《チートスキルはやっぱり反則っぽい!?》チート! 013 ランクアップ試験をけてみましたが・・・

今日はランクアップ試験があるので準備してギルド會館へ向う。

スノーは銀髪人ではFカップはあるだろうナイスバディだから1人にすると馬鹿な奴らが絡んできて自するだろうからとシローの傍でランクアップ試験を見ていて貰う事になっている。

「俺が試験のグスタフだ。これからお前たちの戦闘力を見る。前衛は俺と戦ってもらうが、後衛はあの的に向って攻撃をしてもらう」

グスタフと名乗った試験は後衛組みの的になる案山子を指差しシローたちを値踏みするように見る。

「前衛組みの武は訓練用のものを使う事になる。そこにあるものを使え。ではまず後衛組みの試験を行う。弓などの飛び道や魔法を使う者は前に出ろ」

考えたら自分は後衛でもやって行けるんだ、と今更ながら思ってしまうシロー。

ただ、その認識は甘くシローの能力値であれば前衛よりも後衛の方が遙かに適が高いのだ。

験生はシローを含めて12人おり、後衛は5人のようだ。

グスタフの指示で1歩前に出ている5人の中で魔法を使う人は3人、弓を使う人が2人。

魔法使いは1人が若い男で2人は若いの1人はエルフだが彼は先ほどからスノーを気にしているように見えた。

後衛組みは々な場面を想定しているのかグスタフの指示に従って何度か案山子に攻撃をする。

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とエルフのの魔法使いは風系の魔法を使って案山子を切り刻み、もう1人の魔法使いは火系の魔法を駆使して案山子を焦がす。

弓使いは2人で共に指定された場所に矢を放ち案山子を串刺しにしていく。

「よし、後衛は全員合格だ。ランクD-として、一人前の冒険者として今後の活躍に期待する」

そして前衛の試験となるとグスタフは木剣と盾を裝備してから獰猛な獣が獲を狙うような目で殘ったシローたち7人を順に見ていく。

「よし、お前からだ」

と、指名されたのは木の大剣を手にしたゴツイ獣人。

耳は獣人の耳だが尾がないように見えた。

どうやらクマの獣人のようで、尾はズボンの中に隠せる程度の大きさのようだ。

クマの獣人が大剣を振り下ろす度に風切り音がして、その攻撃力の凄まじさが分かる。

グスタフはそんな豪剣とも言える振り下ろしを盾でけ止め、更に獣人のに剣を叩きれ反撃を見せる。

流石の獣人もグスタフの斬撃をけて僅かに後ずさるが、踏みとどまると大剣を突き出しグスタフの盾を跳ね上げ更に斬撃を加えようとするが、グスタフはそれをいなし獣人の首に剣をあてる。

「ま、まいった・・・」

「力は大したものだが、力に頼りすぎだ。もうし剣をらかく持て」

獣人は頷くだけで、うな垂れ帰って來る。

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これは試験なので必ずしも勝つ必要はない。

と言うか、普通は勝てない。

つまりグスタフがランクに見合った強さがあると認めれば合格なので、獣人は負けたがそこまでガッカリしなくても良いだろう。

その後も次から次に験生の相手をするグスタフだが、全員返り討ちにしていく。

「次はお前だ。來い」

最後にシローが呼ばれ、シローは木の片手剣を持ってグスタフの前に進み出る。

本當は木刀があれば良かったのだが、木刀は置いてないので仕方なく片手剣型の木剣を手にしているシローは勝とうか負けようか考えていた。

勝てば文句なしで合格だろうが、それはそれで面倒な話になりそうだからだ。

「いつでも良いぞ。かかって來い」

シローは頷き、木剣の剣先をやや下げた狀態でグスタフに接近する。

ここで本気を出すとグスタフを瞬殺してしまうので、加減をして剣を振る。

グスタフの木剣とシローの木剣の打ち付けられる音が何度も鳴り、グスタフはし肩で息をし出す。

「やるな。それだけの剣圧がある者が低ランクにいたとはな」

冒険者のランクと強さはイコールではありませんよ、と言いたくなるのを堪えて木剣を振る。

グスタフも試験のプライドからかしっかりとシローの攻撃について來ているが、ジリ貧のようだ。

呼吸を整える為かシローから距離をとったグスタフは大きく息を吸いそして細く吐き出す。

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(・・・そろそろですかね?)

「本気で行くぞ!」

木剣を構えたグスタフは腰をやや低くすると獰猛な視線でシローをロックオンする。

ドンッと言う音と共に地面を蹴り飛び出したグスタフが瞬時にシローの目の前に現れ、グスタフの木剣はシローの左肩を捕らえる軌道を辿っている。

所謂、袈裟斬りだ。

その剣速は凄まじく普通のランクE冒険者であれば間違いなく大怪我を負う威力があるだろう。

ただ、それは普通のランクEの冒険者に対してであり、シローを普通と言う括りにれるのは無理があるだろう。

ガンッ、ボキッ!

「參りました」

グスタフの木剣はシローの木剣を破壊し、シローの肩口にめり込んでいるように見えた。

ここで勝つのは簡単だが敢えて負ける事でグスタフの面目とシローの平穏を守る選択をしたのだ。

「大丈夫か?」

「ええ、大分威力が殺されていたので大した怪我ではありません」

実際には全く怪我をしていない。

グスタフの木剣がシローの木剣を破壊した時點で威力は殺しているのでシローの肩に當たっただけでシローのVIT値の高さもあり痛みと言うほどのものはない。

その後、シローはグスタフより合格を言い渡されたのでギルドカードを更新してギルド會館を出ようとしたのだが、その時に先ほどのランクアップ試験の験生の中に居たエルフのがシローとスノーの前に現れる。

「何か?」

「あ、あの・・・スノー様です・・よね?」

はどうやらスノーの知り合いのようだ。

シローはスノーの目を見て「知っている人?」と聞くのだが、スノーは首を僅かに橫に振る。

「あ、私はクリエラと申します。その、・・スノー様が奴隷になったと聞いていたので・・」

知っているだけで知り合いでもないのに話しかけるものなのか? と、し疑いの目で見るシローはスノーの事だし自分が無礙な対応をするのは控えようと考える。

「立ち話もなんですので、どこか落ち著ける場所で話しましょうか」

「あ、はい」

シローたちは近くのカフェにりクリエラの話しを聞く事にした。

クリエラはスノーが姫だった頃に何度か見かけた事があるだけで、スノーとは話した事もないそうだが、とても綺麗なスノーの事は記憶に殘っていたそうだ。

シローは敢えてスノーの過去について聞く事はしなかったが、ステータスに『元姫』とあったのでスノーが姫であった事は容易に想像ができた。

あの呪いのせいで姫から奴隷になったのだろう、だから何も聞いてはいない。

スノーが自分から話すまで何も聞かず、話さなくても何も聞かないつもりだった。

2人の會話を橫から聞くにつれ何でクリエラがスノーに話しかけて來たのか、その理由が気になるシロー。

大した接點もないのに心配していた?

スノーが王族で姫だったから考えられなくもないが、機としては弱い。

そもそもスノーはあまり人前に出なかったとこの會話の中で言っていたので民からすれば雲の上の存在ってだけで特に親しみがあったわけではないはずだ。

それであれば遠くから見て「ああ、無事だったのですね」程度で終わるのではないか?

「姫が呪われ許婚のハーメル様がお亡くなりになったと聞きました・・・」

その瞬間、クリエラは懐から短剣を抜き放ちスノーに突き刺そうとする。

寸でのところでシローが蹴りを繰り出し、その蹴りをけたクリエラの短剣はスノーに屆く事はなかった。

(いや~、ビックリしたな~。 俺も良く反応したと自分で自分を褒めてやりたいよ)

シローに蹴られて大きな音を立てテーブルや椅子にぶち當たったクリエラは頭からを流して倒れているが、意識はしっかりしておりその視線はスノーを見つめるというよりは睨めつけているので怪我は大した事はないのだろう。

スノーは何が起きたか理解するのに時間がかかっているようで、スノーを気遣う言葉をかけるよりクリエラの制圧を優先するシロー。

クリエラは詠唱を始めていたが、それを許す気はないシローはクリエラの腹部に拳をめり込ませクリエラを気絶させる。

「すみません、何方か冒険者ギルドに行き職員を呼んできて貰えますか」

シローたちのり行きを呆然と見守っていた客がギルド會館に走って行ったので程なく職員が駆けつけるだろう。

「店主は居ますか?」

「・・・私です・・・」

「ご迷をかけました。これは迷料です」

シローは店主に金貨5枚を握らせ店の中で騒いだ事を詫びる。

シローのせいではないのだが、こう言うのは早いに収めるのが良いと考えての事だ。

「大丈夫か?」

「・・・はい・・・どうして・・・」

ある程度の理由は想像ができる。

スノーの呪いはスノーに近付く男をほぼ瀕死にし、最後には死に至らせる呪いなのだから。

つまりは男絡みだろうとシローは考えていた。

恐らくその男は既に死んでいる、と考えるのが妥當ではないだろう。

暫くして冒険者ギルドの職員が現れたので、騒の経緯を簡単に話しクリエラを連行して貰う。

勿論、シローとスノーも職員に同行しギルド會館に向う。

取調室のような部屋に通されたシローとスノー、しかし部屋の中で待ちけていた職員にシローは心で嫌悪する。

それぞれギルドカードを提示する。

ギルドカードには賞罰欄があるのでシローたちから手を出せば暴行や殺人未遂と表記される事になるが今回はそれはない。

(結果は白ですよ、だって正當防衛ですからね。最も、それを確認するだけではないのでしょ?)

シローは経緯を聞かせてしいと言われ、クリエラに聲をかけられてからいきなり襲いかかられたまでの話をする。

スノーは奴隷なので基本的にその責任は主人にある事から事聴取はシロー中心に行われた。

ただ、シローとしては「何でこの人が俺たちの取調べをしているの?」と言いたい思いで一杯だ。

「ところでシロー君、今回とは違う件でも話をしたいと思うのだけど、良いかな?」

「・・・何でしょうか?」

嫌な予がシローの脳裏を橫切る。

「これからの話は他言無用で頼むよ」

「はい」「(コク)」

シローとスノーは他言無用という條件を了承する。

スノーはまだ自分が殺されかけた事から立ち直ってはいないようで表が暗い。

「10日ほど前の事だが、王都で貴族の子供が行方不明になった」

(はい、來ました。 完全にロックオン狀態です)

拐ですか?」

「分からぬ、家を出たまでは自分の意思だろうが、それ以降は服屋に寄った事しか分かっておらず、足取りが全然つかめない事から協力者が居て王都を出たか、何らかの犯罪に巻き込まれた可能を考慮して捜索が行われている」

転移して移しているので足取りがなくて當然である。

(ズーッと閉じ込めていたぐらいですから、居なくなって清々しているのではないですか? 何故そこまで捜索をする必要があるのですかね)

「自分の意思で家を出たのですか? 何故それが分かったのですか?」

「書き置きがあったそうだ」

「家出ですか?」

「そのようだ」

自分で書いて置いてきたので聞くまでもないが、今のシローはシローであってシーロではないので知らない振りをする。

「その貴族の子供が君と同じ黒髪に黒目なんだが心當たりはないかな?」

「・・・ありませんね。いくら髪のと目のが同じだからと言って知るわけないじゃないですか」

とぼけ通す。

それ以外に何か選択肢があればそうしたいぐらいである。

「そうか、しかしだ、その子の親も心配しており何としても見つけ出したいのだ。その子と同じ特徴を持ち背丈も年齢も同じ君に協力を頼みたいのだよ」

「・・・申し訳ありませんが、お力にはなれません。私はこの街を離れる予定ですので」

「・・・できればその予定を変更して貰えないだろうか?」

シローの事を完全に怪しんでいるのだろうが、シローをシーロだと斷定する証拠がないから外堀を埋めていこうと言う作戦なのだろう。

それとも何かの証拠が出てくるまでの持久戦なのだろう。

「諦めて下さい」

シローはシーロの事を諦めろと言う意味で王都のギルド長であり、実の母親であるカリン・ファイフォーレンを突き放すように拒絶する。

「・・・私の権限で君を拘束する事もできるのだよ」

「冒険者は自由のであり犯罪を犯しているわけではない私を束縛する事はできませんし、ましてや拘束もできませんよ。それはギルドの重職にある方であればお分かりでしょう?」

カリンはシローの主張が正當なものであり自分の主張が通らない事ぐらいは知っているのだ。

それでもシローとの會話を続ける事でシローが馬腳を現すのを狙っている。

つまり、カリンはシローがシーロであると斷定しているのである。

(何故そのように苦しそうな顔をするのですか? 年に2回か多くても3回しか顔を會わせなかったし、顔を會わせても一言二言しか話もしなかった。ズーッと家に閉じ込めていた息子が居なくなった程度でそのような顔をしないで下さい)

今更母親ぶるのは勘弁して下さいよっ! と言いたいのだ。

シローはカリンに向けて呪詛のように心の中でぶ。

「さて、そろそろ良いですか、旅の準備もありますので私たちはこれで失禮します。あのクリエラと言う人の事は明日にでも確認にきますので、その時にでもあのような事をした理由を教えて頂ければと思います」

「あのクリエラと言うエルフは犯罪者として奴隷となるだろう、つまり彼を奴隷として売った金額から手數料などが引かれ君に支払われる事になる。もう暫くこの街に逗留して貰わねば困るのだがな」

「明日け取れるのでしたらけ取りますが、そうでなければ俺に支払われる金は全てギルドに預けます。それで問題ないはずですね?」

冒険者ギルドは世界中に支部があり、どこでも金を引き出せるし、金の確認もできる。

シローがこの街で金をけ取る必要はないのは周知の事実である。

これ以上シローを拘束はできないと分かっていても解放したくないと思うカリンであったが、シローの言い分に折れるしかなかった。

を噛んでいるカリンを見てシローもこのような事はある程度想定していたので冷靜に対応をする。

(仮に、仮にだけど、俺が居なくなって後悔しているのであれば、・・・今更ですよ)

「では、そう言う事でお願いします」

シローはスノーの手を引き部屋を出ていく為にドアノブに手をかける。

「その貴族の子供が家出した理由は知りませんが、その子も自由になりたかったのではないでしょうか? 私は小さな世界に縛られていたので、その世界から飛び出したくてこの街にやって來ました。自由に生きたくて、・・・そして――をじたくて・・・」

最後の言葉は聲になるかならないか、それほど小さなものだった。

帰り際に何故こんな事を言ってしまったのかシロー自でも分からなかったが、何故かそれを言わなければならないと、心が悲鳴をあげる。

長年シローを閉じ込めていたカリンに聞いてしかったのかも知れないシローの心の聲。

そしてその聲を聞いたカリンはシローたちが出て行った部屋の中で1人空を仰ぐように天井を見つめる。

「決心は固い・・・のですね。・・・腫れるような対応をしてきた私の・・・いえ、私たちへの罰なのね」

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