痛い。

ヒジョーに痛い。

何故って、吹寄に平手されたからだ。

そんなに酷いコマンドを選択した覚えは無いんだけどな……

「は、ハーレムぅ？」

吹寄の口角が引き攣った。

「いや、待て、ほら、今のはつい口をついて出ちゃった言葉の綾で」

「ついつい言ってもそんな駄灑落は寒いだけなのでよしてください。それに言葉の綾でって何です？ 意味理解して使ってます？」

どんどん目からが失われていくに従って、周りの席の奴らまで引いていく。

おいおい薄な奴ばっかだな！

俺も逃げてーよ！

「想像してただけだって！ ハーレムは男の夢なんだよ！ そうだな、皆！」

首をぐるっと回して後ろの男子共に同意を求めるが視線を逸らすどころか、を半回転する奴もいる始末だ。

「ハーレム・・・・が夢なんですかそうですか(え、なんですか、私が彼になるのを目指すのは無駄ってことですか！？)」

「ゆ、ゆゆゆゆめで悪いかよ！？」

聲の震えはもう隠しようがなかった。

チビるよぉ、下手な魔よりこえーよぉ！

「あ、聞こえてませんでしたかそうですかそれはいいんですが一発叩かせていただきますね」

一息に言い切った彼は甲高い衝突音を肯定に響かせた。

「冷やしても痛みが引かねー……」

昇降口の橫に設置されている水飲み場で、頬を洗う。

ここに鏡はついていないから分からないが、きっと真っ赤っかになっていることだろう。

親に何も言われないといいのだが。

……あ、そうだ。

席に戻ると、俺の隣の席に吹寄が座っていた。

そこにいた奴をどうしたのか気になるところではあるけれど、知らない方がいいこともあるのだ。

吹寄、と呼んでから手に持っていたものを投げて渡した。

わわっなどと言いながらキャッチした彼はそれを見て呟いた。

「……ハンカチ？」

「俺叩いて、手ぇヒリヒリするだろ。ちょっと冷やしとけ」

「(反則級……)」

何か言っているの分かっても、容までは聞き取れなかった。

あー、そんなことしなくていい、とか？

「余計なお世話だとは思ったけど、一応な」

「余計な！ お世話！ なわけ！ ないです！」

すごい力んで言われた。

さっきの失言については許してもらえた、のかな？

〜＊〜＊〜＊〜＊〜

吹寄の出番多い…龍生はもちろんピンク子も出さなきゃ。

てか、ピンクピンク言われて名前出て來てないやん。

頑張ろ…

よかったら、コメントくださいね！

ではまた次回。