《マルチな才能を発揮してますが、顔出しはNGで》顔出しNGの事があるのです 13
 こッ、これが部長の本気だったんですか!?
 今まで何度か試合での部長のプレーを見たことがあったけど、ここまで凄まじいプレーをする部長を見たことがない。
「全員聞いて! 相手は予想通りマンツーマンディフェンスで當たってきてるから、オフェンスはこのままで行くわ! 問題は相手のオフェンスね、相手のチーム全員突破力が高い。 とくに相手の7番は私も止めきれないわ。 後半はディフェンスをマンツーマンからゾーンディフェンスに変更、ポジションに変更なし。 後半逆転するわよ!」
「「「はいッ!!」」」
 すごい気迫…試合に出ているわけでもないのに、が締め付けられるような覚に襲われる。
「花沢さん」「はいッ!?」
 不意に部長に呼び止められて、聲がし裏返ってしまう。 後半戦が始まる前の大切な時に、私なんかを呼んでどうしたのだろう?
「貴は前半の試合を見て、どう思った?」「え? 部長のプレーをずっと見ていて、すごいキレイで上手だなって…」
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「ありがとう。 でも後半戦は私だけじゃなくて、1人1人のきに注目してチーム全を観見てほしいの」「チーム全をですか?」
「そう、それがバスケを楽しむための大事な1歩になるはずよ」「バスケを… 楽しむ… 」
 チーム全を見ることがバスケを楽しむことと、どう繋がるのだろうか。考えれば考えるほどわからなくて頭を抱えてしまう。
 「…柄にもないことしちゃったかしら…. 私も月くんに影響されてるのかしらね… 」
「部長、今何て…?」「いえ、何でもないわ」
 確かに何か言っていたような気がするけど、今はチーム全を見ることと、バスケを楽しむことの繋がりを一生懸命考えることに集中した。
 ハーフタイム終了のブザーが鳴り響き、両チームの選手がコートの中にっていく。
 部長がコートの中にるときにベンチを振り返り、私にしだけ微笑んだような気がした。
 後半戦が始まり両チームとも相変わらずの接戦を繰り広げている。
 私は部長のプレーに目を奪われがちだけど、なんとかチーム全を見るように意識していた。
 試合時間が殘りなくなると、私にも分かることがあった。
 部長がどうしてあんな凄いプレーが誰の邪魔もされずに出來るのか?
 チーム全がポイントゲッターである部長を生かすために、相手のディフェンスを引きつけたり、ブロックしたりして、部長の邪魔にならないようにいている。  それは誰かが指示をだしたわけでもなく、1人1人がそれぞれのやろうとしていることを把握して、アイコンタクトやちょっとした掛け聲だけで意思疎通していているみたいだった。
 チームのメンバーを理解し信頼して、そして協力し合って初めて、部長のような凄いプレーが生きていくんだ。
 バスケは1人じゃ出來ないスポーツなんだ!
 私にはそれが理解できていなかった。
 いくらシュート率を上げても、スタミナをつけても、それだけでは個人の力量を出ないし、それだけでは試合に勝つことは出來ない。
 5人全員の連攜がとれて、初めて勝利をすることができる。 バスケは1人で戦うんじゃなくて、5人全員で戦うんだ。
「さあ!! 殘り時間も僅かとなってまいりました! 六花大付屬高校は88、神無月學園は89とほぼ點數は並んでいます! 最後の最後までわからない試合展開!! 勝利の神は果たしてどちらに微笑むのかぁああ!?」
 義也くんの相変わらずの司會にもさすがにもう慣れたかな。隣にいる月先輩も何だか楽しそう。
 コートを挾んで反対側だからよくわからないけど、きっとこの試合を楽しんでいるのかな、これだけ距離があれば月先輩の顔を見ることができるみたいで良かった。
「きゃッ!」
今、月先輩と目が合った気がする… やっぱり恥ずかしいな。
 月先輩にバスケを楽しむことがしわかった気がしますって話したいな。
 「おっとー!? 六花大付屬高校のファールだ! 相手チームへフリースローの権利を與えてしまった! これは痛い!! さらに殘り時間が4秒しかない! これで決まってしまうのか~!?」
 點差はなく同點、フリースローで2點決められてしまえば、3ポイントをれるしか逆転のチャンスはない。
「おや? なんと神無月學園はシュートを打つ選手以外を下げて守りを固めたー! フリースローで1點でも決め、それを守りきる作戦なのでしょうか!?」
 會場にいる全員が固唾を飲んで見守る中フリースローが始まる。
「さあ、1本目! ……外したーッ!」
 さすがにこの場面で張したのか、放たれたボールはゴールリングに弾かれる。
「さあ2本目は!! …ったーーッ!」
 1點差! 殘り時間4秒、間に合って!いつの間にか固く握った手を解き、両手をの前で組む。
 2秒でハーフラインを越えるが、その時點で相手はフルメンバーでディフェンスに當たっている。
 部長がフリーでボールをけ、ミドルシュートを放とう構える。 しかし、それを見越して2人係でブロックにられてしまう。
「あ、ダメッ!」
 ブロックされたと思ったその時、相手選手2人の間からドリブルで突破する部長。
「ここでフェイクだーッ!!」
 殘り1秒もない、お願い間に合って!!
 部長の放ったシュートがリングを潛り抜けると同時にブザーが鳴る。
 右手の人差し指と中指の2本を立てた審判がその腕を大きく振り下ろした。
「カウントだぁああ!! 98対97で六花大付屬高校の勝利でーーすッ!」
「「「うおおおおお!!!」」」
 練習試合だというのに會場全が沸き起こる。
「凄い、本當に凄い! 勝ったんだ、先輩たちが!!」
「私の負けね、悔しいけどすごく楽しかったわ」「ええ、とても良い試合だったわ」
「約束通り、アナタが勇志に馴れ馴れしくしても文句は言わない。 けど、勇志を落とすのは私なんだからねッ!」「なッ、なんで私が貴と月くんを取り合わないといけないのよ!? べッ、別に月くんなんて何とも思ってないんだからッ!」
「ふーん、じゃあこっちの勝負は私の不戦勝ってことになるのかしら?」「な゛ッ!?  そんなのわからないじゃない? 月くんが貴より私の方がいいって言うかもしれないでしょ!?」
「はぁ~!? 自意識過剰じゃない?それ」
 あのー、先輩たち?もうし場をわきまえて話してくれませんか?
 なにもそんな大聲で、月先輩だってきっと聞いてますよ…?
 あれ? なんか月先輩、放送委員のインタビューみたいのに捕まってて、全く聞いてないみたい…
 それにしても、2人とも月先輩のこと好きなんですね…
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