「もう……無理……」

「おい、勝鬨。こんなんでへばるとかまだまだだぜ」

「某テニヌ漫畫の主人公みたいなこと言わないでくれ」

「ほら、みんな自分の人生の主人公ってな」

ははは……。

そんな乾いた笑いしか出てこない。

生徒會室から帰って來ての5、6時間目。

龍生は、それはもう嫌がらせのように怒濤の質問攻めをしてきた。

このクラスには俺しかいないのかと思うくらい。

そんな授業ではあったが非常にけは良く、生徒たちは勉強に対して積極的な姿勢で臨んでいることがひしひしとじられた。

前の學校の様子はうろ覚えだが、こんなにも意的なクラスじゃあなかったと思う。

そう考えると、龍生の教鞭は本職の教師並み……いやそれ以上に優れたものであるということが浮き彫りになる。

今のところ彼に好を抱いていない俺としては複雑なものがあるけれど。

「なあなあ、このあと暇か？ 何人かってカラオケ行こうと思ってんだ。転生と仲良く、的なコンセプトで」

しつこく肩を揺すって遊びのおいをしてくるこの男子生徒は相津藍蔓あいつあいつる。

「無理だ。また生徒會室行ってくるから」

「はああ！？ 龍生さんと！？ それマジ！？」

軽く斷って話をブチ切ろうと試みるが、余計に興味を引いてしまった。

原因が全くもって分からない。

俺の倉を摑む勢いで迫り來る。

「な、何であれ、違う。あの、違うな。あいつとって話になってんだ？」

「え？ いやだってそうだろう？」

そうだけども。

なんだってそんな興してるんだか。

訝しそうに見ていたからだろう、あちらから答えを述べてくれた。

「あの人は俺たちのーー英雄ヒーローなんだ！」

世界観、間違えてません？