳なさそうに質問してきた。

「なんでだ?人の獲を橫取りするのはマナー違反だし、そもそも俺が助ける義理がない。助けたいなら勝手に行けばいい。俺は先に進む。」

「冒険者のルールにはそういったものがあるのですね。なら私も先に進みます。」

けっきょく助けないのね。

まぁいいけど。

それからしばらく歩き、開けた場所に出ると誰も相手をしていないサソリがいた。

やっとこの階の魔の強さを直接確かめられる。

さっきエルフたちとの戦闘を見たじだと尾を避けるのは難しくなさそうなのと殻がいだろうってのはわかったが、魔の強さ自はいまいちわからなかったからな。

「俺とイーラで攻める。尾の攻撃をけたらアリアはすぐに『フェルトリカバリー』を使ってくれ。イーラは尾に刺されたら即死すると思ってちゃんと避けろよ。」

どの程度の毒かもイーラに毒が効くかもわからねぇからな。

「「はい。」」

サソリも俺らに気づいたようで、カサカサとけっこうな速度で近づいてきた。

イーラはさっきのエルフたちの戦闘を見て、サソリの殻がいのが分かってるからか、やけに柄頭がデカいハンマーを持ち上げた。

なんか見覚えがあると思ったら、あれってさっきの亀の甲羅を加工したやつじゃね?

早速さを試そうとしてるのか?

俺がやるつもりだったけど、代わりにやってくれるのは助かるわ。

だが、2人で攻撃に向かってるのに仲間を巻き込むサイズはどうかと思うぞ。

俺はしサソリから離れた。

イーラはサソリの全長を超えるサイズの柄頭を思いっきり叩きつけた。

ピキッと音はしたが、潰れてはいないみたいだ。

叩きつけた振がここまでわずかに伝わるほどなのにハンマーには傷一つなく、サソリはしヒビがっただけみたいだ。

あの甲羅もやっぱり使えそうだな。

3つだけじゃなくてもっと取っときゃよかったか。

サソリは今ので足が2本折れたみたいだが、イーラに近づいて尾を打ち込んできた。

イーラはハンマーを消して赤いガントレットをはめて応対している。

だが、避けるので一杯で攻撃ができないみたいだ。

まぁ、いつもは仮に當たっても痛くもないっていう余裕があったから気楽に避けれていただろうが、當たったら即死って思ったら避けるのが大きくなって攻撃に移れないのだろう。

この魔尾攻撃が速いし、いい練習になりそうだ。

ただ、刺されたら本當に即死の可能があるから、現段階では俺とイーラとセリナ以外に使うのはちょっと怖いか。

イーラもなかなか覚えが早く、避け幅が徐々に小さくなっていく。

ししたらカウンターで尾を毆った。

避けて毆る。避けて毆る。避けて毆る…。

なんか楽しそうだな。

でも全然ダメージは與えられてなさそうだけどな。

おっと、ここで無駄な時間を消費するわけにはいかないんだったな。

「イーラ。尾を弾け。」

返事はなかったが、イーラはサソリの尾を思いきり毆って弾いた。

俺はそれで空いたサソリの背中めがけて飛びかかりながら、両手を握って全重を乗せて叩きつけた。

もともとヒビがってたおかげか、背中が割れてが飛び散った。

だけどまだ生きているようで、俺に向かって尾が振り下ろされた。

指示はしてないが、イーラは尾を弾き、俺は砕けたサソリの背中に手を突っ込んだ。

『中級魔法:電』

威力を上げて打ち込んだら、サソリのが弾けた。

さすがにもう死んだとは思うが、殘った部位がピクピクと痙攣している。

さすが地下70階というべきか、1人で倒すのは厳しくなってきてるな。

2人がかりならまだ問題なさそうではあるが、下りれば下りるほど魔は強くなるらしいからな。

もうしここで戦っておくべきか?

「アリア。ここでもうし戦うべきか?下りても大丈夫だと思うか?」

「…大丈夫だとは思いますが、しでもリキ様に不安があるのであれば戦うべきだと思います。魔がもう私では倒せない強さになってしまっているので、私には判斷ができません。ごめんなさい。」

アリアはそもそも支援タイプだから、強い魔を1人で倒せないのは仕方ないと思うがな。

それに魔との相もあるし。

「じゃあもうし戦っておこう。ここからは主に俺とイーラで戦うことになるから、イーラは何かあったらすぐにいえ。」

「はい。」

    人が読んでいる<裏切られた俺と魔紋の奴隷の異世界冒険譚>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください