《裏切られた俺と魔紋の奴隷の異世界冒険譚》80話

…。

いかんいかん。驚きのあまり一瞬思考停止してしまった。

名前をつけたら仲間とかいう謎理論はとりあえず置いとくとして、言葉で仲間といわれただけで信じられるほど俺は出來た人間じゃねぇんだよ。

「悪いが、奴隷紋なり使い魔紋なりの縛りがないやつに背中を任せるつもりはない。だから仲間にはならない。」

「しばり?」

「俺には絶対に逆らえなくするもののことだ。」

「契約、する。」

「契約も口約束とたいして変わらないだろ。そんなことで信用なんてできるかよ。」

どんな契約だかはわからないが、紙面上だろうが口頭だろうがたいした拘束力もなく、簡単に破れるだろうしな。

「…霊との契約は紋様こそ刻まれませんが、拘束力は奴隷紋と変わらないそうです。ただ、関係は対等になるので、途中で契約容を変更する場合は同意が必要です。」

アリアが説明してくれた。

それなら仲間にすることはできそうだが…。

「契約ってのはどうやってするんだ?」

「…本には名前をつけて仮契約をしたのち、あらためて本契約をわすとしか書かれていなかったので、詳しくはわかりません。ごめんなさい。」

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もしかして、名前をつけて仮契約をするとジョブが取得できるようになるとかか?

念のため確認すると『霊使い』というジョブが取得できるように…。

…なぜかいきなりテンコにキスされた。

何してんだこいつと思っていると、舌までれてきやがった。

これはにはまだ早いだろうと思い、引き離そうとしたら頭のなかに契約容が流れ込んできた。

容は奴隷や使い魔に設定するようなものと同じだった。

なるほど、こうやって契約するわけか。

とりあえずアリアたちと同じく裏切り止設定にしたが、霊の場合は罰の重さが選べないようだ。

契約を違反したら消失しかないってけっこう厳しいな。

まぁその分信用できるから、俺にとっちゃ願ったり葉ったりか。

俺が設定した容がれられた覚とともにテンコはを離した。

「契約、終わった。仲間!」

「仲間になるならこれだけはいっておくが、俺を裏切らないと俺のいうことは絶対というのがこのパーティーのルールだ。覚えておけ。」

「わかった。」

「イーラとカレンは戦闘態勢をといて大丈夫だ。もう契約をわしたからな。」

アリアとセリナは既に敵意を向けてはいなかったが、今はなぜか固まっている。

森の中なんだからそんなんじゃ危ないぞ?

カレンはすぐに刀をしまったが、イーラはいまだに敵意を向けている。

「そいつ、危険だよ?倒した方がいいと思う。」

珍しくイーラが意見をしてきた。

どうしたんだ?ペット枠を奪われそうで嫉妬でもしてるのか?…そんなわけないか。

たぶんテンコが力の塊なのがイーラには覚でわかるのだろう。そんでこの度からしたら純粋な力だけならここにいる中で一番だろうことも。

今自なんかされたら誰も生きられないんじゃないかっていうほどの力ではあるが、互いに生きるための戦いであれば、たぶん俺が勝てるからそんなに心配することはない。

観察眼のお墨付きだ。

「大丈夫だ。それとも俺が信用できないか?」

「そんことない!…ごめんなさい。」

イーラは謝罪とともに鞭をしまった。

そういやさっき中途半端にやめてしまったジョブの取得をしておくかな。

取得できるジョブは『霊使い』と『領主』の2つのようだ。

領主契約の意味はちゃんとあったんだな。

霊使い…霊を使役する者に適したジョブ。上限は80レベル。

領主…領地を治める者に適したジョブ。上限は100レベル。

せっかくだからジョブ設定をしたいのだが、どうするか。

カンストしててもアイテムボックスがある冒険者は外すわけにいかないし、奴隷使いの奴隷補強や調教師の長促進は殘しておきたい。

もう1つカンストしてる魔使いを外してみると使い魔解放が外れただけだった。

これなら必要なときだけ再設定すればよさそうだから、霊使いとれ替えた。

他は外せないからナインスジョブを取得して領主を設定した。

ジョブを設定したことにより、新しいスキルが手にった。

霊契約…霊と契約を結ぶことのできるスキル。

領民補強…自分が治める領地の民のステータスをし上げるスキル。

霊との契約ができるスキルが手にってんじゃねぇか。

キスの必要は皆無だったじゃねぇかよ。

まぁ終わったことだからいいけどよ。

そういや同意があれば再設定できるとかいってたな。

試してみるか。

テンコの頭に右手を置いて『霊契約』を発させるとさっきの設定畫面が出てきた。

やっぱり罰は消失しかないのかと思ったら、紋様で縛れるという覚が不意に表れた。

それに意識を向けると頭かを選べるようになり、いつも通りを選ぶと違反時の罰も消失以外にを締め付けるが選べるようになった。

アリアたちと同じ設定にしておく。

完了するとニコニコしてたテンコが目を見開いて俺を見た。

「仲間になりたいなられろ。」

「わかった。」

そりゃ契約してすぐに再契約とかふざけてんのかと思うわな。

テンコが再契約をれたようで、右手から表れた黒い蠢く何かがテンコのっていく。

テンコは驚いて固まっていたが、終わるとあたりをってキョトンと首をかしげていた。

紋様は奴隷紋とも使い魔紋ともぱっと見は似てるが微妙に違う。

霊紋といったところか。

いつまでもじゃかわいそうだな。

アイテムボックスからローブを取り出して著せる。

格はアリアよりし小さいから、肩と腰で結んで丈を合わせた。

ローブ。俺の仲間になるには一度は通る道だから我慢してもらおう。

べつに俺の趣味ではない。

マリナは例外だったがな。

「紋様が刻まれてる霊にゃんて初めて見たよ。」

「…霊用の紋様なんて初めて見ました。」

え?ただジョブの霊使いによって手にったスキルを使っただけなんだが、普通はないのか?

そういやさっきアリアが契約しても紋様は刻まれないっていってたな。

まぁいい。

新しくできた霊畫面のテンコを確認すると名前以外が何もなかった。

スキルや加護どころか、年齢とかレベルすらないのか?

まぁよくよく考えたら霊なんだからそんなもんか。

いや、ぶっちゃけよくわからないけどな。

「テンコは何ができるんだ?」

「なんでも、できる。」

「…そうか。偉い偉い。」

テンコの頭をでててきとうに褒めるとテンコはくすぐったそうにしている。

うん、こいつは戦闘では使えないだろうと認識しておこう。

「無駄な時間を使っちまったが、先に進むぞ。緩んだ気は引き締め直しとけ。」

「「「「「はい。」」」」」

「はい。」

周りが返事をしたことで空気を読んだテンコは遅れて返事をした。

空気が読めるのはいいことだ。

次からは揃えて返事ができるだろう。

気づくと川にいた霊たちはバラけていて、俺らの正面が空いていた。

その空いてるところを通って先に進んだ。

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