《最弱になりすました最強》一晩

「で、そのあとはずっと一人で修行かな」

「そ、うなん、だ」

芽彩は頷くことしか出來なかった。

「・・・・・」

「・・・・・」

二人はそれっきり何も話さず黙って過ごした。

數分後、神扇が口を開く。

「暗い話をしちゃったし、今日は帰るね」

そう言って立ち上がろうとすると芽彩が服を摑んできた。

「どうしたの芽彩ちゃん?」

僕が聞くと芽彩ちゃんは意外なことを言ってきた。

「今日、は一緒に、いて、ほし、い」

「……え?」

思わず聞き返してしまった。

「だ、から一緒、にいて……」

「うーん……」

「だ、め?」

「うっ、分かったよ」

僕は観念して、ここで一晩過ごすことにした。

(大丈夫、なにも起きない)

僕が心配なのはなにか起きるかどうかだけ。そこだけ注意しとけば大丈夫だろう。

(いや、別に僕がなにかするってわけじゃないけど……)

(誰に言ってたんだよ)

アマノトに突っ込まれた。ほんと、僕は誰に言い訳してたんだろう。

●●●

あれから特に何も無く、いや、お風呂の時に々あったが、あとは寢るだけというところで問題が起こってしまった。

「そっか、ベッド一つしかないのか……」

ベッドが一つしかないのだ。

「?」

芽彩ちゃんは不思議そうにしている。

(芽彩ちゃんは年齢の割にズレてるというか、何も知らなすぎる)

芽彩ちゃんの境遇を考えればそうなのかもしれないが。

(々教えないとなぁ)

そんなことを考えていると、芽彩ちゃんが衝撃的ことを言った。

「一緒に、寢、よ?」

「え……」

その一言を理解するのに僕は數分かかった。

「……いやいや、だめでしょ」

理解したらすぐに首を振る。

「な、んで?」

「男で寢るのはー、あー、とにかくダメなんだ」

「なんで、だめ、な、の?」

再び聞いてくる。

「兄妹とかならまだしも……」

「きょう、だい?」

(ほんとになにも知らないんだな)

「きょう、だい?になった、ら一緒に寢、れるんだ、ったらそのきょう、だい?にな、る」

「え……」

僕は再び固まった。

(兄妹ってそんな簡単になれたっけ……)

揺しすぎて思考がおかしな方向に向かってる。

「……いやいやいや!!」

首を激しく橫に振り、変な思考を止める。

「だ、め?」

芽彩ちゃんが上目遣いで頼んでくる。

「う……」

(そんな頼み方されたら……)

(隣で寢たらいいじゃねぇか)

(あ、そっか)

「と、隣で寢てあげるから!」

「それ、なら」

芽彩ちゃんはし殘念そうにしながら離れていった。

(ふぅ、ありがとうアマノト)

(ま、隣で寢るだけでも危ない気がするがな。一緒に寢るよりはマシだろ)

(大丈夫だって。なんにもしないし)

(……がんばれや)

(?)

アマノトに謎の応援をされた。

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