《異世界を追い出された俺は──元の世界でハーレム作りに勤しみます【凍結】》俺はーー
なあ、病院行ったらどうだ?
相津にそう言われてしまい、自分の顔はそんなに酷い顔をしているのかとトイレの鏡に向かっていた。
「ははっ、幽鬼みてえだな」
自嘲の笑いが口をつく。
蒼白く薄っすら明がある。
隈とまでいかないまでも目の下が黒味を帯びて尚暗さを醸し出している。
蛇口を捻って水を出し、両手に水を溜め顔にかけた。
ばしゃばしゃと何度も繰り返したところで顔に滲み出る負のオーラは隠しようもない。
そうと分かっていながら俺は、水で顔を洗うことを止めなかった。
「お兄ちゃ、ぎゃっ! びしょ濡れじゃないですか!」
放課後、誰もいなくなった教室で吹留が待ち構えていた。
扉を開けるとそこにはロリが。
「風邪ひきますよ!」
ええと、これハンカチ。
拭いてください!
差し出される黃い花柄の小さなハンカチ。
見るばかりでけ取ろうとしない俺に痺れを切らしたのかそのハンカチで顔を拭う。
されるがままで無表で立つ俺は実に不気味だったことだろう。
気にせずに甲斐甲斐しく世話を焼くこの後輩は何故、昨日出會ったばかりの俺にここまで。
やはり前に會ったことがあるというのは本當のことだった、と裏付けるための行為か。
そんな最低なことを考えられる俺こそが最低だな。
気分が最低であれば、“最も”という底すら容易くぶち破って更に奧深くへと突き進む。
ささくれだった心は勢いを持って地下へ降りて行く。
「お兄ちゃん、髪の手で整えた方がいいですよ。ちょっとれちゃいましたから」
「放っておいてくれ」
出た言葉はこんなもの。
俺だってテンプレ抜けきれねえな。
放っておいてくれだなんて、反抗期の子供やリストラされてやけくそになったサラリーマンのように自暴自棄の代名詞みたいな奴らが決まって揃って吐く臺詞だ。
ハーレム作りたいってのだって、あれらを忘れたくて気を紛らわせるためだったんだ。
「お兄ちゃん、死にたいんですか?」
…………。
ギロッと強く睨んでしまったかもしれない。
どうしてそんなことを言うのか、と視線で問い質すと。
「え、だって。お兄ちゃん、すっごい泣きそうっていうか、縋りつきたいっていうか、逃げ出したいっていうか。とにかくそんなのがゴチャマゼになったのが顔に出てますよ?」
ピタッと顔に両手を當てる。
まさか。
そんな。
「でも、自殺したいんでしたら、私が全力を持ちまして、殺してでも止めて見せます!」
〜*〜*〜*〜*〜
想、ありがとうございました!
何より勵みになります(o^^o)
もうすぐ100くらいあっという間に超えてしまいそうですが…プロフって別と部活、大まかな年齢くらいでいいのですかね(
ま、まあ超えないことにはどうにもなりませんし、今日はここらで。
ではまた次回!
6/15発売【書籍化】番外編2本完結「わたしと隣の和菓子さま」(舊「和菓子さま 剣士さま」)
「わたしと隣の和菓子さま」は、アルファポリスさま主催、第三回青春小説大賞の読者賞受賞作品「和菓子さま 剣士さま」を改題した作品です。 2022年6月15日(偶然にも6/16の「和菓子の日」の前日)に、KADOKAWA富士見L文庫さまより刊行されました。書籍版は、戀愛風味を足して大幅に加筆修正を行いました。 書籍発行記念で番外編を2本掲載します。 1本目「青い柿、青い心」(3話完結) 2本目「嵐を呼ぶ水無月」(全7話完結) ♢♢♢ 高三でようやく青春することができた慶子さんと和菓子屋の若旦那(?)との未知との遭遇な物語。 物語は三月から始まり、ひと月ごとの読み切りで進んで行きます。 和菓子に魅せられた女の子の目を通して、季節の和菓子(上生菓子)も出てきます。 また、剣道部での様子や、そこでの仲間とのあれこれも展開していきます。 番外編の主人公は、慶子とその周りの人たちです。 ※2021年4月 「前に進む、鈴木學君の三月」(鈴木學) ※2021年5月 「ハザクラ、ハザクラ、桜餅」(柏木伸二郎 慶子父) ※2021年5月 「餡子嫌いの若鮎」(田中那美 學の実母) ※2021年6月 「青い柿 青い心」(呉田充 學と因縁のある剣道部の先輩) ※2021年6月「嵐を呼ぶ水無月」(慶子の大學生編& 學のミニミニ京都レポート)
8 193【書籍化】白の平民魔法使い【第十部前編更新開始】
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