「幻二刀閃の亟ごく【瞬雷しゅんらい】」

アマノトがマギク達に深い傷を殘したのは初めてだった。

だが、その傷でマギクを怒らせるのは充分だった。

『うぉぉぉッ！！！！！』

マギクが全力で気・を放ってくる。アマノトはそれに耐えきれず吹き飛ばされてしまう。

瞬雷を使ったすぐはきが制限されるためそのまま千莉ちりにぶつかった。

「へ……きゃぁっ」

「うおっ」

ドシンッと二人とも倒れてしまった。

「いてて……」

アマノトが頭を上げると不意に手にらかいがした。

「？」

不思議に思ってさらに手をかしてみる。ふにふにと形を変えている。

（なんだこのくて弾力のあるものは……俺は初めてるぞ）

そのままり続けていると聲がした。

「ん…ふぅ……っゃ、」

「ん？………うおっ！」

下を見ると千莉が顔を赤くしていた。

（もしかしてこのは………）

すごく嫌な予がした。

自分の手を見るとなんと千莉のをんでいたではないか。

「は、はやく、、はなしな、さいよ…」

「っ、ああ悪かった！」

アマノトが上からどくと千莉は腕でを隠してこう言った。

「ヘンタイ」

（変態だな）

「うぐっ……」

二人同時に言われたその言葉は戦闘のダメージよりも深かった。

「そ、そんなことよりもだな嬢ちゃん」

「なに、ヘンタイ」

「もうそれはやめてくれ！」

「……はぁ、で、なに？」

「そろそろ時間・・がくるんじゃねぇのか」

「！、驚いたわね。なぜそれを？」

「ただのカン・・だよ。大ああいうのは時間制限かなんかあるもんだ。俺の世界・・・・じゃそうだった」

「なるほど……知ってるなら話が早いわ。多分もうすぐ暴走を始めるわ」

「暴走？」

「ええ、今は表面を変えているだけだけどあと數分で部の侵食が始まるわ」

「……それはやばいな」

「ええ、そうなれば勝ち目はなくなる」

「仕方ないか」

「どういう……」

千莉の言葉を遮って言う。

「夜魔聖帝オベリオン【弓きゅうモード】」

雙剣狀態の夜魔聖帝リベリオンが勝手にき出した。柄の下同士がくっつき一つになって刀の先のほうがし側に曲がり・・・、そして両方の刀の先から黒い一本の弦がでてきて1つになる。

全が黒くなった弓が完した。

「そ、その剣って一……」

千莉が問おうとするとアマノトが遮った。

「また今度はなしてやるよ。今は先にどっちかを倒さないとな」

「倒す……ってどうするの？あんなに苦戦してたのに」

「倒すんじゃないな。……先に怪を無力化する」

「どうやって？」

「ようは勾玉を壊せばいいんだろ？ならこれで狙う」

弓を見せながら言う。

「……そんな簡単にできるの？」

「それは大丈夫だ。こいつ・・・が狙いを定めてくれる。俺は撃つだけだ」

「こいつって神扇かおうぎくんのことでしょ。……できるの？」

「いいから大丈夫だ。心配するな」

（よくそんなたいそれたこと言えるよ）

「まあ、見てな」

アマノトがマギク達の方を向く。

（準備はいいか）

アマノトが問う。

（いつでもいいよ）

神扇が応える。

アマノトが弓を構え、大の位置を定める。

（距離八百か、遠いな）

（おいおい、もう弱音か）

（アホか、いけるさ……し左、そこで下向けて……）

指示を出しながら神扇は次々と確認していく。

（風向き、風速ともに想定。……邪魔ははいらないか。いいぞ撃っても）

（オーケー！）

アマノトが弦を引く。矢がないが・・・・・引きしぼる。

そして唱える。

「聖なるよ、ここに集いたまえ」

引きしぼった弦に淡いが集まる。

「収束し矢となり、型作れ」

さらに唱えると集まった淡いが徐々に収束していき、一本の矢となった。

アマノトはさらに紡ぐ。

「音より、より疾く、速く、穿て【一矢いっこうや】」

手を放す。するとの矢が瞬く間に消え、怪のほうを見ると勾玉を正確に撃ち抜いていた。