《最弱になりすました最強》嵐の前のラブコメ

神扇かおうぎが魔法を使えないと知られてから一週間。學園の生徒たちのほとんどが神扇を蔑んだ。

だが、神扇は気にすることなく過ごしていた。

「………?」

晝休み、一人で靜かにご飯を食べていると聲が聞こえた。聲のするほうに向かうと複數人の男子生徒が一人の子生徒を囲んでいた。

(うわ、嫌なとこ見ちゃったよ……)

(助けるのか?)

(見たからにはね)

アマノトとし會話をし終わったあと神扇は男達のほうへ寄り、聲を掛けた。

「あの~……」

「あぁ?なんだてめえ」

リーダー格の男が神扇を見て威圧する。

(なぜかめっちゃ切れてらっしゃる……)

聲を掛けただけなのにすごくガンを飛ばされた。なぜだ。まだなにもしてないのに。

「その娘こを放してもらっても……」

「だめに決まってんだろ。これから俺たちが楽しむんだからよォ」

リーダー格の男はそう言っての腕を摑む。

「っ、………」

は怖いのかし涙目である。

「へへへっ、そそるねぇ。……おい、お前らあいつを黙らせろ」

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リーダー格の男は他の男子生徒に命令した。

「では、楽しむとするか……」

に近づこうとすると後ろから聲がした。そして肩に手を置かれた。

「だから、放せって言ってるんだよ」

「なっ……!?」

男が驚愕する。

「てめぇ、あいつらをどこに……!?」

男は続きを言えなかった。なぜなら神扇の後ろに倒れ伏している複數の男子生徒がいたからである。

「てめぇ、なにしてくれてやがんだ!」

男が毆りかかろうとすると神扇はその拳を片手でけ止めた。

「なにって……向かってきたからちょっとやっただけだよ。自己防衛さ」

(ぐ、こいつ全然かねぇ)

男が重を前に掛けて押し込もうとするが一歩もかない。

「な、めるな、よ!」

男の手の平が淡くる。ドォンっ!と音がして目の前に土煙が立つ。魔法を使ったのだ。

「ハハッ、これで終わりだ」

男はそう言って煙が晴れるのを待つ。

「なっ!」

煙が晴れるとそこには誰もいなかった。そして男の肩に再び手が置かれる。

「今のはちょっと危なかった」

(な、なんだこいつは!?)

男は一歩もけない。神扇がものすごい力で押さえているから。

「暗技『楔くさび』」

神扇は男の頭を持つと地面に埋め込んだ。

「あ、ぐ……」

頭を地面に埋め込まれた男はまるで杭のようだ。

神扇は男をほっといてに聲を掛ける。

「大丈夫?」

に手を差し出すとは震えながらも神扇の輝を摑んだ。

「よっ、と」

神扇はを立たせた。

「おい、なんか凄い音がしたぞ」「あっちのほうだ」

「先生呼ばなきゃ」「喧嘩か?」「さあ?」

あちこちから聲が聞こえる。

(やばい!人がくる。騒がれるのは嫌だから……)

「ちょっとこっち來て!」

神扇はの手を握ると走った。

「え、あ……」

は戸いながらも引っ張られるようについて行った。

●●●

「はあ、はあ、ここまでくれば大丈夫でしょ」

神扇とが隠れたのは校舎裏だった。

「あ、あの……」

「ん、なにかな」

神扇が域を整えているとが聲を掛けてきた。

(……改めて見ると可いんだよなぁ)

艶めいた黒髪は結わずに下ろしていてカチューシャを付けている。結わないから目が見えないんだけど(カチューシャの意味ないよね)、微かに覗く瞳は綺麗なをしていた。年下なのか背は小さい(可らしい)。あと、がとても白い。日差しをけたことがないってくらい白い。

「えっ、と…あの……ありがとうございます」

お禮を言ってきた。

「え、ああ」

神扇が素っ気なく返すが気にした様子もなく、さらにが言う。

「な、なにかお、お禮をしたいなと……」

(なんだかやけに聲が小さいな。人見知りかな)

「お禮なんて別にしなくても……」

「そ、それじゃ私の気が収まりません!」

 し強めに言ってきた。

「えー、どうしようかな……?」

なんかないかなと考えていると

(あ、……これでいいや)

一つだけ思いついた。

「じゃあ……」

「は、はい」

し不安そうにしている。

「大丈夫。そんな大した事じゃないから安心して」

「わ、分かりました」

はそう言うがやっぱりまだ不安そうだ。

「君の顔を見せてほしいんだ」

「……え」

が驚く。

「だめ、かな」

「あ、いえし驚いただけで」

「じゃあ、見せてくれる?」

「わ、分かりました」

が震える手で前髪に手を當てると前髪をあげた。

の瞳は違いだった。いわゆるオッドアイ。右目は碧で左目は金だった。とても綺麗で神扇は一瞬その瞳に見とれていた。

「・・・・・・」

「あ、あのやっぱり変ですよね……」

「いやいや!変じゃないよ。すごく……綺麗だ」

「っ……」

が顔を赤くする。が俯いたので瞳が隠れてしまった。

「あ!もっとよく見せて」

神扇はそう言ってに近づくと前髪をろうとした。

「えっ……」

し後ろに下がったのでそのせいで神扇とともに倒れてしまった。

「うわっ」

「きゃっ」

ドスンと軽く音がした。

「てて……」

神扇は頭に手をやりながらを起こすとそこには前髪がなく、綺麗なオッドアイが再び神扇の目の前に映り込んだ。

「やっぱり綺麗だ……」

神扇はそう言ってさらに近づいた。

「ふぇ?」

が変な聲を出す。神扇はそれに気付かないままじっとの瞳を見つめた。

「・・・・・・」

「~~~~~~」

がトマトのように顔を赤く染める。

「あ、あの!」

「・・・・・・」

「そ、そろそろどいてください!」

「え、あ……」

の聲で我に返った神扇は今の勢に気が付いた。

を被さるようにして至近距離で見つめる男。

(……うん、これやばいやつだ)

「ご、ごめんね」

神扇はさっさと上からどいた。そして謝る。

「い、いえ……」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

気まづい沈黙が流れる。

「ぼ、僕はそろそろ行くね」

「あ……」

神扇は逃げるようにそこから去る。がなにか言いたげだったが関係ない。

「にしても綺麗な瞳だったなぁ……」

●●●

は神扇が去ったあともそこに居ておりに手をやっていた。顔がまだ微かに赤く、苦しいのかの手をぎゅっと握る。

「先輩………」

神扇は知らぬ間にの心に種をまいたのである。

作者からのあとがき

なんかあとがき書くのめんどくさいな(なら書くなよ)。まあまあ。

今回はラブコメ重視にしてみました。次はバトルシーン重視で書きます!絶対!

最後の一文はわからない人もいるかもしれないので説明しときます。単純に初みたいなじの比喩です。はしたことないけど頑張って考えました(考えた時間は2分ぐらい)。

では次もお楽しみに~

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