《チートスキルはやっぱり反則っぽい!?》チート! 039 炎の迷宮攻略記録3

どれほど強力な魔であっても倒すことはできる。倒せないのはそのものの力が不足しているからなのだ。

幾多の冒険者を飲み込んできた炎の迷宮は人類がこの地を支配する以前からこの地に存在している。

誰が創ったのか、最深部が何層なのか、報がないのはそれほど過酷で兇悪なダンジョンだからである。

そんな兇悪なダンジョンの中でありながら豪華な裝飾が施されたインテリアに囲まれた部屋がある。

「ほ~、35層に足を踏みれた者がいますか」

口はにやりと笑っているように見えるがその瞳は猛禽類のように獲を狙っているかのような鋭さがある。

「35層に人が足を踏みれたのはどれほど前のことでしたか?確かあの時は勇者といわれる者がきたのですよね?今回はどんな者が來てくれるのか、楽しみですね、早く私のところにたどり著いてくださいね。ふふふふふ」

この炎の迷宮にはいくつかの伝説がある。

それは魔王にまつわる伝説であり、どれも眉唾の噂として囁かれている類のものでもある。

Advertisement

曰く、炎の迷宮には魔王が封印されている。

曰く、炎の迷宮では魔王の部下が何かを守っている。

曰く、炎の迷宮の最深部には魔王を倒す武が眠っている。

などなどである。

しかし噂レベルの伝説は兎も角、この炎の迷宮には悪魔が住み著いているのは間違いない。

その悪魔は暇を持て余している。

誰も彼が住む部屋にたどり著かないことで彼は暇を持て余しているのだ。

だから時々地上に出ては暇つぶしに人をり弄ぶ。

しかし人が彼の住む場所にまで辿り著くのであれば彼は地上に出て悪戯をすることもない程度に緩やかな時間を過ごしているのだ。

「まだ時間はかかりそうですが、おもてなしの準備をしないといけませんね」

紅茶の香りを楽しみながら寛ぐ悪魔な彼はその頭から生える2本の角がなければ人に間違われそうな容姿だ。

そんな人に近い見た目の彼は人が自分の元に辿り著くのを心から楽しみにしている悪魔である。

しかしそれは人しいわけではなく、人を弄ぶことができると心から喜びをじているのだ。

Advertisement

悪魔としては至って真面目に生きている彼はそのことに何も疑問をじていない。

「早く來てくださいね。ふふふふふ」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

炎の迷宮、35層。

ここはキラーエヴィルバットが支配する階層だ。

人ほどの大きさのに薄い皮が特徴の羽を広げればの倍ほどにもなる巨大な蝙蝠だ。

音もなく高速で近づくステルス能が特徴だが、超音波によって人の三半規管を狂わせ平衡覚を奪うデヴィルサウンドも非常に厄介だ。

「數が多いな、アズハ行ってこい!」

「はい!」

天井に逆さに張り付くキラーエヴィルバットを見上げるシローが面倒臭そうな表になり、それをアズハに丸投げした瞬間である。

アズハは【立】を発させ何もない空間を駆け上がると、目の前に迫ったキラーエヴィルバットの群れに突っ込む。

一瞬で駆け抜けたアズハによってキラーエヴィルバットは羽ばたくも時すでに遅く次の瞬間、キラキラとエフェクトを発生させてアイテムに変わり地面にボトボトと落ちる。

しかしキラーエヴィルバットの數は非常に多い。

天井を埋め盡くすほどの數のキラーエヴィルバットをアズハは瞬殺できない。

瞬殺できないが、アズハには余りあるスピードを生かして【面】のキラーエヴィルバットの群れを【線】で侵食していく。

常人が目で追えないほどのスピードによりキラーエヴィルバットの群れの中を駆け巡るアズハは振り払う短剣の先から斬撃を飛ばしより遠くのキラーエヴィルバットを切り裂く。

數分後、シローの前にやり切ったと良い笑顔のアズハが立っている。

良い笑顔で尾もフリフリと揺れている。

神狼人となったアズハが尾を隠すのを止めたのだ。

黒くないことにコンプレックスを持っていた自分が狼人の神ともいえるシルバーフェンリルの族だったのだ、寧ろ譽に思うべきだと銀髪に変わった髪のを隠すことを止めたのだ。

しかし嫌いだった自分自の容姿を逆に誇らしく思う彼の心境の変化、それは種族進化を遂げたことだけではない。

今の彼の自信は神狼人となったことだけではなく、配下としてシローからの信頼を得ていると確信を得たことでり立っているのだ。

「よくやった。アイテムを回収したら先に進もうか」

地面に落ちているアイテムは『大コウモリの羽』そしてレアドロップの『怪薬』だ。

ノーマルドロップの『大コウモリの羽』でさえ1枚5萬レイルほどで冒険者ギルドが引き取っているし、レアドロップの『怪薬』は石化病という病気の特効薬として重寶される。

石化病はこの怪薬で治るが、怪薬がないと致死率100パーセントという恐ろしい病気として有名なのだ。

勿論、エリクサーのような怪薬以上にレアな薬を用いれば治すことは可能だが、手困難さはエリクサーの方が上なので態々エリクサーを使うことはない。

しかしここは『炎の迷宮』の35層であることから簡単に人がたどり著ける場所ではない。

よって石化病の致死率は100%と言っても過言ではなかったのも事実である。

36層に降りた瞬間、罠が発し3人を転移させる。

飛ばされた先は閉鎖された空間だ。シローの想はドーム球場のような広い空間だった。

「あ~なんだ、これはあれか?」

「多分、あれだと思う」

「はい、あれです!」

そんなじでのほほんと話していると地面に魔法陣が浮かび上がり輝く。

「來るぞ」

シローの聲とともに魔法陣の中心部から溢れるように魔が湧き出す。俗に言うところのモンスターハウスだ。

湧き出す魔はヘドロンかと思ったが、スライムだった。

青や緑、黃や赤などのとりどりの半明の涙型のその姿を見たシローは「おおースライムだ」と聲を上げるほど嬉しそうだった。

この世界に魔がいると知っていても見たことも聞いたこともないスライム。

涙型のボディにつぶらな瞳が何とも言えない可さを醸し出す。

そんなスライムに初めて遭遇したシローは日本ではお馴染みとなった魔に會えて歓喜する。

「なぁ、これテイムできないか?」

「え?……無理じゃない?シローにテイムスキルなんてなかっただろ?」

「そうですよ、でもったらぷるるんとしていそうでペットにほしいです!」

そうなんだ、と思いスキルの【チート】君を発させるシローだった。

《スキル【モンスターテイム】を取得します。MP50,000を消費しますが、追加でMP200,000を消費しますとレベル10の狀態で取得できます。実行しても宜しいでしょうか。Yes/No》

(勿論、Yes!追加MP200,000もOK!)

《スキル【モンスターテイム】レベル10を取得しました》

シローは【モンスターテイム】を取得するのと同時に【解析眼】を発させ魔法陣を解析する。

解析の結果、モンスターハウスの由來である魔が湧き出すのは魔法陣の中心の真上の天井部にあるクリスタルがエネルギーを供給していたことが分かった。

「アズハ、あの天井のクリスタルを壊してきてくれ」

「はい!」

空中に駆け上がるアズハがクリスタルに到達したのは指示されてから2・3秒程度だった。

そしてクリスタルをあっさり破壊したのでスライムが湧き出すのが止まる。

およそ100以上の各種スライムが「え、仲間はこれだけ?」と驚いているとも知らないシローは取得したばかりの【モンスターテイム】を発させる。

しかも全てのスライムを対象にしての力技である。

『キュイー!』

全てのスライムがシローのテイムをれる。

なのでシローが圧倒的強者であるのが本能で分かっていたのだが、【モンスターテイム】のレベルが高いこととシローのLUK値が高いことで一度に126ものスライムをテイムできたのだ。

「うん、數が多いな。皆合してくれ」

『キュイ、キュイ♪』

シローの指示でスライムたちが次々と合していく。

どうやらが違うと合できないようで最終的には赤、青、黃、緑、灰、黒、白の大きなスライムとなっていた。

「シロー殿、もしかしてテイムしたのか?」

「ああ、上手くいったぞ」

「上手くいったって……はぁ、シロー殿だからな」

「ご主人様、凄いです!」

ジーナに呆れられ、アズハにリスペクトされたシローであった。

目の前に整列する7のスライム。

はビックレッドスライム、火屬

はビックブルースライム、水屬

はビックイエロースライム、土屬

はビックグリーンスライム、風屬

はビックメタルスライム、金屬屬

はビックダークネススライム、暗黒屬

はビックホーリースライム、神聖屬

、青、黃、緑の4は一般的な屬のスライムだが、灰、黒、白の3は極めて珍しい屬のレアモンスターだ。

「プニプニだぞ!気持ち良い!」

「本當なのです!プニプニ、プニプニ」

「うむ、これは気持ちが良い」

三人が思い思いにスライムたちにれる。

「よし、お前はレッド、お前はブルー、お前はイエロー、お前はグリーン、お前はメタル、お前はダーク、お前はホーリーだ!」

「そのまま!」

「ご主人様、簡単で覚えやすいです!」

『キュイキュイキューイ!』

「何か喜んでいるように見えるぞ」

のスライムはを震わせ喜びを表している。

そんな7とのひんやりと気持ち良いスキンシップを暫く楽しんでシローはスライムたちと2人を連れて奧にできた出口を抜けて通路に出た。

暫くその通路を進むとまた広い空間に出る。

「ところでここは何層なんだ?」

「わからんな、どこかに立て札でもあれば良いのだがな」

「ダンジョンの中に立て札ってありませんよ?」

シローでもスルーするジーナの冗談に真剣に返すアズハ。

『きゅい~』

「ん、ここは39層なのか?」

『キュイキューイ』

どうやらシローはスライムたちの言葉が分かるようだ。

ただテイムしただけではここまでの理解は無理だが、名づけを行ったことで神レベルでの結びつきを得たシローとスライムたちだったから言葉にならない泣き聲の意味を理解できるようになったのだ。

「そこの階段を降りると40層らしい」

「スライムの言葉が分かるのか!?」

「凄いです!」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

■ 報 ■

氏名:レッド

種族:ビックレッドスライム

年齢:0歳

別:不明

報:シローの従魔

対シロー忠誠度:90%

■ 能力 ■

HP:200,000/200,000

MP:30,000/30,000

STR:3,000

VIT:1,000

AGI:1,000

DEX:1,000

INT:1,000

MND:1,000

LUK:1,000

■ 種族スキル ■ 

・合・分裂

・吸収Lv10

・溶解Lv10

■ ウルトラレアスキル ■

理無効Lv10

■ レアスキル ■

・火魔法Lv10

■ 弱點 ■

・なし

スライムはによってステータスに差がある。

赤:STRが高く火魔法が使える。

青:DEXが高く水魔法が使える。

黃:VITが高く土魔法が使える。

緑:AGIが高く風魔法が使える。

灰:LUKが高く金屬魔法が使える。

黒:INTが高く暗黒魔法が使える。

白:MNDが高く神聖魔法が使える。

    人が読んでいる<チートスキルはやっぱり反則っぽい!?>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください