《チートスキルはやっぱり反則っぽい!?》チート! 006 鍛冶師デリンボ!

小鬼や狼の駆除と薬草を卸したので小金持ちになったシローはカウラニの街を散策してみる事にした。

考えてみたらこの世界で初めてのお出かけが家出で、今はこの世界で初めての自由行を満喫しているシローだった。

このカウラニの街は王都と隣國を繋ぐ要所なので商人や旅人がめまぐるしく行きっている。

そのおもあり街中は活気があり隣國の珍しい工蕓品も見られる。

そんな街をブラブラし小腹が空いたら店で買い食いするなんてこの12年間で初めての事だと慨もひとしおのシローだった。

何と言ってもシローは屋敷にされていたのだから。

そんなじでブラブラしていたら周囲の風景が変わり、どうやら活気があった商業區から外れ工業區にやってきてしまったようだ。

煌びやかな商店とは違い、実用を追及した工房風の建が多く建っており、木工所に裁工房、革工房に鍛冶工房、々な工房が建ち並ぶ。

(そう言えば、ジャイアントモウの角と皮で剣と防を作ろうと思っていたのだった。)

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偶々近くにあった鍛冶工房を覗いてみると鍛冶工房でも小さな店を構えているようで剣や鎧が所狹しと置かれていた。

「こんにちわ~」

誰も店に居なかったので一応聲を掛けて中にって行く。

置かれている剣を【解析眼】で片っ端から確認していく。

種類:鉄の片手剣

スロット:0

主素材:鉄

効果:攻撃+30

強度:100

條件:STR10以上

種類:鉄の片手剣

スロット:1

主素材:鉄

効果:攻撃+42

強度:140

條件:STR10以上

種類:鋼の片手剣

スロット:1

主素材:鋼

効果:攻撃+56

強度:182

條件:STR20以上、VIT15以上

種類:鋼の片手剣

スロット:3

主素材:鋼

効果:攻撃+68

強度:221

條件:STR20以上、VIT15以上

種類:漆黒の刀

スロット:4

主素材:黒曜石

効果:攻撃+105

強度:380

條件:STR50以上、VIT50以上、AGI70以上、DEX30以上

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種類:ミスリルの剣

スロット:2

主素材:鋼、ミスリル

効果:攻撃+150、自己再生

強度:600

條件:STR80以上、DEX50以上、INT30以上

(ミスリルきました! でも俺が選ぶなら漆黒の刀です! 刀が漆黒でしかも刀なんて珍しいし、俺の中二病が疼いてしまうじゃないですか。)

ファンタジー金屬のミスリルと綺麗な反りのある片刃刀の漆黒の刀を見てテンション上げ上げのシローだ。

アイテムを【解析眼】で確認すると『スロット』という欄があるのだが、これはそのアイテムに付與ができる効果の數を表している。

つまりミスリルの剣であれば付與できる効果は2つとなる。

「何がしいんだ?」

唐突に聲を掛けられてちょっとビックリし聲の方を見るとむくじゃらでシローと背の高さはあまり変わらないが橫幅はシローの倍はあるオッちゃんが立っている。

(このオッちゃんは・・・ドワーフかっ?!)

「この刀良いですね」

シローは漆黒の刀を指差す。

「お主その刀の良さが分かるのか?!」

「この鈍くる刀は見ているだけで吸い込まれそうになります。このミスリル製の剣も良いでしょうが、俺はこの刀の反り合が何か好きですね。それにこの刀は他のものより良い出來ではないですか?」

「がぁっはっはは、そうか、そうか、その刀の良さが分かるか、気にったぞ。ワシはデリンボと言う、お主の名を教えてくれ」

「シローって言います。宜しくお願いします」

「シローか。で、シローはその刀を買うのか?」

しいですがこれだけの業だと資金的に買えませんでしょう。それに今日は俺の持っている素材で武と防が作れないかなと思いまして」

「オーダーメイドか。で、どんなものがしいんだ」

シローはデリンボに近付きストレージからジャイアントモウの角を2本取り出し渡す。

デリンボも【収納BOX】かとし驚いていたが、それは無視する。

「この角で剣、できれば刀を2本作ってしいのですができますか?」

「見せてもらうぞ。・・・これは・・・まさか・・・ブツブツ・・・ブツブツ・・・」

デリンボは【解析】持ちなのでこの角の価値が分かるだろう。

「ジャイアントモウが討伐されたと聞いたが、まさかお前さんのような子供だったとは・・・」

シローはもう報が出回っている事にビックリする。

(昨日の夜の話なのにこんな鍛冶工房まで噂が流れているなんて怖いよねぇ~。)

「刀、作れますか?」

「勿論だ。製作に3日、代金はメイン素材の持込みだし大金貨1枚だな」

シローの今の持ち金が2萬レイルもない事からオークションまで待って大金が転がり込んで來てからにするしかないのかと思う。

「シローよ、皮も持っておるじゃろ?」

「え、あ、はい。持ってますよ」

「それで防を作るんだろ?」

「そうですね、でも皮ですよ?」

「ワシを舐めるなよ。腕の良い鍛冶師は皮の扱いも一流なんじゃ! 取り敢えず出してみろ」

勢いに押され言われるままにジャイアントモウの皮を取り出す。

デリンボはその皮をマジマジと見て口を開く。

「お主のに合う革鎧を作っても余るな。その余りを分けてくれればタダで刀と革鎧を作ってやろう。どうじゃ?」

デリンボはお前の懐合など分かっているのだぞと言わんばかりにニヤつく。

しかし営利目的での売買は止されているとメアリーが言っていたのをシローは思い出す。

「冒険者ギルド以外でアイテムの販売が止されているのですが?」

「それなら大丈夫じゃ、アイテムを加工して別のになってしまえば問題ないし、そもそも皮の余りを加工費の報酬とするまではギルドも止しておらん。心配ならギルドで聞いて來ても良いぞ」

「そう言うことならお願いします。でも余りならそのまま知らん顔して貰っていっても分からなかったと思いますが?」

「そんなセコイ事はせんっ! ワシは鍛冶師であって詐欺師ではないわい!」

自分の職業に誇りを持っている事に銘をうけるシローは失禮を詫び改めて作を依頼する。

「刀と革鎧で5日だ」

「分かりました」

その後、デリンボに手を握られたり、をペタペタとられたのだが、これはサイズを測っているのだろうと無理やり納得させる。

(何と言うか職人ですね・・・違うなら・・・)

翌日は依頼をしようとギルド會館に向った。

ホールにシローがると喧騒がピタッと止み視線がシローに集中するがシローは構わずメアリーのところに向かう。

すっかりシローの擔當になったメアリーは平常運転を裝っているが、犬耳をピコピコさせて心の中は落ち著かないようだ。

暫く待つとシローの番になったので犬耳さんに聲を掛ける。

「お早う座います」

「お早う座います、シロー様」

「ちょっと教えて下さい。先日のあの素材で裝備を作ろうと思って皮の方で革鎧を作るのですが、作った後の余りを代金として引き取ってもらおうと思うのですが、構いませんか?」

メアリーに顔を近付けヒソヒソと小聲で話し、メアリーも分かっているのか小さく「大丈夫ですよ」と頷いて返してくれた。

これで障害はなくなったので後は依頼をこなすだけと狩りに出かけるシローだった。

と言う事でまたまたやって來た西の森。

グラスウルフにゴブリンをドンドン狩りまくるシロー。

そして見つけたナオリ草も採取して森の奧に進んで行く。

ひたすら狩りまくっていたら晝も過ぎていたので店で購した串焼きとサンドイッチを頬張りアップルジュースで流し込む。

ここまで來る時にグラスウルフとゴブリンだけではなく、ウサギの魔であるレッドアイズラビット、イノシシの魔であるアースボア、ゴブリンよりも大きいホブゴブリンもいたので狩っている。

ホブゴブリンもゴブリンだから常時依頼の対象になるのかな? などと考えながらカウラニの街に戻ろうと森の中を進む。

ただ、その途中に先日のジャイアントモウと同じぐらいの反応があったが、その反応では何がいるか判別できない事からこれまでに遭遇した事の無い魔である事は明らかでシローの興味を引くのだった。

(ジャイアントモウであれば分かるので、今マップに表示されているこの反応はアンノウンだ! さて、何が出てくるかな~)

森の中を木を避けながら進むとそれは木の元付近で木の皮を食べていた。

トカゲのような外見をしたその魔を【解析眼】で確認してみるとフォレストリザードと出る。

コモドドラゴンを更に一回り大きくしたじのフォレストリザード。

4速歩行の獰猛な顔を持つ恐竜に近い風貌。

シローの【解析眼】のおかげで特徴も分かった。

フォレストリザードは見た目以上に素早く噛み付かれると毒に侵されるそうで、弱點は火と腹部のようだが森の中で火を使うわけには行かないが、シローは火の魔法を使えない。

しかも地面にほぼ著している腹部を狙うのも難しい事から選択肢はごり押ししかない。

シローが戦い方を考えていると、フォレストリザードがシローに気付いたようだ。

ダダダダダダダッと突進するフォレストリザードの姿にし後ずさる。

普通の獣であればライオンだって気にしないつもりだったシローであっても、流石に恐竜のような爬蟲類のフォレストリザードにはし腰が引けてしまった。

4本の足を高速にかし突進してくるフォレストリザードはその大きな口でシローに噛み付こうとするが、當然の事だがシローも噛まれるのは嫌なので橫っ飛びして避ける。

キキキキィィィーと言う音が聞こえてきそうなブレーキングで土煙をあげて止まりシローに向き直るフォレストリザードに対してシローは剣をスーッと出し目に突き刺す。

フォレストリザードは痛みが分かるのか「ギャオーッ」とをよじって痛みに悶えている。

そこにすかさず『ライトニングボルト』を放つシロー。

シローの放った『ライトニングボルト』を躱そうとをよじるフォレストリザードだったが、『ライトニングボルト』が足を掠る。

たったそれだけだったが、『ライトニングボルト』の追加効果の麻痺になったフォレストリザードはをピクピクさせ泡を吹いている。

一応は警戒しながらフォレストリザードに近付き首に剣を突き立て暫くするとの粒子になって消えてなくなりドロップアイテムを殘すフォレストリザード。

「・・・あっけない・・・掠っただけだぞ? 何だったんだ?」

魔法攻撃力に影響を及ぼすINTをブーストし既に超一流の魔法使いの域に達しているシローだったが、その自覚は本人にはないのだった。

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