《チートスキルはやっぱり反則っぽい!?》チート! 017 この國の貴族は馬鹿ばかりです!

食事後は【スキルマスター】によって新しく取得できるスキルについて検証してみようと思う。

この能力を意識すると脳にスキル名と消費ポイントの一覧が表示されたのだが、そのスキルの量が半端ない。

消費ポイントはHPかMPの事を言うのだろうが、シローは一般人に比べHPとMPが多く更にMPはHPよりはるかに多い為にシローが取得できるスキルの數が多いのだろう。

現在所持しているスキルのレベルを上げる事もできるようで【火魔法】などの所持している魔法のレベルアップについても確認できた。

そしてレベルが元々高いスキルなどは消費ポイントがかなり多い狀態だ。

スノーから既に【氷魔法】を奪っていたのだが、スノーの他のスキルを奪えないかも検証しようと思い【魔力作】を最低限の経験値だけ奪おうと考える。

オークの例で考えればこれは失敗する事になるのだが、結果は問題なく奪う事ができたのでシローは【魔力作】を覚えた。

最初に【氷魔法】を奪った時に【魔力作】も奪おうとして失敗している事から時間が経つ事で再び奪う事ができるのか、若しくはそれ以外の理由があるのかと次の実験に移る。

次は【弓】を奪おうとしたがこれは奪う事ができなかった事から恐らく時間経過で再び奪う事ができるのだろうと考える。

更に一度奪っている【氷魔法】の経験値を追加で奪いレベルアップができるか確認したが、これは問題なくできたので奪った経験値をスノーに戻す。

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今回の実験はスノーから壁1つ離れていても奪えた事から、恐らくは奴隷であれば接は不要なのだとも推測した。

さて、本題のポイントを使ってスキルの取得を考える。

ここでシローの目についたスキルは【神聖魔法】で消費ポイントが1,000ポイントと、流石はウルトラレアスキルであった。

現在のシローのHPは486、MPが1,008でMPをほぼ全てつぎ込めば取得できる。

しかし、MPを全てつぎ込んだ場合は気絶し【チート】を使う事もできなくなる。

その為、シローはHPを消費して取得できるスキルをする。

し始め軽く1時間以上は経っているだろう、シローは2つのスキルを取得する。

今度はベッドに潛り込んで【チート】へのお願いの時間とする。

スキルが奪えるのであれば能力も奪えるのではないかと考え、今夜の【チート】へのお願いはHP、MP、STR、VIT、AGI、DEX、INT、MND、LUKを奪ったり作したりできないかと【スキルマスター】の時と同じようなお願いをしてみる。

しかし、殘念ながら【チート】は発する事はなかった。

この失敗の理由は分かっている。

昨夜の【スキルマスター】を取得するのにMPを消費してほぼ0になり、朝までに回復したのが1/3で、その後の時間経過でMPは更に回復しているのだが、未だ満タンにはなっていない。

つまり、MP不足なのだ。

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それならばと考えるのはMP回復量を上げるスキルだ。

先ほど【スキルマスター】で取得可能なスキルのリストに【MP回復0.1%/min】があったので、このスキルの効果を10%/minで願ってみる。

殘念ながらこれも【チート】は発しなかったが、シローも10%/minの回復が発するとは思っていない。

久し振りに刻みを敢行する事になる。

翌朝、気絶から復活したシローのMPは完全回復していた。

それも【MP回復0.5%/min】のおかげだろう。

MPが毎分0.5%回復するという事は毎時30%も回復すると言う事で、単純に3時間ちょっとで完全回復するという事だ。

このスキルがあるだけでシローのMP回復事が劇的に改善された事になる。

昨夜の続きでスノーの【弓】を奪おうとしたら意外と奪う事ができてしまった。

(と言う事はなくとも10時間もあれば時間経過で再び奪う事ができるようになると思われるな。細かい時間を調べる為に1時間おきに実験をしよう)

今日の旅はたまに出てくる魔をスノーが【氷魔法】で氷漬けにして、魔を氷で拘束している間にシローが【スキルマスター】でスキルを奪い、そして最後にスノーが【弓】や【火魔法】を使い止めを刺すと言うルーチンワークが出來上がった。

アイテムのドロップはレアドロップはないがドロップ率100%をキープしている。

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日本のアニメや小説なんかではここら辺で何かイベントが起るのだろうが、出てくるのは瞬殺できる魔だけで普通・・に長閑で気持ちよい旅を満喫している2人だった。

この間、シローはスノーからスキルを奪おうと1時間おきに実験をしたところ、8時間ほどで再び奪う事ができたので、今後は分単位の検証をする事にした。

夜、【スキルマスター】でHPを消費して【HP値増加50%】を【HP値増加60%】にレベルアップさせ、更に能力の【スキルマスター】版をお願いしてみました。

そして取得したスキルがこれだ。

@キャパシティーマスター

対象の能力(STR値、VIT値、AGI値、DEX値、INT値、MND値、LUK値)をHPかMPを消費する事で『る』『奪う』『與える』事ができる。

自分以外の能力に干渉する場合は接している必要がある。

そして・・・

《【スキルマスター】と【キャパシティーマスター】を統合します。新しいスキルは【ステータスマイスター】となります。実行しても宜しいでしょうか。Yes/No》

と一晩中表示されていたが、シローがそれに気づくのは気絶から回復した朝になる。

勿論、シローは『Yes』を選択する。

@ステータスマイスター

自分のステータスを最適化する補助が得られる。

対象のステータスをHPかMPを消費する事で『る』『奪う』『與える』事ができる。

自分以外のステータスに干渉する場合は接している必要がある。

もう何も言う事はないだろう。

HPかMPさえあればステータスを弄び放題だ。

シローは朝食を早々に済ませると【ステータスマイスター】の使い勝手の検証に移る。

スノーの【氷魔法】は相変わらず良い仕事をしており出沒する魔はシローの研究材料としてモルモットにされる。

(あれ・・・おかしいぞ・・・スキルが無制限に奪えるんだけど?)

偶々シローたちの前に現れた盜賊が【遠視】と【地獄耳】を持っていたので試しに2つ共奪おうとしたら功したのだ。

どうやら【スキルマスター】が【ステータスマイスター】に昇華した時點で1つのスキルしか奪えない制限が消失したようだ。

しかも能力の方も全部一度に奪う事もできれば1つだけ奪う事もできるようになっているので地味に嬉しいシローだったが、能力は1/10しか奪う事ができなかった。

昨日あれだけ再発の検証をしたのが一切無駄になってしまったが、これはこれで嬉しいと思うシローだった。

(なんかやりたい放題になっている気がするぞ! 嬉しくはあるが、何か怖いな)

【スキルマスター】と【キャパシティーマスター】を統合した時にシローは7割ほどMPが持っていかれたのでそのおかげなのかとも思っているが、ここまで使い勝手が良いとは思っていなかった。

そんなわけで、魔や盜賊たちの難が続く。

そんな中にあっても薬草などを見つければしっかりと採取するチャッカリ者のシローだった。

そんなこんなでこのエスペノ王國最後の街であるガイジャスに到著する。

この街は隣國の魔導王國セトマとの國境近くにある街でセトマの商人が多く出りしており商人によって賑わっている。

「隨分と待たされそうですね」

「仕方ないよ。商人が多いしね」

このガイジャスの街ではこの旅の途中で魔を狩りドロップしたアイテムを売り払うのと資の補充をする予定の2人は大人しく門待ちの列に並ぶ。

30分ほど並びもうすぐシローたちの門の番になる頃に列の橫を列にも並ばす通り門をする馬車があった。

當然の事だが、並んでいる者たちの目は軽蔑の眼差しである。

その馬車の主は貴族であり貴族は専用の門がありそちらに行けばよいのだが、態々長蛇の列を造っている一般人用の門を通ろうとしている。

こう言う貴族はどこにでも居るのだろう、列をなしている商人たちは良い顔をしないのだが、敢えて注意する事もしない。

シローもそんな面倒な事はしないし、スノーにも目配せはしてある。

しかし、シローたちが無視しているのに面倒事は向こうからやってくる。

馬車に付き添っていた騎士が1人、シローたちの方に歩んでくるのだ。

「そのは貴様の奴隷か」

「そうです」

はっきり言って予想ができる展開だが、シローは不機嫌そうな表の騎士に返答をする。

「何か用ですか?」

「そのを差し出せ。ほれ」

どうやら馬車の中から貴族がスノーを見初めたようで騎士は金貨を1枚放って地面に落とす。

「申し訳ありませんが、他をあたって下さい」

シローが子供だから金貨1枚を見せれば喜ぶとでも思ったのか、それとも金貨1枚でスノーを手渡すほど貧乏に見えたのか、面倒臭そうにシローを見る騎士。

ただ、貧乏なら奴隷なんか持っていないとは突っ込まない。

(てか、こいつ何で不機嫌なんだ? そうか、パシリにさせられ不機嫌なのか)

「ゲスダー子爵様の思し召しだ」

「子爵だろうが國王だろうが彼を売る気はないのです。お帰り下さい」

シローが堂々と斷わりをれるので騎士の不快は絶頂を迎える。

騎士は素早く剣を抜きシローの首に刃を當てる。

シローは騎士の馬鹿な行にどう対処しようか笑いを堪えるので大変だった。

「つべこべ言わずに渡せば良いのだ!」

シローは首筋に當てられている剣を持つ騎士をしっかりと見據え、ニヤリと口角を上げる。

「貴方は今のこの行で犯罪者になったのですが、分かっていますか?」

「俺が犯罪者だと? はんっ、そんなわけがあるか、俺は騎士だ!」

「剣を向けて奴隷を脅し取るのは立派な犯罪ですよ。貴方の分証の賞罰欄を見てみたらいいでしょう。脅迫なり強盜未遂なりの罪狀が表示されているでしょう」

シローの言う事を素直に信じる事はできないが、それでも自分が犯罪者になったのかが気になる騎士は懐から分証を取り出し一瞥する。

分証を見た騎士は目を見開きシローと分証を互に目線で追う。

(ここまでキョドルなんて初犯なんだろうか? それとも騎士は何をしても許されると思っていたのだろうか? 下っ端臭がプンプンしているのが笑えるぞ)

「俺はランクD-の冒険者でしてね、犯罪者を捕まえれば報奨金が貰えるのですよ。そして知っているとは思いますが犯罪者を捕らえるのに生死は問われません。あ、逃がしませんからね」

有力貴族ってのは犯罪歴を消せるマジックアイテムを持っていると聞いた事があるシローにとって、ここで騎士を逃がす選択肢はない。

この騎士を逃がせば犯罪歴を消されてしまう可能があるからだ。

貴族は領地経営する上で罪を償った者の罪狀を消す必要があり、その為のマジックアイテムが実在する。

シローがニヤリと笑い騎士を見ると騎士は揺したようで半歩後ずさる。

「抵抗しなければ生きていられますが、抵抗すれば貴方を殺して首を頂きます。さぁ、選んで下さい」

回りでシローと騎士のやりとりを見ていた商人たちはシローたちから離れるようにく。

騎士は額に大粒の汗を浮かべどうするか決めかねている。

更に門を守る兵士は遠巻きにシローたちのきを見ており、馬車の中の貴族はかなり苛立っているようで、シローの【気配知】にしっかりと反応が見て取れる。

(まったく、この國の貴族は馬鹿が多くて困るな。自分は何をしても許されると思っているのだろうか? クラウドさんのような貴族もいるのでしは救いもあるが、こんな馬鹿ばかりではこの國の將來はないな)

「冒険者ってのはどの國にも屬しません。そして犯罪者でもない冒険者には貴族でも手を出せません。もっとも闇討ちとかはいくらでもできますけどね。そして犯罪者でもない俺に剣を向けた貴方はここで俺に捕まるか殺されるか、選択肢は2つに1つですよ」

シローに向けている剣がブルブルと震えている。

(今までは貴族の威をかざしてやりたい放題していたのでしょうか? でもそれですと犯罪歴が賞罰欄に表示される事を知っているはずだからやっぱり新人の下っ端ですかね)

「さぁ、剣を捨ててそこに跪いて下さい」

「ふ、ふざけるなっ! 俺は騎士だぁっ!」

切羽詰って自暴自棄になった騎士は剣を振り上げそしてシローに向って振り降ろす。

しかし殘念ながら権力をバックに無法をはたらく者の溫い剣ではシローを切る事はできなかった。

そしてこれで殺人未遂も追加だとシローはほくそ笑む。

シローは半歩分を捻り剣を避けており、騎士の剣は盛大に地面にめり込んでいる。

「さて、このような暴挙を見逃す兵士はどうなりますかね?」

シローは傍観を決め込んでいた兵士たちに目線をおくり態と聞こえるように大きな獨り言を呟く。

慌てたのは兵士たちだ。

兵士の職務には治安維持も含まれているので、このような騒ぎを起こした者の暴挙を見逃したなんて事になればこの街を治める領主の面目丸潰れとなるのだ。

特に目撃者の多くは商人であり、商人ギルドとシローが所屬する冒険者ギルドの2大ギルドと険悪な関係になりかねないので、兵士たちはシローが素直に奴隷を渡し穏便に事を収めてくれる事を期待していたが、その目論見は脆くも崩れ去る。

「うあぁぁぁっ!」

騎士は再び剣を振り上げてシローに切り付けるのだが、シローが騎士の鳩尾を抉るように拳を突き刺してやるとをくの字に折り曲げ4、5mほど吹き飛び倒れて悶絶している。

今のシローの一撃であの騎士は暫く息もまともにできないほどの苦しみが襲う事だろう。

騎士は著込んでいたフルプレートの鎧の上から毆られたので鎧の腹部は盛大に凹んでおり、素手だったシローの拳は無傷である事から周囲に居た者はシローがかなりの実力者であると推測する。

シローのVIT値であればこの程度は當然なのだが周囲はそうは思わない。

事ここに至っては、のもあり2人の兵士が騎士を押さえつける。

もう1人の兵士が恐る恐るシローに近づいてくるが、その態度はシローに失禮なほどビビッている。

「す、すまないが、じ、事聴取を・・させて貰えるかな」

「俺は構いませんが・・・」

シローの視線が兵士の後方に停車している馬車に行っている事に兵士も気が付いた。

「これ以上ここで騒ぎを起こしては立場が悪くなるって事は馬鹿でも分かることだから」

別の兵士が喋り掛けて來たが、この兵士はゲスダー子爵なる貴族を知っているのだろう、馬車を一瞥すると苦々しい表で発言する。

そうこうしていると馬車の傍にいた騎士が1人こちらにやってくる。

「その者は當家とは一切関係ない者である」

たったそれだけ言うと踵を返し馬車の方に戻っていき、馬にると馬車を先導して街中に消えていく。

(いや~、ここまであからさまな蜥蜴の尾きりを見るのは初めてだけど、ある意味清々しいよね。あのゲスダー子爵と言う貴族が如何に下衆な奴かは想像ができるのだけど、下っ端騎士さんを最初から切る腹積もりだったのかな? だとすれば冷徹な下衆だ)

「ご主人様、お怪我はありませんか?」

「あの程度の事で怪我なんかしないよ」

その後、兵士の詰所で事聴取と言う名のほとぼり冷ましをしてから冒険者ギルドを目指す事になったシローたち。

あの貴族は當然の事ながらお咎めなし、そして騎士は脅迫、強盜未遂、殺人未遂の罪で奴隷落ちが決定した。

シローは報奨金以外に奴隷として売卻した金額の8割が支払われる事になったのだが、カウラニでは8割5分だった取り分がこのガイジャスでは8割なので奴隷売卻の手數料はその土地土地で多の差があるというのも分かった。

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