《顔の僕は異世界でがんばる》狡猾な冒険者 6
人は地に足つけて生きるべきだと思う。というか、地に足つけてないと生きられないのだ。
浮足立つやつは、なんか落ち著かないからモテない。つまり子孫を殘せないから絶滅しちゃう。
浮いてるものは滅ぶ。
きわめて論理的に証明された。
ちなみに、ソースは空飛ぶ幻の島。
ほら、某空ガールも言ってたじゃないか。
『土にをおろし、風とともに生きよう』
土がなければ生きられないのである。
まぁ要するに。
お空飛ぶのマジ恐怖。
「はぁっ……はぁっ……」
僕は今、目的のしい湖畔に向かって盛大に胃の容を散布していた。栄養たっぷりだから、水中にすむ生の発育に良い。
何のためらいもなくその湖の水をがぶ飲みするワイバーンにとりあえずお禮を言い、使い魔ーズを呼び出し、早速魔の駆除を開始した。
プネウマから距離のあるこの湖に來たのは、ここら一帯で魔が大量発生しているという話を、今朝ハンナさんから聞いたからだ。
大量発生自は、珍しいことじゃない。
Advertisement
最近になって急に増えたらしいけど、今は日常茶飯事だ。
だからここより好條件なところはいくらでもあったけど、できれば人がない場所を選びたかった。
大量発生の駆除依頼は、出來高制だ。何匹倒せたかによって報酬が変わる。
だから、一人であまりにも多くの魔を倒してしまえば、他の冒険者の顰蹙を買うことになってしまう。
イザコザはホント勘弁です。
異世界に來てまでお砂糖たっぷり砂糖水の如く、どろどろな人間関係は嫌だ。特に僕みたいな微生的人間には、生きにくいことこの上ない。
濃度六十五パーセントを越えたら死んじゃうんだぞ。ちゃんと配慮してほしい。
とにかく、なるべく人気のない大量発生を斡旋してもらっている。
人気のある、というのはつまり報酬の高い依頼であり、必然それは急の高いもの――たとえば村や町の近くでの駆除が中心になる。
だから僕は人里離れたところで、報酬のない厄介な魔を相手にすることになった。
Advertisement
それでもあるだけマシだ。
不謹慎な話だけど、大量発生が大量に発生してくれているおかげで、懐もエネルギーも潤っている。
他の冒険者たちが忙しい分だけ僕が得するとかマジ飯ウマ。
人の不幸はの味、おーわです。
冗談はともかく、大量発生はこの數週間で急激に増加していて、被害も尋常じゃなくなってきているらしい。
とくに辺境の村などでは半壊滅狀態に陥っているところもあり、盜賊や奴隷の増加と言った深刻な社會問題を引き起こしている。
盜賊は言わずもがな、奴隷の増加は國家的には稅金収の減に、人的には値崩れによる奴隷の地位低下、つまり使い倒しの促進につながっているという。
いくら人権がないとはいえ、さすがに問題視する聲も上がってきているとのことだ。
僕も人助けに參加した方がいいんだろうか。
なんて、柄にもないことを考えかけて、首を振る。
いやいや、自分との問題すら解決できてないくせに、何を思い上がったこと考えてるんだ。
正義気取れるのは圧倒的に強いやつだけ。
そんなこと、小學校高學年の段階で思い知らされるだろうが。
スクールカースト最高位にのみ主人公的セリフは許される。
もし最底辺が『いじめはやめろ!!』などと言ってみろ。笑われていじめの標的にされ、挙句庇ったやつにまでいじめられること請け合いだ。
ソースは略。
宗太君、君のことは忘れない……いつかきっと倍返しだ!
などとだらだら考えつつ、片手間に駆除していく。
この湖畔は林の中にあり、水中の魔と林の魔、二種類に対応する必要がある。
けれど魔自は強くない。というか雑魚。
ハンナさんにこっぴどく叱られたから、とりあえず今日くらいはDランク相応の依頼をけることにしたけど、やっぱ退屈だ。
ワイバーン兄貴の加でさらに殲滅速度上がってるし、僕がかなくても全滅させられるだろう。
今日は一日、訓練に充てようか。
ピクシーを脇にはべらせ、袋からくず鉄塊を取り出した。
くず鉄はリュカ姉に紹介してもらった鍛冶屋のおじさんからちょくちょくもらっているもので、日々その積を増やしている。
今や総重量五十キロにも及び、巾著袋の容量的に限界が近いから、そろそろ新しい袋買うべきだろう。
目標は一トンくらい? 金屬をストックしておけば、いつでもどこでもすぐ武にできる。
あればあるほどいいから、今後もこの鉄塊は育てていこうと思う。
ピクシーは警戒兼モチベーション対策の役を擔っている。
訓練はひたすらに鉄塊をぐにぐにといじくってるだけだから、どうしても単調になりがちだ。
するとどうなるか。
採掘の時の二の舞……訓練⇒悪夢⇒悶絶⇒訓練のヘビーローテーションが発生してしまう。
そのローテーションは重すぎる。ヘビロテが許されるのはかわいい子だけ。かわいいは正義。
そこでピクシーだ。
ピクシーには時折モデルの役をやってもらう。ピクシーにかわいいポーズをとってもらい、その像をつくるのだ。
目の保養にもなって、訓練にもなる。上手くできればピクシーが喜んでくれるからやる気も上がる。
まさに一石三鳥。目からうろこ!!
我ながら素晴らしいアイデアだ。ただ一點問題があるとすれば、失敗した時のピクシーの殘念な顔だ。
あれは神ダメージが大きすぎる。
「じゃ、じゃあピクシー、次は後ろ向いてお突き出して……」
ピクシーにちょっとエッチなポーズをとらせ、黙々と像を作り続ける。
すでにできた像の數は十を超えていた。
ピクシーにどんなポーズをとらせても、文句を言ってくるやつはいない。
だから々過激にもなる。
それでも一線を越えない僕、ホント紳士。言い換えると草食系。字面からしていかにも健康そうな、健全男子である。
使い魔たちは、従順すぎるほどに、僕を無條件で慕ってくれている。
それはとてもうれしいことなんだけど、同時に怖くもあった。
與えられるばかりで何も返せないというのは、見限られることへの恐怖をもたらすんだ。
今ならヨナの気持がわかる気がした。
片依存の果てを恐れて、僕は彼らが従屬する理由を時折考える。
なぜ、君たちよりはるかに弱い僕なんかを慕ってくれるんだ?
その答えは僕が考えたところで、きっと推測の域を超えないだろうけど、でも思ったことがある。
恩返しも何もできない僕が唯一できるのは、僕自が仕えるに値する強さとを得ることだけだ。
「……完っと。どうだピクシー?」
パンツの皺一本一本まできっちりと再現し終えてピクシーに尋ねると、うれしそうな顔して宙返りし、人形の隣で同じポーズとったりして喜んでくれる。
飽きもせず、よく付き合えるよなこんなこと。
健気な妖の頭をうりうりとで、晝休憩をとることにした。
いつものサンドイッチを食べながら、ウィルムとシャドー、それから三日前新しく召喚した緑のゲル狀モンスター<アシッド・スライム>を呼び戻した。
ウィルムはいいとして、シャドーとスライム。
この二匹には薬草の類を採集してもらっている。
シャドーにはよくある薬草の一つ<ナヤギ>を採取してきてもらっている。
これはわかりやすい上にどこにでも生えていて、しかも鎮痛作用のある薬の原料として重寶する、とても優秀な雑草だ。調薬レベルが低くても加工できるため、練習材料にもってこい。
いわゆる<薬草>とはこれを指している。
「シャドー、よくやった。午後も頼むな」
大量の雑草を抱えた靄を褒め、草を回収して、スライムの方を見る。
そのぶよぶよのの中に、とりどりの花や草、っこが収納されているのが見てとれた。
「……いろいろ集めてきたなぁお前」
アシッドスライムには、毒草を採取してもらっている。
こいつらは戦闘能力こそ皆無だが、様々な毒を取り込んで長するという特殊能力があり、治療にも使われる珍しい魔だ。
毒草にしろ薬草にしろ、トーシロの僕が採取するのは難しすぎる。この世界には寫真が無いため、スケッチされた絵を見て判斷するしかないから余計にそうだ。
誰かに教えを乞うてもいいけど、それなら金を稼いで買う方がいい。僕は別に薬剤師を目指してるわけじゃないし。
そこでこいつの出番だ。
能力を生かして毒草をかぎ分け、片端から集めてきてもらう。それと図鑑を照らし合わせたり調薬で分を調べたりして、使えそうなものを選定するのだ。
毒草を集める理由の一つは、『毒薬変じて薬にもなる』から。
わざわざ苦労していろんな薬草ばかり集めるよりは、スライムで簡単に集められる毒草の中から有用なのを見つけて薬を作った方が、<調薬>の訓練になると思ったのだ。
それに、萬が一毒を盛られたときに対処できるよう、知識と薬のストックは多いほうがいい。
まぁ薬草から作られるありがちな薬は買えばいいし。
そして二つ目。というかこっちが本命だったりする。
僕はいずれ<毒薬調合>のスキルも手にれようと思っている。
錬薬とのコンボ、つまり対処不能な毒薬は武になるからだ。
これは<錬薬>が使いになるレベルになるまでおあづけだが、それまでにできる限り毒草はストックしておくべきだろう。
アシッドスライムのからデロっと大量の草花が吐き出された。
汚処理係アプさん出。
収納のこと、真剣に考えなくちゃな。
山盛りの獨走を見て毒草を見て、心もとなくなってきた収納袋に頭が痛くなった。
高いんだよなぁ、これ。
スカイリア〜七つの迷宮と記憶を巡る旅〜
空に浮かぶ世界《スカイフォール》に暮らす少年ナトリは生まれながらに「飛ぶ」ことができないという致命的な欠陥を抱えていた。 王都で配達をこなす変わり映えのしない日常から、ある事件をきっかけに知り合った記憶喪失の少女と共に、少年は彼女の家族を探し出す旅に出る。 偶然に手にしたどんなものでも貫く特別な杖をきっかけに、彼は少女と自らをのみ込まんとする抗いようのない運命への叛逆を決意する。 やがて彼等の道行きは、世界に散らばる七つの迷宮に巣食う《影の軍勢》との世界の存亡を懸けた熾烈な戦いへと拡大していくのであった。 チートあり魔法ありダンジョンありたまにグロありの王道冒険ファンタジー、の予定です。 ※三部構成第一部完結済み
8 183妖刀使いがチートスキルをもって異世界放浪 ~生まれ持ったチートは最強!!~
あらすじ:主人公の両親は事故によって死んだ。主人公は月影家に引き取られそこで剣の腕を磨いた。だがある日、謎の聲によって両親の事故が意図的に行われたことを教えられる。 主人公は修行を続け、復讐のために道を踏み外しそうになった主人公は義父によって殺される。 死んだはずの主人公を待っていたのは、へんてこな神様だった。生まれながらにして黙示録というチートスキルを持っていた主人公は神様によって、異世界へと転移する。そこは魔物や魔法ありのファンタジー世界だった。そんな世界を主人公は黙示録と妖刀をもって冒険する。ただ、主人公が生まれ持ったチートは黙示録だけではなかった。 ※★星がついている場所には挿絵があります! アルファポリスで重投稿してます。
8 198邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜
武術、勉學、何でもできる主人公がVRMMOで邪神と好き放題楽しんでいく小説です。 チートマシマシでお楽しみください。 作者の辭書に自重と言う言葉はない(斷言) 処女作、毎日投稿です。色々間違っている所もあると思いますが、コメントで感想やご意見いただければ勵みになるので是非お願いします。 作品への意見なども大歓迎です。 あと誤字多いです。御容赦ください。 注意 この作品には頻繁?に書き直しや修正が発生します。 作品をより良くするためなのでご容赦を。 大きな変更の場合は最新話のあとがきにて説明します。 Twitterハジメマシタ! ユーザーネーム「クロシヲ」でやってます。 ID的なのは@kuroshio_novelです。 コメントは最新話にてお返しします
8 61チート能力を持った高校生の生き殘りをかけた長く短い七日間
バスの事故で異世界に転生する事になってしまった高校生21名。 神から告げられたのは「異世界で一番有名になった人が死ぬ人を決めていいよ」と・・・・。 徐々に明らかになっていく神々の思惑、そして明かされる悲しい現実。 それら巻き込まれながら、必死(??)に贖い、仲間たちと手を取り合って、勇敢(??)に立ち向かっていく物語。 主人公の嘆き 「僕がチートって訳じゃない。眷屬がチートなだけ!僕は一般人!常識人です。本當です。信じて下さい。」 「ご主人様。伝言です。『はいはい。自分でも信じていない事を言っていないで、早くやることやってくださいね。』だそうです。僕行きますね。怒らちゃうんで....」 「・・・・。僕は、チートじゃないんだよ。本當だよ。」 「そうだ、ご主人様。ハーレムってなんですか?」 「誰がそんな言葉を教えたんだ?」 「え”ご主人様の為に、皆で作ったって言っていましたよ。」 「・・・・。うん。よし。いろいろ忘れて頑張ろう。」 転生先でチート能力を授かった高校生達が地球時間7日間を過ごす。 異世界バトルロイヤル。のはずが、チート能力を武器に、好き放題やり始める。 思いつくまま作りたい物。やりたい事をやっている。全部は、自分と仲間が安心して過ごせる場所を作る。もう何も奪われない。殺させはしない。 日本で紡がれた因果の終著點は、復讐なのかそれとも、..... 7日間×1440の中で生き殘るのは誰なのか?そして、最後に笑える狀態になっているのか? 作者が楽しむ為に書いています。 注意)2017.02.06 誤字脫字は後日修正致します。 読みにくいかもしれませんが申し訳ありません。 小説のストックが切れて毎日新しい話を書いています。 予定としては、8章終了時點に修正を行うつもりで居ます。 今暫くは、続きを書く事を優先しています。 空いた時間で隨時修正を行っています。 5月末位には、終わらせたいと思っています。 記 2017.04.22 修正開始 2017.02.06 注意書き記載。
8 61最弱の異世界転移者《スキルの種と龍の宿主》
高校2年の主人公、十 灰利(つなし かいり)は、ある日突然集団で異世界に召喚されてしまう。 そこにある理不盡な、絶望の數々。 最弱が、全力で這い上がり理不盡を覆すストーリー。
8 94歩くだけでレベルアップ!~駄女神と一緒に異世界旅行~
極々平凡なサラリーマンの『舞日 歩』は、駄女神こと『アテナ』のいい加減な神罰によって、異世界旅行の付き人となってしまう。 そこで、主人公に與えられた加護は、なんと歩くだけでレベルが上がってしまうというとんでもチートだった。 しかし、せっかくとんでもないチートを貰えたにも関わらず、思った以上に異世界無雙が出來ないどころか、むしろ様々な問題が主人公を襲う結果に.....。 これは平凡なサラリーマンだった青年と駄女神が繰り広げるちょっとHな異世界旅行。 ※今現在はこちらがメインとなっております ※アルファポリス様でも掲載しております
8 144