《チートスキルはやっぱり反則っぽい!?》チート! 003 旅立ちと言う名の家出!

12歳になりました。

ファイフォーレン家の長でシーロの姉が嫁に行ったのだが、シーロは式に出席を許されなかった。

シーロ以外の家族は全員式に出席しており、シーロの心は非常に複雑なものだったが、前世でもボッチだったし慣れっこだから良いのだと心の中で泣くシーロだった。

そもそも姉と長男は父親似の赤、次男は母親似の青い髪、シーロは黒髪でしかも黒目なので家族の中では完全に浮いた存在だというのは薄々気付いていた。

しかし、たったそれだけの理由でシーロは両親からも兄姉からもハバにされているのかと思うとけなくなってしまう。

他には長男がベルゲン王國の騎士団に騎士見習いとして団をし、次男は學校の寮にっており、來年卒業予定だという話だ。

本來ならシーロも學校に學する年齢だというのにそういう話はまったくない。

そこまで自分を嫌うのかとも両親を侮蔑の目で見てしまう。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

シーロは10歳の頃から朝から晝まで庭で剣を振っており、【チート】の方はMPを増やすのに力をれつつ他の能力もそれなりに上げる。

今のステータスを確認する。

■ 個人報 ■

シーロ・ファイフォーレン

人族 男 12歳

貴族(ファイフォーレン男爵家三男)

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■ 能力 ■

HP:486/486

MP:1,512/1,512

STR:300

VIT:300

AGI:200

DEX:200

INT:500

MND:300

LUK:200

■ ユニークスキル ■

チート

■ ウルトラレアスキル ■

解析眼Lv10

時空魔法Lv10(NEW)

■ スーパーレアスキル ■

MP値増加200%

HP値増加50%

雷魔法Lv10(NEW)

■ レアスキル ■

Lv10

空間把握Lv10(NEW)

危機知Lv10(NEW)

剣士Lv10(NEW)

■ ノーマルスキル ■

気配知Lv10

魔力知Lv10

強化Lv10(NEW)

■ 狀態 ■

エクリプ神の加護

■ 稱號 ■

世界を渡りし者

8歳の頃から毎日欠かさず積み上げた結果ではあるが、【チート】が良い仕事をしている。

そして気付いたら『児』が消えており、世間では人と見なされる年齢となっている。

ある意味この『児』は呪いに近いのかも知れない。

今はまだ子供なのだから大人しくしておけと言う神様からのメッセージなのだと、シーロはそう考える。

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そして通常なら剣を振っていれば【剣】か【剣士】スキルを覚えるはずだが、シーロは2年もの期間剣を振り続けてもスキルを覚える事ができなかった。

だから最後には【チート】を発し【剣士】を取得すると言う裏技を使っている。

才能が無くても【剣】スキルのレベル1程度は誰でも覚える事ができると本に書いてあったのでチョッピリ悲しんでいたシーロだった。

恐らくシーロは【チート】の副作用として他のスキルの取得が難しくなっているか、努力しても取得できないのではないだろうかと考えている。

因みに【剣士】はレアスキル、【剣】はノーマルスキルで【剣】と【】という2つのノーマルスキルを一定レベルまで上げる事で【剣士】が発現すると言われている。

@解析眼

鑑定系の最上位スキル。

鑑定<解析<鑑定眼<解析眼がありレア度が鑑定レベル10が解析レベル1と同位と言われている。

@時空魔法

空間魔法、時魔法の上位魔法であり、時間と空間をる魔法で使用者は極めてない。

@MP値増加200%

MPの上限値をプラス200%する。

@HP値増加50%

HPの上限値をプラス50%する。

@雷魔法

雷をる魔法で使用者はない。

@隠

気配や魔力を隠蔽し自分の存在を薄くする事で行を認識されにくくなる。

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@空間把握

周辺の地形が3D表示で頭の中に表示される。

また、知系のスキルと併せて使用する事で知したものと地形を同時に表示できる。

@危機

自分に対し敵意を持つもの、敵意がなくても危険なものを知する。

@剣士

剣を使った戦いに長けた者で、剣スキルが共にレベル5になれば発現する事もある。

@気配

周囲に存在するものの気配を知しやすくなる。

@魔力

周囲に存在するものの魔力を知しやすくなる。

強化

能力を底上げする。

底上げする能力はSTR、VITで補正値はレベルに依存する。

ファイフォーレン家に居れば食住には困る事はないが、人としてみとめて貰える年齢となった事でシーロは外に出たいと思っている。

この家に居てはいつまでも外に出る事は葉いそうにない事から家を出ようと思っているのだ。

數ヶ月前から家の者には分からないように家出の準備をしずつしていたシーロはいつでも家を出る事が可能であり、いつまでもこのような家に居る理由もない。

屋敷の倉庫には數打ちの剣や盾にサバイバルキットなどに非常食もあり【時空魔法】で作った『ストレージ』に放り込んである。

流石にお金は持っていないので家出した時に売れればと思い著替え用とは別に販売用の服を貰っていく事にしている。

一応、下級とは言え貴族なのでそれなりに上の服を著ており、そこそこの値で売れるだろうとシーロは考えている。

そして明日、古著屋が開く午前9時に家を出ようと計畫を立てているのだ。

一応、この世界で唯一世話になった2人のメイドに迷が掛からないように書き置きも忘れず用意してある。

『父上様、母上様

本日、この良き日にシーロは旅立つ事に致しました。

12年もの長い間、大事に育てて頂き謝の念に堪えません。

また、お世話になるばかりで恩返しもせず家を出る無禮をお許しください。

しかしシーロは外の世界が見てみたいのです。

できることならこのような別れをしたくはありませんでしたが、シーロの我が侭をお許し下さい。

シーロには夢がありその夢に向けて自分を磨く所存で座います。

また、どこに行っても家の名を出すつもりもありませんので安心して下さい。

では、おに気をつけて末永くお元気でいて下さい。

王國暦633年3月9日

シーロ・ファイフォーレン

捜さないで下さい。』

手紙など前世を含めて書いた事ない為に書き方が分からないシーロであったが、意味が通じれば良いだろうと文章は簡単にし、ついでに嫌味を込めておく事も忘れなかった。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

旅立ちの朝、予定通り木剣を持って庭に出る。

午前中は毎日木剣で剣の稽古をするのが日課なのでメイドたちもそんなシーロを放置する。

この隙をって【時空魔法】の『転移』で屋敷の外に移し古著屋に行き服を売る。

子供なので足元を見られたはあったが合計で大銀貨4枚、銀貨4枚、大銅貨9枚を手にれた。

貨幣は銅貨が最小単位で次いで大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨、白金貨、黒金貨があり、10倍ずつ価値が上がって行く。

銅貨1枚で1レイルと言う貨幣価値で、パン1個が大銅貨1枚(10レイル)から買えるとシーロは聞いていたので暫くはお金に困る事はないだろう。

シーロは王都で冒険者ギルドに登録はしないと決めている。

理由は簡単で母親のお膝元で登録などありえないと考えているのだ。

その為に別の街まで移し冒険者登録をするつもりだが、先ずは王都を出なければならない。

王都は城壁に囲まれており門には兵士が詰めており、門の出りをする者を必ずチェックしている。

シーロはチェックされると確実に面倒事が起きるだろうと予想しており、面倒事を避ける為にも『転移』で城壁を越える事にした。

その後も転移を繰り返し別の街まで歩いて半日ほどの草原に到著したのでここからは歩いて行く事にする。

草原からし北に行くと踏み固められただけの未舗裝の街道とは名ばかりの道があり、商人や旅人が行き來するのが遠目に見える。

取り敢えず街道に出ようと歩き出そうとしたら【空間把握】に敵意を持つものの反応があり急速にシーロに近付いてくるのが分かった。

【空間把握】の範囲は200mほどにしており暫くすると狼の魔がシーロを包囲するように現れた。

狼の數は6匹だが、初陣と力の確認には丁度良い相手だと考えシーロは剣を抜き迎え撃つ事にした。

初めての戦闘ではあったが不思議と恐怖はじない。

前世でも週末は山にってサバイバルをしていたので何度もナイフだけで野犬などと戦った事もある。

しかし當然と言えば當然なのだが、狼の魔は日本の野犬より二回りはが大きい。

そして野犬よりも高い能力を持っており、群れで連攜をして獲であるシーロを狙う。

シーロの初戦は一瞬だった。

シーロのがブレタと思ったら次には狼たちの首が綺麗に空中に飛んでいたのだ。

狼たちは何をされたのかも分からずにこの世での生を終え、そしてキラキラとを放ち姿を消す。

「魔は絶命すると死を放ち消えて行き、その時にはアイテムがドロップするって本で読んでいたけど本當の事だったんだ」

の後には狼の皮が6枚と狼の牙が3個落ちていた。

狩りをする側としては解しなくても良いので楽だと思うが不便もある。

しくて倒したらが殘らずキラキラと消え去ったら苦労して狩ったのに滅るだろう。

シーロは今回の戦いで自分の戦闘能力についてそれなりに高く評価をした。

これも【剣士】スキルを所持しているからではあるが、それを含めても初戦でよくいたと冷靜に自分を分析するシーロだった。

(もしかしたら前世で獣たちを狩っていたのが良い方向に向いているのかな?)

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

さて、目的の街が見えてきた。

この街にも塀があり門番らしき兵士がいる。

門の前には商人ぽい人や旅人ぽい人が並んでおり、兵士が何かを確認しているが今回は転移で塀を越える事はしない。

この街で冒険者登録しようというのに不法侵したなんて分かったら面倒が起きるのは目に見えているからだ。

だからシーロも列に並んで順番待ちをする。

兵士たちのきを見ていたが商人に対しては分証と荷の確認をし、旅人風の人には分証だけ確認しているようだ。

現在、シーロは分証を持っていない。

家にされていたのだからシーロには分証が必要なかったのだ。

分証を提示するように」

「すみません、分証を持っていません」

シーロの服は王都の服屋で旅人風のに変えているので兵士はシーロの容姿を見て旅人だと思ったか、分証の提示だけを要求してきた。

分証がないとここでステータス確認を行うが、それには銀貨1枚が必要だ。金は大丈夫か?」

「はい、何とかなりますのでお願いします」

シーロは兵士に連れられ詰所の中にって行く。

小部屋に通され暫く待つと先ほどの兵士が掌サイズの丸い水晶をシーロの目の前に出し銀貨1枚を要求する。

そして手を翳すように促されたシーロが水晶に手を翳すと水晶はしだけ青っぽく発する。

「うむ、犯罪歴はないな。ようこそカウラニの街へ。これが通行書だが一度でも門をくぐると効力を失効するから気を付けるように」

「有難うございます」

詰所から出たシーロは兵士に聞いた道を辿って冒険者ギルドに向う。

冒険者になればギルドが発行する分証も手にるし冒険者は他國への渡航も簡単なので世界中を旅して回りたいと思っている。

せっかく異世界に來た以上は楽しみたいと思うシーロだった。

暫く歩き途中で晝ご飯代わりに店でトルティーヤのようなと野菜が薄目の小麥の生地で巻かれた食べと果のジュースを買って口にする。

トルティーヤの方はの味がしっかりしており、野菜の爽やかな香りとあいまってそこそこ味しいし、果のジュースはアップルジュースだった。

更に歩き冒険者ギルドのギルド會館を発見する。

印象としては日本で言う地方の役場のような建だ。

地下があるかは分からないし、奧行きも外観だけでは分からないが、地上4階建ての建は橫幅もあり他の建と比べるとはるかにデカイだろうと予測できる。

ギルド會館のり口をくぐる。

り口は2ヶ所あり、シーロは向って右側のり口をくぐり、このり口で正解だと思うのだった。

左側のり口は酒場への直通のり口でムサイ男たちとゴツイ姉さんたちが何人も酒を呷っているからだ。

そんな酔っ払いの中にシーロのような見た目が可い男の子がっていったら絡まれる事は確実だ。

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