《裏切られた俺と魔紋の奴隷の異世界冒険譚》76話

薬屋を出て、今は奴隷市場に向かっている。

なぜかというと薬屋以外で貴族と繋がりがありそうなやつが奴隷商しか思い浮かばなかったからだ。

確か貴族も利用してると聞いた気がするからな。

顧客報を教えてくれるとは思えないが、まぁ新しくいい奴隷がいないかの確認のついでだからダメならダメでいい。

さいあく城に侵して、第三王経由で聞けばいい。まぁそんなことをしたら城に侵したことの口封じのために第三王を殺さなきゃならなくなるからリスクがデカすぎるがな。

「お久しぶりでございます。リキ様。」

奴隷商はいつも通り建前にいた。

初めて會ったとき以外はいつもここにいるが…考えるだけ無駄か。

「あぁ、今日は良さげな奴隷がいるかの確認と奴隷商に聞きたいことがある。」

「なんでございますか?」

「ケニメイトっていうやつを知ってるか?」

「殘念ながら存じ上げません。それは家名でしょうか?」

「いや、名前だ。家名は…思い出せねぇわ。」

必要じなかったから聞いてなかったな。まさかこんな面倒なことになるとは思ってなかったし。

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「ケニメイト・サラテラスだよ〜。」

「あぁ、そんなじだったな。よく覚えてたな?」

「名前を覚えるのは得意だからね!」

セリナがドヤ顔を向けてきた。

バカだと思ってたが、ただのバカではなかったみたいだ。そういやセリナは元王族だからそういう教育をけてたのかもな。

「今回は珍しく役に立ったぞ。」

セリナの頭をてきとうにワシャワシャしたらくすぐったそうにしながらセリナがニヤけていた。

奴隷商に向き直る。

「サラテラス家は知ってるか?」

「顧客報をらすことは出來ないと斷るつもりでしたが、サラテラス家でしたら貴族と関わりのある人間なら誰でも知っているのである程度は答えられますが、ケニメイト様は存じ上げません。申し訳ありません。」

「いや、サラテラス家の場所が知りたいだけだから、ケニメイト自は知らなくてかまわない。」

「屋敷の場所でよろしいですか?」

「あぁ。」

「かしこまりました。それでは地図を用意いたしましょう。」

「それは助かる。」

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奴隷商が店の方に視線を向けると控えてる男がいたようで、小走りで近づいてきた。

その男に奴隷商が指示をすると男は店に小走りで戻っていった。

「それでは新しい奴隷を仕れていますので、地図の用意をしている間にご案いたします。」

先を歩き始めた奴隷商のあとについて店にった。

いつも通り奴隷は流し見で戦闘奴隷を重點的に見て、廃棄処分間近の奴隷はアリアたちを部屋の外で待たせて俺だけ見た。

今回もピンとくるやつはいなかったな。

まだ1人も奴隷がいない狀態だったら良さげな獣人がいたが、今さら俺より年上の男をれるとアリアたちが対応に困りそうだから卻下した。

見たじ奴隷なのにプライドが高そうだったから、心を折るところから始めるのも今さら面倒だしな。

廃棄処分間近の奴隷の部屋から出たときにふと思った。

前に來たときはここが最奧の部屋じゃなかったか?

だけどまだ通路が先に続いていた。

「奴隷商。この先にも奴隷がいるのか?」

「リキ様でしたら気づいてくださると思っておりました。増築が完了しましたので、もう一部屋増えております。そして、そちらが今回のメインとなります。」

なんか奴隷商が嬉しそうだな。

奴隷商についてった部屋には奴隷が1人しかいなかったが、かなり印象に殘る姿をしている。

拘束を包まれて椅子に座らせられて、目には目隠しがされ、口には禍々しいマスクがされている。その狀態で檻にれられていた。

拘束を著ているうえに椅子に座っているから正確な格がわからないが、たぶん子どもな気がする。

顔もほとんど覆われているからパッと見でわかるこいつの報は長い銀髪ってだけだな。

「こちらが本日のメインとなります。吸鬼の奴隷です。ご存知かと思いますが、魔族となります。」

「なんでこんなに厳重に拘束してるんだ?」

「やはりリキ様ほどになりますとこの程度では驚かれないのですね。」

まぁイーラも魔族だから魔族が珍しいとは思わないしな。

「この奴隷は魔眼持ちなので、特殊な布で目隠しをしています。マスクは吸対策です。拘束は首の強化版といったところです。首では破壊されてしまう可能がありますので。」

魔眼とかちょっとかっこいいな。

魔眼もスキルなら鑑定でどんなのか見れるかと思い、鑑定を発させた。

した瞬間、逆に心を覗かれているような不快とともに何かが侵しようとする覚があった。

神攻撃か?

まぁアオイのときと同じで何かが勝手に拒んでくれたけどな。

「愚かな人間よ。うぬが深淵を覗くとき、深淵もまたうぬを覗いているということを知らぬのか?まぁ我には都合が良い。早く我をここから出せ。」

…。

「奴隷商。こいついきなりわけわかんねぇこといい出したが、頭がおかしいのか?」

「昨日引き取ってから一度も喋らなかったのですが、ずっと視界を遮斷していたので、もしかしたら神が壊れてしまった可能があるかもしれません。」

奴隷商が困りましたねといいながら首を傾げた。

「な!?確かに手応えはあったぞ?なぜ魅了されておらんのだ?」

あぁ、さっきの不快なじは魅了の魔法かなんかだったのか?

殘念ながら俺の加護のどれかが拒んでくれたから魅了なんてされてねぇんだ。

でもこれだけ拘束されてても攻撃出來るってのは純粋に凄えな。

「奴隷商。こいつはいくらだ?」

「申し訳ありません。この魔族は3日後のオークションに出品する予定となっておりまして、現在は一部のお客様に知らせて回っているところでございます。私の見立てでは金貨50枚は超えると思います。」

今日のメインとして紹介しといて買えねぇのかよ。

まぁどっちにしろ金貨50枚なんて持ってねぇから買えねぇがな。

「我を無視するでない。我はうぬに理由を聞いておるのだぞ?」

「殘念ながら金貨50枚はさすがに持ってねぇし、奴隷に金貨50枚を使う気はねぇわ。」

「それは殘念でございます。もし良かったらオークションに參加だけでもされたらいかがでしょう?他にもいろいろな奴隷がでてきますよ。」

奴隷商はスーツのポケットから封筒を取り出して渡してきた。

開けると中には招待狀がっていた。

準備いいなこいつ。

でも3日もこの町にいる予定はなかったんだが、オークションも面白そうだな。

「なぜ答えぬ人間よ?」

「オークションにはルールとかあるのか?この國のオークションはやったことないから暗黙の了解とかあるならそれも知りたいんだが。」

「特別なルールはございません。しい商品が出てきたときに、場の際に渡される札を上げながら金額をいえばいいだけでございます。金額は最低が銀貨1枚となり、銅貨は使用できません。」

そのくらい簡単なら行ってみるのもありだな。

まぁそのとき町にいればだけどな。

「もうよい。そちらにいる同族よ、我を解放してはくれんか?」

「ん?イーラのこと〜?」

「そうだ。そなたも人間に「アリア!」」

『ヒプノティック』

「我が人…間…ごと…きの……。」

アリアの魔法で眠ったようだ。

イーラが魔族だとバレるようなことをいわれるのは困るからな。

「ちょっとうるさいから黙らせた。勝手なことをして悪いな。」

「大丈夫です。お気になさらないでください。それにしてもこの魔が最後に興味深いことを「何かいっていたか?」」

「いえ、聞き間違いでしょう。失禮いたしました。」

意外にもすんなり下がったな。

一通り話を終えたところで奴隷商がり口のところに控えていた男を呼んだ。

何かと思ったら、ケニメイトの家の場所を示した地図を持ってきたみたいだ。

「リキ様に一つお伺いしたいことがあるのですが、當店で最初にお買い上げいただいた奴隷をどのようにしたらここまで長させることができるのでしょうか。もしよろしければ病気の治療方法も含めてお聞かせ願えませんか?」

なるほど。タダで報をくれるわけではないと。地図の代わりに答えるべきみたいだな。

とはいっても大したことはしてないけど…まぁありのまま話せばいいか。

「治療方法は正直よくわからねぇ。俺は最高品質の治療薬を與えただけだ。ただ、薬草類を調合した何かを布に染み込ませて、アリアに嗅がせていたな。歩ける程度になったらパーティーにれて、レベルを上げた。そんで多レベルが上がったら実戦投し、今に至るってじだな。こんなんで參考になるのか?」

「薬草を調合した方をご紹介してはいただけませんか?」

「悪いが斷る。本人の許可なく紹介する気はねぇし、確認するのは面倒だ。紹介しなきゃその地図がもらえねぇっていうんならいらねぇわ。」

「そんなつもりはございません。ふと気になっていたことを思い出したのでお伺いしたまでです。不快にさせてしまったのでしたら申し訳ございません。こちらがリキ様がしておりました地図です。」

奴隷商が手に持っていた地図を渡してきた。

これで金貨20枚を回収に行けるな。

奴隷市場に用がなくなった俺らは奴隷商に連れられて外に出た。

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