《過去に戻り青春を謳歌することは可能だろうか》12話 過去に戻り後悔を拭うことは可能だろうか 6
「お父さん、この人誰?」
そう言って、そのは俺に指をさした。
なんかすげー生意気だなこいつ。
整った顔でどこか可憐に似ていることから夏ノ一家の一員に違いないとすぐに分かった。
「この子は可憐のお友達の直斗くんだよ」
「どうも、長嶺原ながみねはら高校2年の町 直斗まち なおとです」
「ふーん」
は座ったまま自己紹介した俺の目の前まで來て前のめりになって俺の顔を覗き込む。実に距離は10センチ弱だ。
橫では可憐の父が「すまん」と言っている。
おそらく、こうなることは予想していたのではないだろうか。
「直斗なおと…どこかで聞いたことあるような気がする」
そう言って顎に手をやり何か考えるような姿勢を取ったあと、腕を組み
「私は長嶺原ながみねはら高校1年の夏ノ 遙希なつの はるきよ」
「可憐さんの妹ってこと?」
「そうよ、てかあなた、お姉ちゃんの友達?本當に?彼氏…とかじゃなさそうね、確かに顔はイケメンかもしれないけど目はどこか死んだ魚のようだし一緒にいてつまらなそう、お姉ちゃんみたいな人が付き合うわけないか」
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「おい、ボケ、先輩やぞ」
自己紹介で述べていたようにコイツは長嶺原高校1年だ。だから俺の方が先輩になる。しかし、なんだこの生意気な口は、可いからってマジ調子乗っていやがる。
「あなた誕生日いつ?」
「12月23日」
「てことは今16?」
「そうだけど」
「私の誕生日は4月24日よ、つまり私は16歳、よって同い年、タメの扱いで行かせてもらうわ」
「行くな、逝かすぞ」
「はっ…なんて卑猥ひわいなやつなの、最低。」
「そっちの意味で言ってねーよ」
俺と遙希はるきがプチ口論をしていると再び病室の扉が開かれ可憐と可憐の母がってきた。
2人並んで歩いている姿は“親子”そのものだった。凜とした歩き方、雰囲気、同じだった。だから傍目から見てもすぐに親子だとわかるだろう。そのくらい似ている。
なのになんでコイツには品がないのかしら。
遙希曰く“死んだ魚の目”というもので活き活きとしすぎて早く締められてほしい魚を見る。
「意外ね、仲良くなるなんて」
「そうね」
遙希の格を知している可憐と可憐の母が間違った分析をしている。
「違うわよ!全然仲良くなんてない!」
病院では普通出さないようなボリュームで遙希は真っ向から2人の分析を崩壊させる。
本當に生意気なやつだと思う。
だからし言い返したくなった。
もちろんふざけて
「あらやだ、遙希さんったら先輩と仲良くできてはしゃいでいらっしゃったのかと思いましてよ」
「キモい」
「あ?」
「あ?」
無意識に俺は立ち上がり遙希と目線をぶつけ火花を散らす。
「はいはい、その辺にしなさい2人とも」
可憐は手を二回叩き『パチパチ』という擬音を鳴らしその場の仲介をした。
可憐の聲とその音を聞いて遙希は「フンッ」とそっぽを向く。
こいつ黙ってたら可いのに…と遙希の格を知った俺は落膽のような失た苛まれた。
「お父さん、話はもういいの?」
「ああ、大丈夫だ、待たせて悪かったね」
「大丈夫、おばあちゃんと話してたから」
可憐の祖母は既に検査を終えていて可憐と話していた、可憐はこれから起こることを知っている。最悪の事態も考えられる。2人の時間を大切にしよう。そう思ったに違いない。
本當は家族全員ですこしでも長く話したかっただろう。
僅かではあるが、その時間を俺が取ってしまったことに罪悪が芽生える。
「そうか、ならよかった」
「もうしで戻ってくるって」
「わかった」
時刻は間もなく8時になる。
容態が悪化するまであと3時間。
可憐をここに連れてくるという俺のミッションは果たされた。
可憐の表には張のが伺える。
それもそのはず、可憐は23時に起きることを俺の口から知ったのだ。
それを信じているかは分からない。だが、噓だったとしても心配はするに違いない。
そして、ここからは俺がいるのは場違いだ。他人の家庭のことにしつこく執著するのは間違っている。
それは俺がよく分かることだ。
「それでは僕はここで」
「そうか、直斗くん本當にありがとうね」
可憐の父が頭をし下げ、それに連れて母の方も「ありがと」と言い禮をする。
その禮の対象は俺が可憐をここに連れてきたことに対してだろう。
何に対しての禮か分かったようでし居心地が悪いように手を後ろで組み下を俯いている。
「直斗、またね」
「はい、さようなら、今日は泊まりですか?」
「ええ、父さんがとってくれたホテルよ」
「そうですか、おに気をつけて」
「うん、おやすみなさい」
一方遙希は俺の方を見ていない。
挨拶しろ、先輩やぞパイセン。
『お疲れ様ですー』くらいの勢いでマネージャーぽくスクイーズボトルもってこいや
そんなくだらないことを考えて病室を出る。
明日可憐は親と一緒に長野に帰るに違いない、だから可憐の心配をする必要は無く、俺は気軽に駅に向かった。
駅に向かって歩いている途中ふと思う。
俺は彼を助けたことになるのだろうか
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