《過去に戻り青春を謳歌することは可能だろうか》10話 過去に戻り後悔を拭うことは可能だろうか 4
屋上を出て、一棟と二棟の渡り廊下で直斗なおとと別れた私は、自分の教室に戻るため再び一棟へと向かった。
“未來から來た”直斗のその言葉は未だに信じることができない。しかし、直斗は明らかに目の下にクマを作っていた。昨日はちゃんと寢てたはずなのに。
“寢れなかった”ということも考えられるが昨日の夜一度起きて何かしないか直斗の様子を見たとき直斗はぐっすりと眠っていた。やはりクマはおかしい。
でもそんなことよりも引っかかることがあった。
「あれは何だったのかしら」
直斗が未來から戻って來た理由を話しているとき、私の脳裏にはある映像が流れた。
私が泣いていて。直斗が「俺を過去に戻もどしてくれ!」とんでいた。場所は多分直斗の家だろう。
全くに覚えのない景なのになぜ頭に浮かぶのだろうか。
一瞬のことだったが、今までにこのようなことは無かった。
教室にり先生に調不良を訴え、再び教室から出て待ち合わせ場所の昇降口へと向かった。
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早退をした俺と可憐は學校の最寄りの駅から岐阜に向かう新幹線に乗ることにした。
新幹線では駅に向かう途中に寄ったコンビニで軽食とお菓子を買い新幹線の中で2人で食べる。
平日ということもあってか乗客がとてもない。
だから気兼きがねなく食べられた。
「ありがとね」
可憐パキッと板チョコをかじる軽快な音を立てた。
「何がですか?」
「お金よ」
「あーいいっすよ」
可憐は今家出中で財布を取りに行く時間がなかったため晝食代と新幹線代は直斗が出した。正直とても痛い出費だ。
「返すから安心しなさい」
「す、すみません」
「いいですよ、奢りです」何てことは言えない。
父から送られてくる僅わずかな生活費と俺のバイト代でなんとかやりくりしている生活で、めるちゃんの注代やエサ代さらにトリミング代だとかかるお金もある。返してもらわなければかなり厳しい。
余裕のない男ってまじカッコ悪いなーとか思ってた時期もあったが、今では余裕がないのに余裕があるように見せる人の方がカッコよく見えちゃう。ワンチャン今俺かっこいい説はある。
「直斗、寢なさいよ」
くだらないことを考えていた俺に可憐は落ち著いた聲音でそう言った。
「いいんですか?」
「當たり前じゃない、寢かせないほど私格悪くない」
「知ってます、ありがとうございます」
めっちゃ眠い。言わなかったが欠あくびを多発させていたため、可憐は気を遣ってくれた。
「著いたら起こすから」
「お言葉に甘えさせていただきます」
「まだ岐阜まで3時間ほどあるもの」
「はい、おやすみなさい」
その言葉を最後に俺は眠った。
ガタンというしの振がきっかけで目がさめる。時刻は17時14分。あと40分ほどで岐阜に著く。
し左肩に重みをじ目を向ける。
「スゥースゥー」と小さな寢息をたてて可憐が俺の肩に頭を預けて眠っている。
艶やかな長い黒髪からはいい香りがしてきてドキッとしてしまう。
「この人本當に可いな」
化粧はしていないのにしているかのようにはとても綺麗で見ってしまう。
そして可憐の左目の涙袋の左下に小さなホクロがあることを確認する。
そんな小さなことに気づけたことが嬉しかった。
「可憐さんこそ寢れてなかったんだ」
過去に戻る前の可憐が言っていた「私キスもしたことないのよ」と。
話初めて1日目のよく分からない男子の家に泊まったのだ、男経験がないのなら不安でねれないに決まっている。
もしも、可憐さんに心が許せる人がいれば。心の中でそう思った。
余計なお節介せっかいなのかもしれない。
「おはようございます可憐さん」
「ん…おはよう」
私が直斗を起こすつもりだったが起こされてしまった。
気づいたら眠りにっていた。昨日結局寢たのは4時でそこから起きたのが6時30分だったから仕方ない。
直斗の肩に頭を預けていた自分が恥ずかしい。顔が赤くなる。
「どうしたんですか?」
この男の子は分かって聞いているのではないかと思う。ほんと生意気な後輩。
「なんでもない」
「そうですか」
「ここから電車乗り換えて病院に向かうわよ」
「また電車かー」
「誰が連れてきたの?」
「俺です」
「早く行きましょ」
上から目線でを言っているが、電車賃は直斗から借りなければいけない。
必ず返そう。モデル業でかなりお金は溜まっている、すぐに返せる。でないと直斗の生活に負擔がかかる気がする。
直斗の家を見た限りかなり節約をして生活をしているという様子だった。
電車に乗り換えている道中、直斗のことが気になった。
なぜ1人暮らしなのか
親はどこにいるのか
どうして友達を作らないのか
長い電車の旅が終わり、可憐の祖母が院している病院に到著した。
可憐はけ付けで何か話し終えたあと「行きましょう」と言ってエレベーターに乗り、病室へと向かった。
エレベーターの中では可憐が何度か深呼吸をしていた。家出をしているため、親に何か言われるかもしれないと張をしているのだ。
“夏ノなつのさん”と書かれた個室の病室の扉の前まで來ると再び可憐は深呼吸した。
「あの、俺外で待ってましょうか」
「あ、ええ、しだけ待っててもらえる?」
可憐はし考えそう返した。
今俺が行くと間違いなく『誰やボケ』となる、そこで可憐が『この人の家に泊まってます』なんて言えば『死ねやボケ』と可憐の親さんに言われるに違いない。
「分かりました、俺のことは気にせずゆっくりしていってください」
スライド式の扉を右にずらし可憐が病室にって行く。その様子を見た俺は一階のエントランスに戻り自販売機でサイダーを買い病室を出た。
せっかく栃木に來たのだ、病院の周りだけでも栃木を満喫したい。
し歩いているとポケットにっている攜帯が振した。
可憐からのメッセージが來ている。
病院を出てから20分が経ちあたりはもう暗くなってしまい、にれる空気も5月らしいし冷たいものだ。
もう終わったのか、と思い攜帯を開く。
【両親が直斗に會いたがってるわ、今からさっきの病室に戻って來てほしい】
そのメッセージを見て冷や汗を吹き出しつい呟つぶやいてしまう
「噓やろボケ」
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