《最弱になりすました最強》神扇vs芽彩 2

(手數で攻めてみるか)

神扇はそう決めると駆け出した。

「風よ、我に加護を【風纏ふうてん】」

神扇は腳と腕に風を纏わせ速度を上げる。

速度を上げた神扇は後ろに回り込んで斬りつけた。

「っ!」

芽彩が反応するよりも速くその場から去り、今度は右腕の関節の間に刀を斬りつける。斬りつけた後すぐに左に回り、左腕を斬りつける。そのまま右、左、後ろと死角に移しては何度も斬りつける。

その姿を見ていた他の生徒達は騒ぎ出した。

「すげぇ!!」「めちゃくちゃ速いな」「學園一位が押されるなんて……」「あれが編生の力なのか?」

生徒達が騒いでいる聲を聞いていた千莉は一つ疑問に思っていた。

(神扇くんが押している?)

たしかに神扇は芽彩に一方的な攻撃を加えているが、どことなく苦しい表をしていた。

事実、神扇はこの攻撃で有効打を決めていないからだ。

い……っ!)

何度斬っても傷一つ付かない鎧に神扇は一旦距離を置いた。

「こない、の?」

芽彩が聞いてくる。

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「近接が駄目なら遠距離ってね」

神扇は刀を地面に突き刺し手を添える。

「【複製】」

刀が淡く輝いたかと思うと次の瞬間周囲に突き刺した刀と同じ刀が浮かんでいた。

「【百剣の弾ソード・バレット】」

周囲の刀が芽彩に向かって撃ち出される。それはまるで剣の弾丸だった。

次々と撃ち出される剣に芽彩は拳を振るって向かってくる剣を砕く。

「これでもだめか……なら【付屬エンチャント】」

神扇の周囲に浮かんでいた剣が炎や水、雷、風を纏っていた。

「いけ!」

エンチャントされた剣達は一斉に芽彩に向かっていった。

炎による炎、

水による水圧、

雷による轟雷、

風による暴風、

などなど様々な屬をそのけた芽彩はついに片膝をついた。

「おお……!」「學園一位が崩れるなんて……」「今の魔法凄くないか?」「あの編生って魔法使えたのか?」「たしか、使えなかったような?」

神扇の技を見ていた生徒達はどよめきを大きくしていった。

(う、使いすぎたかな……)

(限度を知らねぇのか)

(君にだけは言われたくない……)

(まあ、そんな余計な口開くんだったらもっと余裕になってから言え)

(どういう、……っ!)

神扇は聞き返すのをやめ真橫に跳んだ。跳んだ直後、神扇が居た場所に拳が通った。

「どうやって移したんだい?芽彩ちゃん」 

間一髪避けた神扇は先程毆ってきた芽彩に聞いた。

「そん、なのおしえな、い」

「だよねぇ」

芽彩がこちらに向かってくる。その姿に生徒達はまたもどよめく。

「芽彩さんがいてる……」「俺、初めて見た」「俺も」「あいつがマギクを倒したのもホントかもな」「たしかに」

生徒達が話している中、千莉も心驚いていた。

(あの芽彩さんをかすなんて……)

二人の戦いを見ながら神扇の凄さに夢中になっていた。

「こ、れはど、う」

芽彩が鎧から出てるオーラをる。

「【黒霧こくむの檻おり】」

そのオーラは芽彩と神扇二人を包み込むようにして形される。

(これは、不味い……っ)

神扇はその場から逃れようとするが芽彩がオーラをって神扇の腳を摑んだ。

「にが、さない」

「くっ……」

神扇は腳を摑んでいるオーラを振り払おうとするが、刀はオーラを素通りする。

その間にオーラでできた檻が二人を囲う。

(ちゃっかり相手の有利にされてんじゃねぇか)

(うるさいな)

(代わるか?)

(……10分だけ)

(りょーかい)

神扇が目を閉じる。

「な、にをしてるの」

その間に芽彩が迫ってくる。そして拳で神扇を毆ろうとする。

今にも當たりそうなところで拳が止まった。いや、止められた。

「こんなもんか?」

挑発するような口調で眼が鋭くなった神扇がいた。

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