《裏切られた俺と魔紋の奴隷の異世界冒険譚》79話
第三王との食事を終えた後、簡易式の領主認定とかいうのをした。
特に書類にサインとかではなく、第三王が騎士を1人呼び、その前で俺を領主と認めると宣言しただけだから必要がわからなかったが、俺が逃げないように証人を作ったとかかもな。
全てが終わって別れるときに連絡用として以心伝心の加護のついた指を渡された。
右手の人差し指と中指は歩からもらった指をしてるから、薬指にはめた。
以心伝心の加護で第三王と話すテストをしたが、問題なさそうだ。
その後、第三王と別れてすぐに宿を取り、夜の魔狩りのために晝寢をすることにした。
疲れてないからあまり寢れないかと思ったが、目が覚めたときには既に外は暗かった。
俺以外は全員起きてるみたいだな。
「これから危険といわれてる森にるが、ちゃんと寢れたか?」
「「「「はい。」」」」
「今回はアオイの力も借りるかもしれないが、ちゃんと休めたか?」
「妾はがないから睡眠は取らんぞ?疲労もないしのぅ。だから心配は無用じゃ。」
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ずいぶん便利じゃねぇか。まぁそれを便利と思うかは人それぞれだろうから余計なことはいわないが。
なんせ人間の三大の全てが満たされないのだからな。いや、ある意味満たされてるのか?まぁいい。
「今回はあまり奧まで行くつもりはないが、ゴブリンキングだと思われる魔と出會う可能がある。俺がレベル1の時に會って以來だから今の俺たちとの力量差がわからないが、當時の俺からいわせれば化級の強さだった。あいつは凄い威力で巖を投げてくるから、直撃したら即死の危険がある。だから常に注意は怠るなよ。」
「「「「「はい。」」」」」
全員準備を終わらせて、夜の森へと向かった。
この世界の町や村の外は月明かりしか源がないから、月明かりがあまり屆かない森の中は薄暗い。
魔法で明るくすることも出來るだろうがMPがもったいないからな。
「リキ様。魔が來るよ。」
セリナが魔の接近を知らせてきた。
まだ森にって100メートル程度しか進んでないのにもう魔のお出ましかよ。さすが夜ってところか?
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こういう時はセリナが役に立つな。
俺は視界にらないと危険予測もできないからな。
『マジックシェア』
『マジックドレイン』
『ステアラ』
アリアの魔法が全員にかかった。
「セリナは戦闘に參加せずに周りに意識を向けて危険があれば教えろ。カレンは今回はアオイの刀を使え。アオイは危険があればカレンを護れ。アリアは攻撃よりも支援、回復を優先。イーラは…好きにしろ。魔法を使う敵にだけ気をつけろ。」
「「「「「はい。」」」」」
既に全員裝備はしているから、魔が近づいてくるのを戦闘態勢で待ち構える。
現れたのは俺がこの世界で最初に戦ったイビルホーンだ。
前はもっと速くて強そうな気がしていたが、俺のレベルが上がったからかなんの脅威もじない。
周りを20近いイビルホーンに囲まれてるが、負けるイメージが浮かばない程の力量差ができてるみたいだ。
ずっと自分の弱さを見せつけられてばかりだったが、イビルホーンのおかげでちゃんと長出來てることを実できた。
それだけでもここに來た意味があるってもんだな。
そんなことを考えているうちにイーラが5のイビルホーンを大鎌でバラバラにしていた。
イーラは本當に楽しそうに戦うよな。
イーラを脅威にじたのか、イビルホーンはイーラではなく俺たちに一斉に飛びかかろうと腳に力をれた。
俺はイーラと反対側に走ってアリアたちからし距離を取った。
『ダズルアトラクト』
イビルホーンの標的が俺に変わり、15のイビルホーンが俺に向かって一斉に飛びかかってきた。
前はこれで死をじてた気がするが、今は冷靜に対処できている。
俺の裝備はガントレットだから1ずつしか倒せないが、避けては毆るを繰り返して、15のイビルホーンをわりとアッサリ倒してしまった。
手応えがないが、よくよく考えたらレベル1の時ですら倒せてはいたからな。
まだ森のり口だし油斷するべきではないだろう。
「とりあえずは川のとこまで行くぞ。」
「「「「「はい。」」」」」
ダズルアトラクトを解除して進む。
奧に行けば行くほど暗くなっていくな。
さすがに魔法で周りを照らさないとマズいかと思っていたら、先がし明るいようだ。
近づくと川の辺りで點が浮遊している。蛍か?この世界にも蛍なんているのか?いや、いるとしたら魔か。せっかくのだが魔なら倒さなきゃか?
そういやテイムするって手もあるんじゃねえか?でも蛍って近くで見ると見た目がGだからりたくねぇな。イーラに捕食させるか?
「アリア。これも魔か?」
「…いえ、初めて見ましたが、たぶん霊の類だと思います。野生なのに霊使いでもないわたしに見えるほどなので、それだけ強い霊の可能があります。近寄らない方がいいかもしれません。」
見えるっていってもただの點だぞ?
これで大霊とでもいうのか?だとしたらせっかくのファンタジーなのにちょっとガッカリだよ。
でもアリアが近寄らない方がいいっていうなら面倒だが回り道をするしかない。
川下の方はがないっぽいからそっちから回るかと思ったら、川下の點が1つ消えた。
霊の國にでも帰ったのかなんて考えてたらまた1つ消えた。
1つ1つとどんどん消えていく。
なんか違和があるな。
危険予測は反応しないが、何かが近づいてきてる。
「え!?デッドバッド!?」
夜目のきくセリナには既に見えてるようで驚いている。
「デッドバッドってなんだ?」
「…霊の天敵でもあり、あれにやられると魂まで食べられると聞きます。ですが、この辺りに生息するという話は聞いたことがなかったのですが…。」
近づいてきたデッドバッドの姿が見えたが、コウモリみたいだ。
あらためて見ても脅威なんてじないが、そんな驚くような魔なのか?
「そんな強そうには見えないが?」
「…確かに単では弱いですが、舊名サイレントバッドといわれ、獣人にすら気づかれずに近づくといわれています。それにデッドバッドに噛みつかれると即死するという噂があるので気をつけてください。」
そりゃあ確かに脅威だな。
弱いせいか俺の視界にっても危険予測に反応ないし、かなり危険な魔なんじゃねぇか?
イーラは恐怖がないのか真っ先に飛び出した。
大鎌を振り回すが避けられている。
意外とすばしっこいのか?
しばらく大鎌を振り回してたイーラが諦めたのか、大鎌を引っ込めて両手を広げた。
何をしてんのかと思ったら、霊のに反して両手から細い糸が出てるのが見え、糸が電気をまとったようにった。
今のは魔法か?糸が電気を纏ったじだったし、使ったのは『中級魔法:電』っぽいな。
糸もイーラのの一部だから中級魔法が使えるのか。なんかズルいな。
今までは暗くてよく見えてなかったけど、糸がったおかげで遠くにいたデッドバッドまで見えたが、30以上いるんじゃねぇか?超広範囲の魔をそんな簡単に捕まえるとか凄えとしかいえねぇ。
「なんですぐに吸収しないでわざわざ中級魔法を使ったんだ?」
「だって抵抗してる魔はれただけじゃ吸収できないもん。直接にれちゃえばこのくらいの魔なら一瞬だけどね!」
今まで魔を切り殺してから吸収してたのは趣味とかじゃなくて理由があったんだな。
まぁれただけで即吸収なんてできたらさすがに化すぎるわな。
今でも十分化ではあるが…。
デッドバッドがすぐそこの霊まで食べてくれたおかげでそんな遠回りせずに川を渡れるな。
「…リキ様!」
歩き出そうとしたところでアリアに呼び止められた。
「どうした?」
振り向こうとしたさいに足に何かがれ、驚いて足元を見た。
「…避けてください!」
『上級魔法:電』
アリアが魔法、イーラが鞭、セリナが短剣を投擲して、一斉に俺の足元に攻撃してきた。
俺は咄嗟に、俺の足に顔面をりつけてた白いキツネのような生きを抱えて飛び退いた。
俺の観察眼は反応してなかったが、まだデッドバッドが生き殘っていたのか?
「…れる!?」
珍しくアリアが驚いた顔をしていた。
「リキ様!そいつから早く離れて!」
「なんでだ?こいつからは危険をじないぞ?これも魔なのか?」
アニメとかに出てきそうなデフォルメされた白い狐で尾が4つある。俺がいうと気持ち悪がられるかもしれないが、けっこう可い。
これは魔なら使い魔にしたいな。
『テイム』
抱きかかえているかられているのに反応がない。
拒否されたというよりそもそも発されてないようだ。なんでだ?
「…それはたぶん霊です。野生で姿がある霊は危険といわれています。見かけたら逃げるか即倒すというのがこの世界での常識とされていました。ですが、それを使い魔にしようとするなんてさすがリキ様です。」
あれ?アリアに嫌味をいわれたか?
霊は魔とは別なのか。
SPで霊を仲間にするようなスキルがないか探してみるが見つからない。
前に一度ちゃんと見たときにもなかったし、霊は仲間に出來ないのかもな。
「形のある霊は城にいた頃に見たことあるけど、実化してる霊にゃんて初めて見たよ。」
「…本の記述には霊使いの指示で実化をするというのはあるようですが、野生で実を持つ霊という記述はどの本にもありませんでした。」
なんだ?レアなのか?
鑑定でこの霊を見てみた。
大霊…自然界に存在する実を持つほどの力の塊。
マジか!?
まぁこれが大霊ならさっきの點よりは納得はできなくはないけど、大霊はもうちょい威厳のありそうなやつであってほしかったな。
こいつじゃ可らしすぎる。まんまペット向きだ。
ステータスや名前も見てみようと鑑定の力を強めるが、何も見えなかった。
ノイズがかかるとかではなく、何もなかった。こんなの初めてだ。
こいつはさっきから鼻先をグリグリと俺のにりつけてくるんだが、何がしたいんだ?
力強く抱きしめてるわけではないから離れたいなら簡単に離れられるし、攻撃するつもりなら俺の観察眼が反応するだろう。
まぁ癒されるからいいか。
いざという時は殺すしかないと思うが、攻撃してくる気配がないからとりあえずこのままにしている。
使い魔契約や奴隷契約を使うが反応しない。
殘念だが仲間に出來ないなら連れてくのは出來ないな。油斷したところで攻撃されたらどうにもならねぇし。
「今の俺じゃあ仲間に出來ないみたいだから、置いてくしかねぇな。」
ちょっと名殘惜しいがキツネを地面に下ろした。
だが、キツネは俺の袖を噛んで離そうとしない。
「なまえ、つけて。」
「「喋った!?」」
アリアとセリナが驚いた。
イーラとカレンはさっきからずっと戦闘態勢だ。
そんな危険な存在なのか?
いや、前も周りが危険といってるのを無視して痛い目にあったことがあったな。
しかも今は森の中だっていうのに気が緩み過ぎていた。
気をつけなければまた死ぬかもしれねぇ。
キツネを仲間にするのはあきらめるが、まぁ名前くらいはつけてやるか。
「尾が4本だから『テンコ』なんてどうだ?」
「てんこ…。」
あれ?気にらなかったか?
まぁもう俺には関係ないか。
「よし、時間を食っちまったが先に進むぞ。」
「その霊は倒さないの?」
イーラが警戒しながら確認を取ってきた。
大丈夫だろといおうとしたらキツネが急にりだした。
俺は咄嗟に離れて戦闘態勢を取った。
が収まると、そこには全のがいた。
尾と耳があるから獣人か?というかたぶんさっきのキツネだよな?
獣人ってもしかして子どものときは獣なのか?
あれ?でも鑑定したときは大霊ってなってたし…どういうことだ?
俺が疑問で頭がいっぱいになっている間にがトテトテと俺の元まで走ってきて抱きついてきた。
観察眼が反応しなかったからといってホールドされるとは油斷した。
力盡くで引き剝がそうかとしたときにが発した言葉を聞いて、力が抜けた。
「名前くれた。仲間!」
…は?
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