《過去に戻り青春を謳歌することは可能だろうか》17話 過去に戻り後悔を拭うことは可能だろうか 11

「なあ直斗なおと、説明しろよー、なんで生徒會長の次にその妹を狙ってるの?」

翔かけるが肩を組んできたおかげですごく暑い。

「別に狙ってねーよ」

バスに遙希はるきがいるということは、いつの日かのクラスメイトの話し聲で知った報だ。だからこうして翔かけるに呼んでもらおうと思ったのだが、変な絡みをける羽目となった。

「ええ、本當に?」

「本當だ」

「まー今回はそーゆーことにしたる」

「ありがと、てことで早く呼んでくれ」

朝練習はあと20分ほどで終わる。早々に遙希はるきと話しておかなければいけない。

「こんな朝っぱらからどうしたのよ」

聲がして後ろを振り返るとそこには遙希とそのお友達らしきもう1人の部員がいた。

「な、な、直斗なおと先輩!おはようございます!」

元気な聲を出しその子が深々と頭を下げる。

俺のことを知っている一年ってことは中學時代もバスケ部。

慌てた様子でその子は前髪にピンをして前髪のきを押さえた。

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「おはよう」

その子に挨拶を返すとその子の顔はし赤く染まった。

おそらく休憩中だったのだろう。だから、運のせいでできた顔の赤さでは無さそうだ。

翔は既に練習を再開していた。

「てか、ちょうどよかった」

「ちょうどよくないわよね、男バスの部員がすごい盛り上がってたから、何かと思って來てみたらあんたがいたのよ。あんたって一何者?」

遙希はるきは両腕を組んで訝しんだ視線を俺に向けてくる。

「遙希はるきちゃん本當に知らないの?というか本當に仲よかったんだね」

「知らないって何がよ…というか仲良くない」

「えっとね直斗先輩はね中學生のと…」

「それはまた今度教えるよ」

説明をしようとしていたその子の言葉を遮り俺の話題を終わらせた。

「なあ、遙希はるき」

「なによ」

「昨日は…」

「帰ってこなかった…」

「そっか…ありがと」

そう言って俺は歩き出した。

學校には毎日休まず來ていた、だから単位の心配は全く無い。だから俺は駐場に向かおうとした。

「ま、まって!」

歩み出した俺を遙希はるきが止める

「ん?」

「あんた、死にそうな顔してるけど…その…大丈夫なの?」

睡眠もロクに取っていない。

下半のほとんどは筋痛。

かなりしんどい。

けれど、可憐に比べればこんなものは優しいものだ。

「もう既に死んだ魚の目してるから死んでも死んでないことになるんだよ俺は」

「なに言ってるのよ」

頭が回らなすぎて意味の分からないことを言ってしまう。

しかし、遙希はるきの橫の子はクスクスと笑ってくれた。

再び歩き出す。

俺の背中に遙希はるきの呟つぶやきとも取れる小さな聲がかかる。

「…ありがと」

俺は、背中を向けた狀態で右手を挙げた。

授業には出ずに17時まで可憐を探した。

もしかしたら岐阜にいるのかもしれない。

そうなったら手も足も出ない、岐阜なんてあの病院くらいしか分からない…

バイトを終え22時から捜索をしたが結局見つからなかった…

最悪な思考で頭が支配される。

吐き気が襲い、俺は近くの公衆トイレに駆け込み嘔吐した。

「う、う……おえっ…」

の酸っぱさが気持ち悪い…

獨特の匂いも…

そしてもう一発放った。

5月11日土曜日

進學校でも無い長嶺原ながみねはら高校は土曜日に授業をすることは無いが、俺は學校に向かった。

目的は遙希はるきに會い、可憐が戻って來たかどうかを聞くため。

育館に著き、遙希はるきともう1人の部員と會う。

「おはようございます!直斗先輩」

その子は今日も元気だ。

「おう…おはよ」

「あんた、クマすごいけど」

「まじか」

朝の5時まで捜索をしていた。

どうやら可憐の捜索は警察沙汰になっており走っている俺は何度か呼び止められその度に「ランニングです」なんて適當な噓をついたものだ。

「可憐さんは…」

遙希は首を振った。

その遙希を見た瞬間、視界が真っ暗になった…

「ちょっと!!しっかりしなさいよ!」

「は、遙希ちゃん!保健室!」

「ねえ!しっかりして!」

そんな2人の聲が頭の中で響く。

うるさいなぁ…

ぼんやりとする頭の中で呟く。

そして意識が飛んだ。

目を開けると俺は公園のブランコに座っていた。

目の前には長嶺原高校の制服を著て長い茶髪を風になびかせながら、夢で出會ったが立っていた。

なぜだか今回の夢はの顔を認識することができた。

その形な顔を見ると、俺はに暖かさをじる。

どこかで見たことのあるような顔だけど、いったいどこで見たのだろうか。

「ねえ、直斗くん」

「なんですか」

「やっと會えましたね」

「“やっと”ってどういうこと?」

「直斗くんの夢になかなか出れなかったんですよ」

「何それ」

俺はその意味の分からないの話に苦笑いで返す。

「私と會えたのだから、あとは直斗くんが救うだけだね」

「よく分からですね」

「ふふふ、謎のポジションが好きなのよ」

は口元に手をやり微笑む。

それに俺はまた苦笑いで返す。

「さあ、直斗くん、いってらっしゃい」

目を開けると天井が1番に視界にった。

「保健室か」

「あ、直斗先輩!大丈夫ですか!?」

正直意外だった。遙希がいるのかと思ったけれどそこにいたのは前髪をピンでとめているショートカットのの子だった。

名前は知っている

「どうして高春たかはるさんが?」

「えっと、遙希ちゃんは顧問の先生に呼ばれて出てっちゃったんで」

目を逸らしながら高春 菜月たかはる なつきは必死に説明をする。

顔を赤く染めて…

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