・・・【スキルマスター】を検証しようと思っていたのだが、スノーが瞬殺してしまうので魔からスキルを奪う事ができない。

この【スキルマスター】は生きている対象からしかスキルを奪ったり作したりできないのがここまでで分かっている。

このままスノーが見敵必殺では話にならないのでスノーには悪いが控えるように指示するしかないだろう。

しかし魔のスキルをるには魔に接していなければならず、魔が大人しく接させてくれるわけもない。

どうするかと考えたシローは【雷魔法】を思い出す。

対象を【雷魔法】で痺れさせれば接できるだろうと、そう考えたら更に思い出したのがスノーの【氷魔法】だ。

対象を氷漬けにしての一部だけ出させれば接も簡単ではないかと。

「スノー、次からは魔を瞬殺するのではなく、最初に行不能にしてしい」

「と、言いますと？」

「そうだな、首から下を氷漬けにして殺さずに行不能にできるかな？」

「はい、やってみます」

丁度良いところにオークが現れたので早速オークの氷漬けを作って貰う。

斧を持ったオークが所持しているスキルは【斧】【強化】【悪食】【生】で、杖を持ったオークが所持しているスキルは【火魔法】【悪食】【生】だった。

杖を持ったオークはの自由は利かないが口はかせるので【火魔法】で攻撃したり氷を溶かそうとしてくるので、このオークの頭を木の枝で軽く毆って気絶させる。

そしてりたくはないと思いつつシローがオークの頭を手でれて【火魔法】を奪うように念じる。

スーっと何かがシローのにって來たような覚があったのでステータスを確認してみると【火魔法】レベル１がレアスキルの欄に追加されていた。

《【火魔法】を【炎魔法】に統合します。【炎魔法】はレベル３から変りません。実行しても宜しいでしょうか。Ｙｅｓ／Ｎｏ》

「うおっ！」

「どうされましたのですか？！」

「あ、いや、何でもない」

いきなり脳にアナウンスが流れてビックリしたとはスノーに言えないので、ちょっと躓いたと誤魔化しておく。

（何と言うか、これが【スキルマスター】の能力である『自分のスキルを最適化する補助が得られる』ってやつですかね？　勿論、『Ｎｏ』だよ）

《今後、【火魔法】と【炎魔法】の統合は指示がない限り確認を行いません。宜しいでしょうか。Ｙｅｓ／Ｎｏ》

（何とまぁ！　こんな能力まであるのですか？　毎回アナウンスして貰うのもウザイのでこれは『Ｙｅｓ』でしょう）

次は同じオークから【悪食】を奪おうと念じたが、何も反応がなかった。

（あらら？　もしかしたら奪えるスキルには制限があるのだろうか、それとも１から奪えるスキルは１つだけなのだろうか？）

試しに斧を持ったオークから【斧】を奪って更に【強化】を奪おうとしたら、今度はアナウンスが知らせてくれた。

《【強化】は既にレベル１０となっておりますのでこれ以上奪う事はできません》

（ふむ、ならば【悪食】をば。　・・・何もないか・・・【悪食】に種族などの限定があるのか、それとも１から１つのスキルしか奪えないのか・・・要検証だ！）

「ご主人様・・・何をされているのでしょうか？」

傍から見たらオークの頭に手を置いてブツブツ言っているシローの姿は異様だろう。

「魔の生態と言うか、そう言うものを確認していたんだ。スノーのおかげで拘束ができるからね」

「ご主人様はとても強いのにもっと魔を研究しようとしているのですね！　流石はご主人様です！」

（ははは、何だか俺をリスペクトして頂いておりますが、中は結構下種な事をしていますのであまり褒めないで下さいよ。やっている事は結構下衆な事だから）

「よし、この２匹はもう不要だから殺っちゃって良いよ。あ、そうだ！せっかくの的なので弓でも試そうか」

「はいっ！」

元々スノーは【弓】スキルがレベル２だったので、弓の経験さえ積んでいけば使いになるだろうし、レベルだって上がる可能がある。

そこは努力してもにならないシローから見ると羨ましい限りである。

矢を番えヒュンッと放った矢はしっかりとオークの右目に刺さった。

才能値である【弓】スキルだが、スノーは努力によって既にレベル２の実力を持っているようだ。

「あれ・・・額を狙ったのに・・・」

どうやら右目を狙ったわけではないようだ。

右目に矢が刺さったオークはまだにならないし、刺さった矢が痛いのだろういている。

次は額に命中し、３目をにけて絶命する。

オークには可哀想だがスノーの糧になって貰おうと目を瞑るシロー。

それにもしがドロップしたら俺が有り難く頂くなどと考えてもいる。

２のオークが絶命しとなり消えて行くとアイテムを殘す。

（あれ、今回は２ともアイテムを殘していたよな？）

偶然かな？　などと思っていたが、偶然ではなくその後もアイテムはドロップしている。

どうやらシローが戦闘に加わるとアイテムのドロップ率が上がるようだと検討をつける。

ファーストアタックもラストアタックもスノーが行っており、シローはきができない魔のスキルを奪うだけではあるが、それでもシローが戦闘に関與したと判斷されるようで、アイテムのドロップ率が１００％になっている。

更に【スキルマスター】の制限についても継続して検証した結果、１の魔から１つのスキルしか奪えないというのも分かった。

そんなじで日が暮れる頃まで魔を狩りながら旅をする。

そこそこの數を狩ったおかげで【火魔法】【水魔法】【風魔法】【地魔法】【斧】【剣】【槍】をゲットしたのだが、【斧】【剣】【槍】は努力が報われないシローには無用の長であった。

更にスキルを奪った時のレベル加算はレベルの足し算ではなく、経験値の足し算だという事も分かった。

つまりレベル１に更にレベル１を奪って加算してもレベル２にはならない事が多いのだ。

これはスキルの統合でも同様の考え方ができるのだが、下位スキルの経験値は何割かなく計算されるようだ。

「今日はご苦労だったね。ところで、スノーに新しい力が発現していてもおかしくないと思うのだけど、何かじないかな？」

シローは今日の簡易家を作りながらスノーにスキルの発現について何かじなかったかと聞いてみる。

「え？・・・あの、よく分かりません」

「そうか、なら【火魔法】のファイアボールを放ってみようか。もしスノーに【火魔法】が発現していたらできるはずだよ」

「【火魔法】ですか？　そんな簡単には・・・」

「まぁ、騙されたと思って試してみなよ」

「はい・・・『火の球となりて顕れ我に従え』・・・ファイアボール！」

スノーの掌の上に直徑１０ｃｍほどの火の球が顕れるとスノーは目を見開き、暫くその火の球を見つめて呆然としている。

「お～い、スノー君や～い」

「え、あ、はいっ！」

「それ、早く処分しないとドンドンＭＰを消費するよ」

「は、はい」

スノーは火の球を誰も居ない方に放ちまた呆然とする。

スノーの基本屬は氷なので火とは相が悪くこれまで何度も【火魔法】を覚えようと訓練をしてみたが覚える事はなかったのだ。

それが今になって使えるようになったので、呆然とするのは分からない話ではない。

「そんなに呆けているとオークに襲われて孕まされるぞ」

「な、な、な、何を言っているのですかっ！」

「と言うわけで、風呂の用意はスノーに任せるからね。俺は夜ご飯を作るよ」

「どんなわけか分かりませんが、お風呂は頑張ってお湯をはります！」

シローは風呂をスノーに任せ、夜ご飯を作り出す。

今日のメニューはオークのソテーとミネストローネにパンだ。

オークのはブロックでドロップするので、厚切りにして小量の油をフライパンに引いて焼く。

味付けは塩と胡椒のみのシンプルなものだが、ニンニクやショウガ、それに醤油などの調味料が手できないので仕方がない。

そしてミネストローネ用にトマトをベースにして細かく切り刻んだ人參、玉ねぎ、ジャガイモ、キャベツ、ベーコンを投する。

殘念ながらこちらも塩と胡椒のみの味付けしかできないが、野菜やベーコンから味しいエキスが出ているので、意外と味しい。

今日はコッペパンのようなパンをストレージから取り出す。

ミネストローネに浸して食べても味しいが、そのままでも甘味があり味しいのでシローのお気にりのパンなのだ。

風呂のお湯をはっていたスノーが戻ってきたのだが、かなり疲れ切っている。

慣れないお湯作りは大変のようだ。

だから今日はご褒としてデザートを作ってやるシローだった。

デザートの事はサプライズにするつもりだったので言ってはいないが、スノーは今日も幸せそうに食事をし腹一杯になるまで食べる。

「今日はデザートを用意した。まだ食べれるか？」

「えっ？！　デザートですかっ！」

スノーは自分の腹をでながらまだるのかと自分の腹と相談している。

そして意を決したようにグーを作り「お願いします！」と気合をれている。

シローが作ったデザートはアイスクリームだ。

バニラはないので牛ならぬ水牛のと卵に高価な砂糖を材料として作り上げたアイスクリームだ。

しかしこんなところで水牛のから生クリームを作るのに【錬金師】が役に立つとは思ってもいなかったシローだった。

それとスノーから緒で分けてもらった【氷魔法】も役に立っている。

勿論の事だが、スノーの【氷魔法】から経験値１分しか貰っていないのでスノーの【氷魔法】には殆ど影響はない。

「こ、これはっ！」

アイスクリームを１口、口にれたスノーは飛び上がりそうなくらいに驚き、手をバタバタさせを表している。

「な、な、なんですか、これはっ！」

「アイスクリームと言うデザートだ。味しいか？」

「味しいなんてものではありませんよ。甘くて冷たくて、そしてこんなに濃厚なのに後味はスッキリとしています」

君はどこかのグルメリポーターか？　などと心の中で突っ込みをれるシロー。

スノーはパクパクと口の中にアイスクリームを放り込むのだが、あの苦しみがスノーを襲う。

「う゛～、あ、頭が」

コメカミの辺りを押さえて苦しんでいるスノーを見て笑いを堪えるシロー。

「冷たいものを一度に大量に摂取するとそうなるんだ。だからユックリ食べると良いぞ」

「そういう事は早めに教えて下さい！」

苦しみを乗り越えたスノーは３杯のお変わりをして満足した。

夕食で腹が一杯だったのではないのか？　と思うシローだったが、デザートは別腹なのを思い出した。

■ 個人報 ■

シロー

人族　男　12歳

冒険者

■ 能力 ■

ＨＰ：486/486

ＭＰ：1,512/1,512

ＳＴＲ：300

ＶＩＴ：300

ＡＧＩ：200

ＤＥＸ：200

ＩＮＴ：500

ＭＮＤ：300

ＬＵＫ：200

■ ユニークスキル ■

チート

スキルマスター

■ ウルトラレアスキル ■

解析眼Ｌｖ１０

時空魔法Ｌｖ１０

神聖魔法Ｌｖ１（ＮＥＷ）

■ スーパーレアスキル ■

ＭＰ値増加２００％

ＨＰ値増加５０％

雷魔法Ｌｖ１０

木魔法Ｌｖ３（ＮＥＷ）

炎魔法Ｌｖ３（ＮＥＷ）

氷魔法Ｌｖ１（ＮＥＷ）

■ レアスキル ■

隠Ｌｖ１０

空間把握Ｌｖ１０

危機知Ｌｖ１０

剣士Ｌｖ１０

料理人Ｌｖ４（ＮＥＷ）

火魔法Ｌｖ１（ＮＥＷ）

水魔法Ｌｖ２（ＮＥＷ）

風魔法Ｌｖ３（ＮＥＷ）

地魔法Ｌｖ２（ＮＥＷ）

■ ノーマルスキル ■

気配知Ｌｖ１０

魔力知Ｌｖ１０

強化Ｌｖ１０

斧Ｌｖ４（ＮＥＷ）

剣Ｌｖ３（ＮＥＷ）

槍Ｌｖ２（ＮＥＷ）

■ 狀態 ■

エクリプ神の加護

■ 稱號 ■

世界を渡りし者

■ 奴隷 ■

スノー

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

■ 個人報 ■

スノー

エルフ　14歳　

シローの奴隷　元姫

■ 能力 ■

ＨＰ：26/26

ＭＰ：197/197

ＳＴＲ：42

ＶＩＴ：30

ＡＧＩ：78

ＤＥＸ：63

ＩＮＴ：141

ＭＮＤ：117

ＬＵＫ：50

■ ユニークスキル ■

白雪姫

■ウルトラレアスキル ■

霊師Ｌｖ１

■ スーパーレアスキル ■

氷魔法Ｌｖ４（ＵＰ）

魔力作Ｌｖ１（ＮＥＷ）

■ レアスキル ■

火魔法Ｌｖ３（ＮＥＷ）

■ ノーマルスキル ■

禮儀作法Ｌｖ４

弓Ｌｖ２

■ 狀態 ■

不幸の呪い