《チートスキルはやっぱり反則っぽい!?》チート! 015 旅立ちは新しい力の幕開けです!

旅は道連れ世はけと言うわけで南に向う道で優しいおっちゃんの荷馬車に乗せて貰えたシローとスノーは舗裝もされていない長閑な道をのんびりと進む。

カウラニの街で農産や小型の魔の素材を売った帰りで荷馬車の荷臺には服や酒など村では作っていないが所狹しと載せられている。

そんな荷馬車の荷臺の空きスペースに乗せてもらったシローとスノー。

天気も良いし、心地よく頬をくすぐる風もあり、ついウトウトしてしまうシロー。

そして昨日の酒が殘っており二日酔いで気分が悪く、荷馬車に乗せて貰えたのは良かったと思うも荷馬車を通じて襲ってくる悪路故の振に気分を更に悪くするスノーだった。

長閑な風景を眺めながら進むこと1時間ほどでY字路にさしかかる。

おっちゃんは右に、シローたちは左に行くのでここでお別れだ。

「「有難う座いました」」

「はい、はい、気をつけて行くんだよ」

日焼けした皺くちゃな笑顔で2人のお禮をけるおっちゃん。

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シローとスノーのハモったお禮に対しにこやかに返してくれるおっちゃんは自分の住んでいる村に帰ると言って再び荷馬車を走らせる。

シローたちはおっちゃんを見送った後にY字路を左に進む。

そして晝時になったので、開けた場所で晝食を摂る事にした2人。

宿を出る前にジルさんに作って貰ったサンドイッチには厚切りのベーコンが挾んであった。

ストレージに仕舞っておいたのでまだ作りたてでベーコンも溫かい狀態だ。

「ハグ、モグモグ、カミカミ、ゴックン」

「ご主人様、ジルさんのお弁當はとても味しいですね」

「うん、そうだね。パク」

シローは昨晩取得した【神聖魔法】をスノーにかけていたのでスノーも食事ができるまで回復していた。

ジルは【料理人】のスキルが5にもなっているので、腕前としては達人だと言える。

ジルの料理を食べる為に食事時には食堂が満員になる。

ジルはあの街だけではなく、この世界でもトップクラスの料理人なのだ。

実際の話、ジルより【料理人】スキルのレベルが高い料理人をシローは知らないし、ジルがめば宮廷料理人にもなれるだろう。

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この【料理人】やシローが持っている【剣士】のような場合にはスキルのレベルは1から10まである。

レベル1は初心者、レベル2は獨り立ち手前の半人前、レベル3で一人前、レベル4で練者、レベル5で達人、レベル6以上は人外と言われているほどなのだ。

そしてジルの【料理人】スキルのレベルは5で達人レベルになる。

通常の者は生涯を掛けてもレベル3から4止まりで、レベル5の達人になる者はなく、レベル5に至るには修練はもとより才能も必要となる。

これ以外には鑑定系のようにスキルのレベルが10になるとレア度が上がる可能があるスキルもあり、このようなスキルはレア度毎に能力の幅が増えたり能力が強力になるのだ。

2人はサンドイッチで腹を満たし、果実水でを潤した後はし休憩し、再び歩き出す。

「この先は林の中を通る事になるから警戒を怠らないようにね」

「はい、分かりました」

シローの【空間把握】があれば奇襲をける事はないが、それに関してスノーには知らせていないし知らせる気は今の処ないので敢えて注意を促す。

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林の中では1度だけ狼の魔に襲われたが、スノーが狼を氷の槍で貫き殲滅する。

魔法構築の速度も速くなり、更に連続発も問題なくできるようになった今のスノーにはたった4匹の下級の魔では瞬殺されてしまうのだ。

スノーと組んでからシローはドロップアイテムをストレージに回収する係りになっている。

戦闘はスノーしかしないので、徐々にではあるがスノーの能力は上がっており、スキルレベルも上がっている。

ただ、シローが魔を倒すとほぼ100%の確立でアイテムがドロップするのだが、スノーの場合は數匹に1回程度しかない。

恐らくはLUK値が関係しているのだとシローは考えている。

街で見た一般的な冒険者のLUK値は20程度なのに対しスノーは50もあるのでドロップ率は倍以上だと考えられるが、それでも數匹に1回しかドロップしない。

対してシローはLUKの値が桁違いで一般的な冒険者より遙かにアイテムがドロップする確立が高いのだと思っているのだ。

(LUK値がドロップ率に影響するのであれば他の冒険者は狙ったアイテムのドロップにはかなり苦労しているだろうな)

林を抜けると日も傾いているので野営をする場所を探す。

本來であれば見晴らしの良い場所を選んでテントを張るのだが、そこは敢えて林に近い街道からはやや奧まった場所を選ぶ。

「ご主人様、ここでは林の木が邪魔をして魔の接近に気付くのが遅れるのではないでしょうか?」

「大丈夫、ちょっと待っててね」

シローは數日前に覚えた【木魔法】を駆使して地面を盛り上げ簡易的な家を造る。

MPは大量にあるのでダイニングキッチンと寢室×2の他に風呂とトイレまで完備しており、最早野営用と言える代ではない。

(これだけの為に【木魔法】を覚えたのですよ! でも後悔はしません! 風呂にる事ができるのですよ、後悔などあるわけがないです!)

「ご主人様、これは一・・・」

「【木魔法】で造った簡易的な家だよ。旅先でもこれなら幾分はましだろ?」

スノーは呆れているが、ここ最近風呂にっていない事で不満が募ったシローには風呂付きの一軒家とも言えるこの簡易一軒家は絶対に必要なだと思っている。

では、お湯はどうするのかと言えば、そこはシロークオリティであり、【炎魔法】を覚えているのです。

しかし【水魔法】がないから風呂にはれないと思われるが、これは問題がなくシローには【氷魔法】の使い手であるスノーがいるのだから。

【氷魔法】は【水魔法】の上位スキルであるので水もる事ができる。

同様に【木魔法】であれば【地魔法】の上位スキルであるので土や鉱石をる事ができるのだ。

「スノー、この風呂桶一杯に水を出してくれるかな」

「はい」

シローは巖風呂のような風呂に大量の水を出すように指示し、スノーはアッと言う間に大量の水を注ぎ込む。

流石はエルフと言うべきか、MPが人族よりもかなり多いので風呂に水を溜める程度はどうって事はない。

次はシローの番で水の中に手をれて水を溫めるイメージをする。

ファイアボールを投げ込むなんて暴な事はしない。

水が徐々に溫かくなりお湯に変わる。

すぐにりたいが、食事の仕度もあるのでし熱めにしておく。

そして【錬金師】スキルで作っておいた石鹸をストレージから出して置いておく。

「ご主人様、その白い塊は何でしょうか?」

「これは石鹸と言ってね、水をつけてると泡が立つからその泡でを洗うと水洗いよりもスッキリするんだ。清潔がとても向上するんだよ」

「はぁ・・・」

風呂の習慣が貴族だけのもので、その風呂もステータスシンボル的なものなので石鹸やシャンプーにリンスなどのアイテムまで使う風習がこの世界にはないのだ。

ただ、シローもシャンプーやリンスは材料が分からないので作れてはいないのだが、だから石鹸だけでもと作ってみたのだ。

次は夕食の仕度にはいる。

殘念ながらスノーは元お姫様であり、【料理】や【料理人】のスキルは持っていないので料理はダメダメだった。

「も、申し訳ありません」

「人には向き不向きがあるので気にしなくて良いよ」

シローはスノーが作り出した、もはや食料ではないをそっと地面に埋め手を合わせる。

前世で貧しかったシローは食べ末にする事を嫌悪するのだが、食べれそうにない以上は捨てるしかなくそっと手を合わせるのだった。

そしてローストビーフとポトフのような野菜たっぷりのスープを作り、買い溜めておいたらかい高級パンをテーブルの上に並べていく。

「ご主人様に食事の仕度をさせるなんて・・・奴隷失格です」

「気にしなくても良いよ。その分は違う働きをして貰うから、さぁ、食べなよ」

「はい・・・頑張ります・・・っ!・・・味しい・・・」

「そう言って貰えると作った甲斐があるね」

スノーは申し訳ない気持ちと、味しい料理を前にし涙目になりながらパクパクと料理を口に放り込んでいく。

シローもせっかくの料理を味わって食べる。

(スノーに【料理人】スキルを譲渡とかできればスノーも料理ができるようになるのかな? 多分だけど問題ないよね? 俺だって【空間魔法】とか初めての挑戦で使えていたし。そうするとスキルを譲渡できるようなスキルがあれば良いのかな? 今日のお願いはスキル譲渡にしてみようかな)

食事が終わり本日のメインイベントである浴をする事にしたシロー。

エルフには風呂の習慣さえないのでスノーには後でって貰っても大丈夫だろうとシローは自分の求を満たす。

先ずはお湯をにかけタオルにお湯を染み込ませ石鹸とタオルをり泡立てて、その泡で中をくまなく洗っていく。

そしてシャンプーがないので石鹸で髪のも洗い、いつかシャンプーとリンスを作ってやると心に誓うシローだった。

中を洗いきったシローは念願の湯船に肩まで浸かりひと時の極楽を味わう。

(とても気持ち良いな、何処かに溫泉はないかな? 溫泉が湧き出ている場所にちゃんとした家を建て住むのも良いな。その時には奴隷ではなくパートナーと一緒に住みたいものだ)

シローは風呂を味しくいただいたので、スノーを風呂にれる事にする。

風呂の使い方と石鹸の泡立て方を簡単にレクチャーしてスノーが風呂にっている間にシローは今日の『お願い』について考える。

せっかくなのでスキルの譲渡だけではなく自由にスキルをれるようにしても良いのかと考える。

ダメなら最低限譲渡だけできれば良いので先ずは広範囲の能力を『お願い』してみる事にした。

(お願いの條件は・・・自分を含む対象のスキルを自由に作できる。自分のスキルを対象に譲渡できる。対象のスキルを奪う事ができる。自分のスキルを自で最適化する。・・・で良いかな。その條件で【チート】様・お願いします!)

・・・気絶した。

翌朝、シローはスノーに起こされるまで気を失っていた。

ここ最近はMPも増えたので気絶する事はなかったので久し振りの気絶だった。

「ご主人様、顔が悪いようですが・・・」

「大丈夫だよ。ちょっとMPを大量に使ったから回復が追いついていないだけだから」

そう、MPがまだ全快していないのだ。

昨夜の『お願い』でMPがほぼ0になった事で寢ても回復が追いつかない程シローのMPは多い。

シローのMPはエルフよりも遙かに多いので一晩の睡眠で1/3程度しか回復しないのだが、今のシローのMPはその1/3をし上回った程度であり久し振りにMP0を味わったのだと容易に考え付く。

そして得られたスキルは【スキルマスター】と言うユニークスキルだ。

@スキルマスター

スキルを最適化する補助が得られる。

対象のスキルをHPかMPを消費する事で『る』『奪う』『與える』事ができる。

自分以外のもののスキルに干渉する場合は接している必要がある。

(おおぉぉぉ、【チート】様並みとまでは言わないけど、メッチャ良いチートスキルじゃないだろうか?)

シローがけた印象では【チート】は全方位で使えるが1日に1回しか使えないので使い勝手が悪いのに対し、【スキルマスター】はHPかMPさえあればほぼ無制限に使える、使い易い【スキル限定チート】ってじだ。

今日は魔でこの【スキルマスター】の使い方や使い勝手を検証しようと心をはやらせる。

(俺の考えが正しければスキル無雙ができると思う! てか、もっと早く【スキルマスター】に気付き取得しなかったのか過去の俺を毆り飛ばしてやりたい衝に駆られてしまう)

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