《異世界を追い出された俺は──元の世界でハーレム作りに勤しみます【凍結】》お掃除 ろりさいど

「てめえらキリキリ馬車馬のように働けよ!」

さっきとは人格が変わったかのようにお兄ちゃんは喚きます。

まあ、喚きながら手はかしているんですがね。

私は書類の期限別整理を。

火矢さんはゴミ分別を。

沙那さんは掃き掃除と雑巾掛けを。

それぞれ命じられました。

沙那さんは兎も角、あの火矢さんが頭ごなしに命令されて渋々ながらも従う程、お兄ちゃんは迫力がありました。

でもこっちが素なんですよ、あの人。

丁寧な口調を聞いた時、思わず笑しそうになりましたもん。

何事かって。

暴な言葉遣いだけど優しい。

そんな、ギャップ萌えを狙っているが如くのキャラ設定。

それがお兄ちゃんですから。

そのお兄ちゃんは誰よりもせっせと生徒會室をピカピカにしていきます。

火矢さんが選り分けているゴミを奪って一瞬でゴミ袋に分別して投げれる。

沙那さんが掃いていた床を瞬きする間も無く塵一つ殘らず片付ける。

「どこのお掃除ロボットですか!」

「そこのロリも整理早く終わらせろ」

こんなに綺麗にしたにもかかわらず、ずっとき回って蟻のすら見逃さないよう目を凝らして箒をパタパタ。

私の任されたこの書類の順番を揃える仕事。

一番楽なものだけれど、信頼されてないのかな、と勘繰ってしまう。

私のこと、覚えてないみたいだし。

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