《マルチな才能を発揮してますが、顔出しはNGで》顔を隠したある休日の話 3
 私は夢でも見ているのでしょうか…?
 大好きなユウさんの隣に並んで歩くことができるなんて…
 しかも、ユウさんは確かにこれを“デート”だってハッキリと言っていました…!
 私は天にも昇る気持ちを顔に出ないように、自然にニヤケてしまう表をその都度直します。
 ダメよキアラ! ユウさんの前でこんな顔をしていたら変な子だって思われちゃう! ユウさんには、私のことをしでも可いと思ってもらえるように努力しないと!
 そう自分に言い聞かせて気合いをれます。
「あの〜、キアラ? やっぱり俺なんかと一緒じゃつまらないかな… 」
 ユウさんから見えない位置で1人でグッと握り拳を作ってガッツポーズをとっていた私を見たユウさんが、申し訳なさそうな聲で訪ねてきます。
「そっ、そんなことないですッ!! 私、ユウさんと一緒にこうして、でっ… デートできて凄く嬉しい… です… 」
Advertisement
 勢いで言ってみたものの途中から恥ずかしくなってしまい、だんだん聲のボリュームが落ちていきます。
 夢にまで見たユウさんとの“デート”という言葉を口にして初めて実が湧いてしまって、嬉しさと恥ずかしさで全が焼けるように熱くなっていくのをじます。
「う、うん… ありがとう… 」
 そう言ってユウさんは頭の後ろをポリポリ掻きながら、明後日の方を向いてしまいました。
 もしかして、ユウさんも張したりしているのでしょうか?
「えっと! じゃあキアラ!」「はッ、はいッ!!」
「その… どこか見たい所はある? と言っても自分の會社だし、いつも買いとかしていると思うけど… 」「ありますッ! ユウさんと行きたいところいっぱいあります…!」
「…良かった!じゃあ一緒に行こうか!!」
 それから私とユウさんは、普段私が買いをする服屋さんや雑貨屋さんを見て回りました。
 いつも來ているお店も、ユウさんと2人だと全く違って見えて、し派手な服も、可くないぬいぐるみも、私の目には全てが輝いて見えました。
「ユウさん、これなんてどうですか?」「俺にはちょっとお灑落過ぎる気がするんだけど… 」
「そんなことないですよ! 絶対似合いますッ!」「じゃあ試著してみるよ、その代わりキアラもこの服著てみてくれない?」
「え? 私がですか!?」「うん、この服キアラが著たら凄く似合うと思うんだけどなー」
「きッ、著させて頂きますッ!」
 2人で隣同士の試著室にそれぞれり、私はユウさんが選んでくれたらかい水のウエストリボンのワンピースに著替えます。
「ううっ… 」
 薄い壁の所為でしょうか、隣からベルトを外す音や服がれる音が聞こえてきて、さっきからドキドキが止まりません!
 だッ、ダメよ私! すぐ隣にユウさんがいるのに変な妄想とかしたら…!
 考えないように、妄想しないようにと思えば思うほど、私の頭ではユウさんとの甘い妄想が広がっていきます…
…
……
………
「キアラ?」「……… 」
 寢室のクイーンサイズのベットで眠っている私の耳元で、ユウさんがその優しくて甘い聲で私の名前を呼びます。
 「疲れて眠ってしまったのかな… 」
 私の前髪をでるようにして、ユウさんの指が頬にれます。
「じゃあキアラと夢の中で會えるように、キアラをギュッと抱きしめながら僕も寢ようかな… 」
 そう言ってユウさんはおもむろに上の服をぎ、その次はベルトを外して下の服も全部ぎ捨てると、私の眠るベットの中へ潛り込み、そっと背後から優しく私のを自分ので包み込みました。
「うん… ユウ…?」「ごめんね、起こしてしまったかい?」
「ううん、いいの… 目を開けたら隣にユウがいたから… それだけで私は幸せなの… 」「キアラ… 」
「ユウ… 」
 そして重なり合う二人の…
 …
……
………
「…アラ? キアラー?著替え終わったー?」「はッ!? ユ、ユウさん!? あ! もうすぐ終わりますッ!!」
 あれだけ変なことを考えないように言い聞かせていたにも関わらず、あんな恥ずかしいことを平気で妄想してしまっていました。
「お待たせしました!」
 途中で止まっていた著替えを急いで済ませてカーテンを開けると、そこには私が選んだジャケットと細のジーパンに著替えたユウさんが立っていました。
「……!?」「えっと、やっぱり変… かな?」
「ちっ、違いますッ! その… 凄く似合ってて、凄く格好良くて… その… 」「え…! っと、あ… ありがとう… 」
 どっ、どうしよう… ユウさん格好良過ぎるよ〜!!
 「キアラもさ、その… 似合ってるよ! 凄く可い… 」「え…?」
 ユウさんに言われて改めてちゃんと自分の姿を鏡で確認します。そこには普段とはし違う大人っぽい服裝の私がし頬を赤らめて立っていました。
「あ… 可い、この服… 」「それもそうだけど、やっぱりモデルが良いからじゃないかな?」
 私が鏡を見ている橫にユウさんが立って、お互い鏡越しに目が合います。
「そっ、そんなことないですよ! ユウさんが選んでくれた服が良かったんですよ!」「はいはい、そういうことにしておいてあげましょう」
 そう言って2人してクスッと笑いました。
 私が選んだ服を著たユウさんの橫に、ユウさんが選んだ服を著ているし大人っぽい私が並んでいて、それはまるで私とユウさんが付き合いたてのカップルのように見えます。
 私とユウさんを見た人はきっと今の私みたいに、この人たちは付き合ってるのかなって思うのでしょうか…
 あああああッ!! すごく恥ずかしい〜ッ!!
 私ったら本當に何を考えているのッ!?
 結局、ユウさんも私も試著した服をそのまま購しました。
 だってユウさんが私のために選んでくれたんですよ!? 買わないわけにはいきません!
「キアラ、そろそろ休憩しようか?」「はい!」
 ユウさんはそう言って辺りを見回し始めると、ふと目線が何処かで止まりました。
 私もユウさんが見ている方に目を向けると…
「ゲームセンター…?」
 ユウさんの視線の先には、々なのが輝くゲームセンターがありました。
「あっ、いや! ごめんごめん、まさかここにゲーセンがあるなんて思ってもなかったから… 」
 もしかして、ユウさんはゲームセンターに行きたいのでしょうか?
「あの… 私、ゲームセンターって行ったことがないので、その… 良かったら案してくれませんか?」「え…? そうなの!? なら… 俺がバッチリ案するよ! 行こう!!」
 そう言ったと思ったら、ユウさんは私の手を取ってゲームセンターまで駆けて行きました。
 ついに、私はユウさんと手を繋いでしまいました…
 
- 連載中93 章
【書籍化】悪喰の最強賢者 ~兄のせいで『加護なしの無能は出て行け!』と実家を追放されたけど、最強の力が覚醒したので無雙します。危険度SSランクの魔物なら、僕が食べ盡くしましたよ?~
「無駄飯ぐらいの役立たずが! おまえにはこの家から出て行ってもらう!!」 神官を買収した兄のせいで、加護なしだと認定されたディオは、體裁を取り繕うことしか頭にない父によって実家を追放されてしまう。 ところが、工作がばれることを恐れた兄に突き落とされたダンジョンの底で、最強の加護が覚醒する。 SSランクの魔物の能力を100體分手に入れ、難なく地上に戻ってこられたので、とりあえず実家に戻って兄の顔でも見てみようか? 僕の追放を撤回し、今度は兄を追い出そうとする父。 泣きながら縋り付いてくる兄。 しかし、親子そろってゴマをすってきてももう遅い。 「哀れだな、兄さん。それから父さん、出ていくのはあなたもですよ」 「へ?」 これは、全てを失い奈落の底まで落とされた少年が、最強の力で成り上がっていく物語。 【※ハイファンランキング日間1位、週間1位ありがとうございます!】
8 107 - 連載中24 章
1分の時があれば
主人公の永合亮は超美人な同級生に好かれている自覚なし!?そして、ふとした事で同級生を悲しませてしまう。亮は謝ろうと決心する。だが、転校してしまう同級生。亮はどうするのか。
8 123 - 連載中51 章
創成の転生者〜最強魔導師の転生記〜
主人公のユリエルには、自分の知らない前世があった。それは1000年前、300年にも渡る戦爭を止めた救世の魔導師エリアスという前世。 彼は婚約者であるミラと過ごしていたが、ある日彼女は倒れてしまう。 彼女を救うため、エリアスは命を賭し、自らに輪廻転生の魔法を掛け、ユリエルとして転生した。 ユリエルは、エリアスの魔法を受け継ぎ、ミラとの再會を果たすため奮闘して行く!! 主人公最強系ハイファンタジーです! ※タイトル変更しました 変更前→最強魔導師転生記 変更後→創成の転生者〜最強魔導師の転生記〜 內容などには変更ありませんのでよろしくお願いします。
8 129 - 連載中78 章
ひねくれ魔術師が天才魔法使いよりも強い件について
『大魔法世界』この世界で懸命に生きる ひねくれ魔術師の物語 強者揃いの魔法學園で暴れ回る! こちらの作品は様々な事情から『ひねくれ魔術師と魔法世界』に移行しました。 ご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。
8 187 - 連載中15 章
僕は彼女に脅迫されて……る?
僕は彼女の秘密を知ってしまい。何故か脅迫されることになった。 「私はあなたに秘密を握られて脅迫されるのね?」 「僕はそんなことしないって」 「あんなことやこんなことを要求する気でしょ?この変態!」 「だからしないって!」 「ここにカメラがあるの。意味が分かる?」 「分かんないけど」 「あなたが私の秘密をしった時の映像よ。これを流出されたくなかったら……」 「え、もしかして僕脅迫されてる?」 「この映像見かたを変えたり、私が編集したら……」 「ごめんなさい!やめてください!」 こうして僕は脅迫されることになった。あれ? 不定期更新です。內容は健全のつもりです。
8 68 - 連載中6 章
サウスベリィの下で
罪深いほどに赤く染まった果実の下、人生に背を向けて破滅へと向かう青年小説家と彼の最愛の”姉”は再會する。古び、色褪せた裏庭にて語られる過去の忌々しい事件と、その赤色の記憶。封じられた蔵書の內奧より拾い上げた、心地よく秘密めいた悪夢幻想の手記。
8 62