《裏切られた俺と魔紋の奴隷の異世界冒険譚》361話
リッシーの準備が終わったところで俺はリッシーに背を向けて歩き、50歩進んだところで振り向いた。
振り向いたことで目が合ったリッシーは即座に詠唱を始めたようだ。
早口でボソボソといっているから言葉までは聞き取れないが、あのタイミングでいきなり獨り言をいい始めるとは思えないから詠唱のはずだ。
俺に注意を向けながらもしばらくきのなかったリッシーだったが、俺が10歩ほど歩いたところで杖を持つ右手を橫に上げた。
『クリエイトソード』
リッシーがハッキリと言葉を発した直後、リッシーから30メートルくらい離れた右手側に剣が現れた。
そういやカリンパーティーと戦ったときにもこの魔法を使っていたな。たしか切れ味がいい代わりにかなり脆い剣だった気がするが、なんであんなところに発現させたんだ?
『マジックハンド』
『中級魔法:電』
今度は無詠唱で魔法を使ったようだ。
前衛がいないから何の魔法を使うかをわざわざ知らせる必要もないのになんで魔法名だけ俺に聞こえるような聲量で唱えたのかと思ったが、もしかして最初の呟きは詠唱に見せかけた別の魔法だったとかか?
それとも『クリエイトソード』はスキルで持ってないから詠唱せざるを得なかったのか?だとしたら魔法名だけ聲をデカくする必要ねぇよな?と考えていたら、リッシーが野球のスイングでもするかのように橫に向けて上げていた手を引き寄せて杖を振った。だが、リッシーの手にある杖が屆くような距離ではなッ!?
リッシーのスイングに合わせてさっきの剣が迫ってきた。見えない柄をリッシーが握っているようなきだから、先端に位置する剣の速度はかなり速い。
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屈んで避けるか、跳んで避けるか、退がるか……気づくのがし遅れたせいで、どの避け方をしてもきに合わせて剣の軌道を変えられたら次を避けられない。
…ガントレットでけ止めるのが無難だろう。
ガントレットに多の傷がついちまうが、ラスケルが使った剣と同じならけた瞬間砕け散るからメンテナンスでなんとかなる程度で済むはずだ。
速いとじながらスローモーションに見える矛盾のなかで対処法を決め、左腕のガントレットでリッシーの剣をけた。
その瞬間ガラスが割れるような音とともに剣が砕け散った。だが、ラスケルのときとは違い一つ一つの破片が大きい。しかもなぜかすぐに消滅しない。
破片を避けようと顔を逸らしてみたが、砕けた勢いのままに広がる破片全てを避けるのは無理だ。
せめてもの抵抗として破片に背中を向けて頭を右手で庇いながら下げ、全に力をれて『強化』を発させてみたが、俺のガントレットに傷をつけるような剣の破片をそんなことで防げるわけもなく、破片がれた服や皮はほとんど抵抗しなかったかのように深い切り傷をいくつも殘した。幸いなことに俺の背中をズタボロにしてくれた剣の破片はに殘ることはなく消滅したようだ。
……クソ痛え。
『ハイヒール』
どうやら代わりの加護は消費されていないし、魔法名をいうことができたってことは肺や心臓なんかがやられたわけでもなく、背中の皮と筋だけの被害ですんでいたみたいだ。一応『強化』を使った意味はあったのかもな。
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怪我を治し、アイテムボックスから取り出した新しいシャツに著替えてからリッシーに目を向けたら、リッシーはあわあわとテンパっているようだった。
まぁ訓練してやるとかいってたやつを魔法1発で負かしちまったら、ざまぁと思うか呆れるか慌てるかだわな。
「1戦目はリッシーの勝ちで終了だ。」
俺が両手を上げて負けを認めながら歩いて近づいていったら、なぜかリッシーは困った顔をした。
「あ、あの…ご、ごめんなさい!」
「いや、リッシーでも勝てるようなルールにしてんだから、勝つのはおかしくねぇし、謝るようなことじゃねぇよ。まぁさすがにこんなにアッサリ負けるとは思ってなかったが。」
「ご、ごめ……ち、違います!ごめんなさい!でも、わたしがか、勝てたのはリキさんが手加減してくれたからなので…。」
リッシー的にはいきなり勝っちまったから気まずくて過剰に謙遜してるのかもしれないが、これは訓練なんだから一度勝ったくらいで気まずい雰囲気を作るんじゃねぇよ。これじゃあ俺がヘタなこといったら負け惜しみみたいになるじゃねぇか。
「まぁそうなんだが、相手が手加減してるかなんて関係なく勝ちは勝ちだろ。そもそも手加減なんてやる側が勝手にやってるだけなんだから、やられる側は一切気にする必要がねぇんだよ。実際の戦闘時に敵が手加減するようなら本気を出される前に遠慮なく殺すのが普通だしな。」
「そうなんですか?」
「あぁ。だから勝ったのなら無駄に謙遜なんかしてないで、今のはどこが良かったとかどこを改善すればもっと良くなるかに頭を使え。さすがに訓練のために手加減してる相手に勝って調子に乗ったら痛い目見るからやめた方がいいが、考えて工夫して戦って格上の相手に勝ったことは間違いねぇんだから謙遜するより喜んでおけ。」
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「は、はい!」
話しながらリッシーの目の前まで來てたからさっそく次を始めようかと思ったが、一応今の戦闘を振り返った方がいいか。俺も聞きたいことがあるし。
「じゃあ、あらためて今の戦闘についてし話をしてから次を始めるか。といっても一撃で終わってるからとくに話すこともねぇんだよな。ただ、俺が個人的に聞きたいことがあるんだが、あの剣を生み出す魔法は何だ?前に見た『クリエイトソード』と剣の能や消滅までの時間が違った気がするんだが。…そういや普通は自分の魔法についてはあんま人に話さないんだっけか?ちょっと気になったから聞いただけだし、いいたくないならいわなくてもいいぞ。」
「………………リッシーです。」
「……は?」
俺は魔法で生み出した剣について聞いているのになぜかいきなり自己紹介をされた。
しかも名前はとっくに知っているのに意味がわからん。
「わたしが名前をつけたんじゃないんです!私が狙われて前衛がすぐに來れないときのことを考えて、近接戦でも時間を稼げるようにと『クリエイトソード』の詠唱を改良して、切れ味特化で私がギリギリ振れる重さの剣にしてるんです。一般的な金屬なら切れるほどの剣なので、後衛相手と油斷した相手なら盾ごと切って勝てますし、盾や剣しか切れなくても相手が怯んだり近づくことに躊躇するので、そうしたら前衛の仲間が助けに來てくれるまでの時間が稼げると思って切れ味特化にしてます。でもそうなるとMPの消費が激しすぎるので、耐久を一撃にギリギリ耐えきれるまで下げてその分MP消費を抑えているんです。そしたら、そこまで普通の『クリエイトソード』と違ったら名前が必要だねってカリンさんがいいだして、わたしの魔法だから剣の名前もリッシーがいいねってカリンさんがいったらみんながそれで納得してしまっただけです!」
リッシーが顔を真っ赤にしながらかなりの早口で捲し立てた。
俺が聞きたかったことではなかったが、リッシーの『クリエイトソード』が普通じゃないと聞いて納得した。だから『クリエイトソード』だけ詠唱していたわけか。
「たしかに切れ味は凄まじいよな。一撃で々になる脆さなのに俺のガントレットに傷をつけるんだからさ。しかも今回のは砕けた破片で『強化』した背中をズタボロにするほどなんだから普通に驚いたわ。」
「今回はMPを多めに使って強度を上げたのに変わらず一撃で壊れたのでわたしの方が驚きました……。普通のガントレットならガントレットごと腕を切斷出來るはずなんですけど、凄くいい素材を使ったガントレットなんですか?」
「そうだな。強度だけなら龍の鱗製以上だって武防屋のおっさんがいってた気がするな。整備のために黒龍素材を使わなきゃ能が下がるかもしれないともいってたか。」
「…え?そ、それなら納得です。やっぱり強い人はアクセサリーすら素材に拘っているんですね。」
「アクセサリー?あぁ、そういやサイズが変わるものは全部アクセサリーなんだったな。だが、こいつはアクセサリーでありつつ武の効果もあるように作ってもらったから、俺にとってはこれが武であり防なわけだ。そんなガントレットに傷をつけるんだからリッシーが魔法で生み出した剣はかなりの名剣なんだろう。名剣リッシーだな。」
「や、やめてください!い、いえ、褒めてもらえるのは嬉しいですけど、恥ずかしいです…。」
「リッシーのリッシーっていうより名剣リッシーの方がわかりやすいからいいじゃねぇか。そんじゃあ次を始めるぞ。準備はいいか?」
「え?あ、あの、えっと、は、はい!」
本當に準備できてるのか不安に思うような返事だったが、まぁいいかとリッシーに背を向けて歩き出した。
50歩進んだところで振り返ると、目が合ったリッシーが詠唱を始めた。
まさか全く同じ手でくるつもりじゃねぇよなと思いながら10歩ほど進んだところでリッシーが右手を橫に上げた。
タイミングもきも一緒なんだが、まさかな。
『クリエイトソード』
さっきとほとんど同じ場所に剣が現れた。
同じ手で倒せると思っているならナメすぎだろ。それとも俺がどういう対処をしてくるかを見るつもりか?
『マジックハンド』
ここまでは同じだったが、今度は『中級魔法:電』は使わなかった。そういやさっきの剣には電気を纏ってるじがなかったし、離れた武には纏えなかったのかもな。
さっきと違う點がもう1つあった。
さっきは両手で杖を握ってスイングしていたが、今回は左手で何かを摑む作をして振りつつ、右手で握った杖の先を俺に向けていた。
『グラビティ』
剣はリッシーの左手の作に合わせていているようだ。あの剣にはあまり重さがないのか片手でもさっきの両手スイングとそこまで変わらない速さで俺に向かってきた。
多の違いはあってもさっきとほとんど同じだから、予測出來ていた今回は余裕をもって避けることが出來る。
さっきは咄嗟だったから躱したあとに剣が追ってきたら避けれないとけにまわったが、今回は避けた後に剣の軌道が変わってもさらにギリギリで避けるくらいは出來るだろう。
後ろに退がるのが無難だろうが、歩いて近づくルールなのに退がって避けるを選択肢にれると時間がかかるだろうからと屈んで避けることにした。そのタイミングでリッシーが魔法名をいい終え、『グラビティ』が発した。
屈もうとした瞬間に上から押さえつけられるように重みが増したせいで姿勢が崩れかけた。しかもそれを狙うかのように剣の軌道がわずかに下に向いた。
これが前にソフィアからくらった『グラビティ』だったらまた名剣リッシーでの攻撃をけるしか選択肢がなくなっていたが、リッシーの『グラビティ』はタイミングがジャストすぎてし驚いて姿勢を崩しかけただけで気合をれれば普通にけそうだ。
重力に無理やり逆らうように足に力をれて跳び、剣が通り過ぎる瞬間に右足をばしてブーツの底で踏み砕いた。
著地後はあらためてリッシーに向かって歩き始めた。
リッシーは対処されたことが予想外だったのか、俺が5歩進む間、何もせずに固まっていた。
さっき功したから、さらに工夫を加えれば當てられると思ったんだろうけど、多工夫したところで一度見られた攻撃は避けられると思って次を用意しないとダメだろ。たった50歩分の距離しかないのに5歩分を無駄にするとか、さっき勝ったせいで負けた場合のことを忘れたか?
「あ、えっと…。」
フリーズから再起したリッシーが迷いながらも俺に杖を向けた。
『フレイムレディエイション』
杖の先から炎が噴き出すように現れ、わずかに広がりながら俺に向かってきた。
多橫にズレたくらいでは避けられない範囲攻撃ってのは選択肢としてはありだな。
『上級魔法:風』
風を炎の橫からぶつけるようにあてて、そのまま炎の進路を変えるように風を俺の左手側へと流した。し熱いが風の壁のおかげで火傷するほどではないから大丈夫だろう。
リッシーは次の手を思いつくまでこの魔法で時間を稼ぐつもりなのか、なかなか魔法が終わらない。とりあえずの範囲攻撃を途中途中に挾む攻撃パターンはありだと思うが、自分自の視界を塞ぐ範囲攻撃を使い続けるのは悪手なんじゃねぇか?足止めになってないから俺は止まらず進み続けているけど、たぶんリッシーは足止めできてると思ってる気がする。
これなら炎じゃなくて突風の方がいいだろう。風なら視界は塞がないからな。
覚えていたら後で指摘してやるか。
殘り15歩くらいまで近づいたところで炎の魔法を切ったようで視界が晴れた。
リッシーは最初の地點に立っているみたいだからだいぶ近いな。リッシーが驚いている顔がかなりハッキリと見える。まぁ離れていてもレベルアップのおかげか普通に見えるんだが。
「っ!?」
『中級魔法:電』
リッシーは驚き、なぜか距離を取らずに杖に電気を纏わせて向かってきた。
「我む、敵を貫き磔に処すことを、捧げるは滴る、足止め以上はまず、されど生死に拘りなし、死すれば全てをくれてやる……。」
詠唱なのかはわからないが、ずいぶん騒な言葉を呟きながら杖を上から叩きつけるように振り下ろしてきたから、左手で外にけ流し、右手をリッシーの脇腹に添えて橫にしずらした。まだ印のところまで歩いていないから攻撃はできないし、進路上にいられたら邪魔だからな。
リッシーと橫並びになったところで俺は振り向きつつ後ろ歩きに変更し、リッシーが掬い上げるように振り上げてきた杖をクロスで構えた腕でけ、弾いた。
どうやらガントレット越しなら多れても電はしないみたいだな。
リッシーは勢いに負けて數歩退がったが、転けることはなく、詠唱だと思われる呟きも続けていた。これが詠唱じゃなかったらずっとぶつぶつと呟いていてヤバいやつだな。
「…わずかな隙間すらも通す細さを!鉄をも貫く度を!敵を磔に処しても折れぬ強度を!逃げ場を埋める數を!」
リッシーが呟きから意思を込めるような言葉へと変えながら飛びかかってきた。
また杖を振り下ろして叩きつけるだけだったから、同じように左手で外にけ流したら、著地したリッシーが不自然に後ろに跳んだ。
バランスを崩したわけではなく、これは距離を取ったんだろう。ってことはそろそろ魔法がくるわけだな。
『アースニードル』
予想通りのタイミングで発され、危険な気配が膨れ上がった。
地面から勢いよく突き出してきた1本目を蹴り砕き、2本目を毆って破壊し、3本目を避けながら下から掬うように毆って折り、4本……いや、キリねぇよ。
次々と生えてくる棘を1本1本対処するのはやめ、足に力を込めてPPも消費しつつ上へと跳んだ。
歩く以外で前に進むのはルール違反だからと上に跳んだが、よくよく考えたら橫に跳べばよかったな。べつに橫移しても最初の地點までの距離は変わらねぇからルール的にも問題ないだろうし。まぁ今さら遅いか。
『グラビティ』
どう対処しようかと考えていたら、また『グラビティ』をかけられたせいで上昇が止まった。考える時間を強制的に終わらせられちまったな。
まぁリッシーに直接攻撃にならなければいいんだし、スキルを使うか。
『上級魔法:磁力』
『會心の一撃』を溜めれば十分かなと思っていたら、追加で魔法を使われ、棘に引き寄せられるように落ちる速度が増した。『グラビティ』もかかっているから、落ちるまでの間にスキルを溜める時間がほとんどねぇと思い、溜めずともそれなりの効果のある『一撃の極み』を両手に発した。
ほんのわずかに溜めたスキルを解放するように1番近い棘を右手で毆りつけたら、毆った威力のせいか落下が止まって空中で一瞬靜止した。
遅れて風がおこり、數本の棘が砕け散ったが、毆った棘が細すぎたせいか力があまり伝播してくれなかったようだ。だから、殘りの棘に刺さらないように空中でを捻って避けながら著地した。
地面に著地と同時に左手で地面を毆って溜めていた『一撃の極み』を解放すると毆った位置を中心として2メートル程の地面が砕けて凹んだ。
この衝撃も棘には伝播してくれなかったようで、地面の支えがなくなった棘が俺の方に倒れてきた。
さっきから思うようにいかねぇな。
『上級魔法:風』
リッシーへの攻撃にならない程度の威力に抑えて風を俺から外に向けて発生させ、棘だけを外に向けて倒した。地面から抜けてしまえばたいした脅威ではないからな。
『クリエイトソード』
あらためて歩きだしたところで嫌な魔法名が聞こえた。
そういやさっきまで杖で攻めてきていたのに棘を出したあとに2つの無詠唱魔法を発してからは何もしてきてなかったな。その間に詠唱していたわけか。
俺の目の前に現れた剣をリッシーが摑もうと飛びかかってきた。
……?
なんで摑んだ狀態じゃなくて俺の目の前に発現させたんだ?
たしかに俺が気づいたときにはリッシーの方が剣にわずかに近かったが、手の屆く地點にあれば余裕でリッシーより先に摑めるんだが。
この剣を上から叩きつけられるとけ流しても砕けて、破片でまた怪我をする可能があるから、リッシーが摑む前に俺が柄を握ってし離れた場所の地面に投げつけて砕いた。
そのまま後ろ向きで歩いて最初の地點に近づく。
剣を摑めなかったことでバランスを崩し、たたらを踏んでいたリッシーが焦ったように近づいてきて杖を出鱈目に振り回してきた。
ここにきて必死になっても遅いというか、危機的狀況だからこそ使えるものは全て使うべきだろうに魔法を捨ててどうすんだよ。
まぁ、何度か痛い思いをするうちに慣れてテンパらなくなるだろう。
リッシーの杖をてきとうにけ流しながら後ろに歩き、最初に引いた線を越えた瞬間にを前に倒し、杖を振り下ろし終えていたリッシーのを腕ごと抱きしめた。
「あっ…。」
リッシーがらした聲は諦めなのか驚きなのか、それとも何かを思い出しただけなのか、どんな意味なんだろうなと考えながらリッシーを持ち上げ、抱きしめた。
「ぐっ…ガッぁぁぁぁぁぁぁぁああああ……。」
腕の中でいものが次々とズレていくような音が響き、何かを潰したような覚がしたところで抱擁を緩めた。
「…ゴポッ。」
肩に生溫かい覚があり、嫌な予を覚えながら見ると予想通りに俺の肩が汚されていた。まぁ朝飯食ってからそんなに時間が経ってねぇから仕方ねぇとは思うが……マジかよ…。
もしかしたら臓を潰しちまった可能があるかもだし、早めに治した方がいいだろう。
『ハイヒール』
腕の中でリッシーのズレた骨が元に戻ろうとしている覚が伝わってくるが、『ハイヒール』一回じゃ治りきらなそうだな。
『ハイヒール』
『ハイヒール』
『ハイヒール』
「…どうだ?」
治した後にとりあえず地面に立たせたら、リッシーが拘束から解放された両腕を上げ、俺のシャツを摑みつつに頭突きしてきやがった。
訓練再開してねぇのに即座にやり返すとかいい格してんなと思ったが、どうやら攻撃ではなかったっぽい。……ガチ泣きじゃねぇか。
震えているし、予想以上に怖かったんだろうが、その恐怖を植え付けた俺にしがみついてくるのは意味がわからん。普通は離れたくなるもんじゃねぇのか?
まぁ大怪我を負ったのが初めてなら怪我を負う覚に恐怖するのはおかしいことじゃねぇし、せめて泣き止むまではこのままにしてやるか。
『上級魔法:水』
アイテムボックスから取り出した石鹸を魔法の水の中で泡立たせ、とりあえず汚れた肩だけは臭いが染み付く前に綺麗にした。
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