《異世界転生で神話級の職業!死の神のチート能力で転生》33バランと言う男

バランが倒れた瞬間。二人は同時に振り返り、優に視線を向け

「「おい!大丈夫か!?」」

と同時に聲をかけ歩み寄る。

慌てた様子の奈が走ってくると優の傷口を直そうとするが、すでに傷は塞がっていた。

それを見てか、さすがに限界だったのだろう。冬馬と一は、ほほ同時に地面に倒れた。

奈「ま、待ってろ!すぐに治すぞ!」

と、奈が二人に近づいた瞬間だった。

「おい。し付き合え」

と、頭上から発せされた聲に反応し、飛び起きる。

バラン「。その二人を遠くまで運べ」

バランが、そう言うと、肩で息をしながら優を見て、顎だけで指示を出した。

バランは傷口を抑えながら歩くと、木に背を預けるようにして座った。

「…俺らの國は負けた。」

唐突な言葉にバランを方を見た。

「…何人生き殘ってるのかわからねぇ」

バランは覇気なく空を見上げながらそう言った。剣を杖代わりにして立った。

「お、れは!これぐらいのことしかできねぇ…!剣を構えろ。」

そう言って必死の形相でこちらを睨む。

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バランのに雷が纏うようについている。

そして、靜かに剣を構えた。

そんな中バランはふと昔のことを柄にもなく思い出した。

ボロボロの服に、ボサボサの髪の、刀を一本。生きるために殺した。それが仕方のないことだと、納得して生きてきた。職業が勝手に決まる人間とは違い、魔族の世界は悲しいほど力がものをいう。

男が一人のを蹴っているのを見つけた。子供は痩せ細っていてとても食べれるものではなかったが、男はそこそこ筋質で食べ応えがありそうだった。

刀を靜かに振り下ろした。は、驚いたようにこちらを見ていた。怯えや恐怖の眼差しだ。それらを無視して、男を人目のないところに運び殺して食っていると

「おいお前、何をしている?」

「あぁ?」

黒と赤で彩られたドレスを著ている場違いな格好をしたが聲をかけてきた。そんなイメージだった。

金になりそう。そんな風に考え、刀を構えた。

結果から言えば負けた。

自分は倒れ、空を見上げていた。こんな殘酷な世界でも、空に浮かんでいる星だけはっていた。

「なんだ?お前星が好きなのか?星などっているだけだぞ。」

そんなこと言われずとも分かっていた。

「そんなんじゃねぇよ」

エリザベートはこちらをじぃーっと見おろすと

「先程、あの男を殺していたが、お前もしかして…いや、やめておこう。

おいお前、私の部下になれ。」

「は?」

意味が分からず顔だけを上げてエリザベートの方を見た。

「この世界を変えてやる手伝いをさせてやると言っているのだ。」

エリザベートを見て何を考えてるんだ?と思うが、頭はいい方ではなかったため、よく分からなかった。

「先のそいつを殺した時よりも私と戦ってる時の方が楽しそうだったぞ。」

「…」

「選ばせやる。生きて私に従うか。死ぬか。どっちだ選べ。」

そう言うことなら話は早かった。自分は生きるために戦ってきたのだから。

エリザベートの言うとおりだった。強者との戦いはが踴ったが、弱い奴が相手となると全く楽しめなかった。

別に忠誠心なんてものははなからねぇ。エリザベートについて行ったのも仕方のないことだった

だけど、俺の居場所は全部壊されちまった。壊されて始めてそこそこ大事だって俺でも思えた。

「俺の名はバラン!死ぬ最後の瞬間まで刀を振り続ける!小僧ォォ!行くゾォォォ!」

バランの咆哮があたりに響く。雷を纏った今までで一番と言っていい魔力の渦をじる。

優は鎌を構えると能力強化を付與した。

「アァァァァァァ!」

俺にはこれしかねぇ。なのにエリザベートは、敵への攻撃に俺をれずに、こいつの元に俺を向かわせた。

俺は、バカだが、この命令の意味ぐらいわかる。

つまりはこいつのために死ねってことだ。ヒデェ命令だが、不思議と抵抗はなかった。それが自分にとってしっくりくるものだったから。そこのところをエリザベートは見抜いていたのかもしれない。

俺は自分のためにじゃなくて、、誰かのために…

バランは振り下ろす瞬間ニィっと笑うと誰にも聞こえない小さな聲で言った。

「ありがとよ」

夜の森の中に眩しい音が響き渡った。

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