まず目にったのは。

教卓に座るスケバン。

今は何時代だ！

スケバンって……！？

はあ！？

黒髪を肩甲骨の下辺りまで黒髪をばした吊り目の人。

そう言葉を並べれば聞こえはいいが、実はそんなものではない。

胡座をかいて座り込んでいるため丈は分かりづらいが多分膝上スカート。

金をかけて買ったスカートには手で破ったろうことを想像させる雑なスリット。

そのスリットはこれまた暴に靴紐の如く太めの黒い糸で辛うじて繋ぎとめてある。

「あ''あ？　なにこっちにガン飛ばしてんだよ！　おいおい兄ちゃんやっか？  おら來いよ！」

喋ってる容もまるっきりヤのつく自由業だ。

こんな威嚇程度では怯まないが、公立の、しかも俺が學した學校にこんな天然記念ものの子生徒がいるとは。

そしてもう一人。

ピンクの人が。

そりゃあもう、ピンクだ。

教卓にて立ち上がる不良子はまだ黒いセーラーだったから彩的には目立たないが、こちらはすごい。

教卓の真ん前の席に座る生徒がにつけているのはショッキングピンクのセーラー服である。

さらに、至る所にやたらとレースがひらひら付いている。

スカートは膝下に見えるが、その膨らみようがハンパではない。

足元は予想通り、ショッキングなピンクのパンプス。

そして若干の垂れ目ながらも十分に彼の持つ高貴さの現れた貌。

「あら、ご機嫌いかが？　転生さん、火矢さんの喧嘩腰は気になさらないでよろしいですわ。これが彼の親を示す態度ですので」

そんな聲掛けにどう返せば正解なのか分からず、このヤバみに溢れる生徒たちの擔任を探すと、いた。

前日、新たに生徒に加わるということで顔合わせをしていたため見つけることができた。

その教師は、教室の後ろ方に著席していた。

座った狀態からでも伺える程の背の高さ。

180は優に超えているだろう。

そして普通に人だ。

じゃなくて、先生、しっかりしろよ！

「龍生りゅうせいさん……その、転生くんの紹介と、朝禮を……」

俺の心の聲は神に屆けども、先生には屆かなかったようだ。

このクラス、學級崩壊起こしてるのか！？

どこで選択を間違えたんだ！

「あ''あん？　おい、さっさと自己紹介しちまえよ。こちとらお前を毆りたくてウズウズしてんだっつの！」

騒なことばかりおっしゃる教卓の不良子こと龍生さんが急き立てる。

え、俺か、俺が悪いのか。

その他普通そうに見える生徒には悪いから彼の言うとおりさっさと済ましてしまおう。

「えっと、皆さん、初めまして！　勝鬨聖生かちどきせいい。得意なことはをかすこと。夢はハーレム結です。よろしくお願いします！」

拍手は、無かった。

え、失敗……した？