《異能があれば幸せとか言ったヤツ誰ですか??》袂別

學園長室から數分歩くと、無機的な扉が現れた。

そして扉の前で浜曷が立ち止まる。

「こちらが先程言った、地下特殊隔離施設。通稱〔ホワイトルーム〕です。これからあなたにはここで三週間生活して頂きますが、その上でいくつかこの施設について説明させて貰います」

浜曷は機械のように淡々とのみをかした。

「はあ…」

「まず始めに、こちらの施設にるとドアに自的にロックがかかり、504時間解錠されません」

「504時間ってことは……ええと…………」

コウジが計算に手間取っていると、隣にいた城嶺がため息をつきながらこう言った。

「呆れるほど計算が遅いわね。21日間よ、そのくらい2秒で解けないと死ぬわよ」

出會って2時間も経っていないのにもう呆れられてしまった。早すぎるだろう。

「死ぬって、そんな大袈裟な…」

「死ぬわよ。アンタ、しココを甘く見過ぎてるんじゃない?ココにはあんたみたいに人なんて容易く殺せる力を持った人間しか居ないのよ。計算能力の低さは命取りになるわ。気をつけなさい」

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能力者矯正施設でもあるここには、當然能力者しかいない。そしてその能力はコウジの想像もつかないような能力かもしれない。ならば計算力や推理力、観察力や察力を鍛えておいて損をすることはないだろう。ヒカリの言った通りだ。

「話を戻します。続いて2點目ですが、こちらの施設では『発注』という制度があり、必要だと思ったものを取り寄せることができます。あらゆるは発注から2時間以に屆きます」

「2時間!?」

発注から屆くまでの時間の短さに嘆し聲を上げてしまう。

「ただし発注する上で守らなくてはならないことが三つあります。一つ目は『法にれないこと』です。この際基準となるのは日本國憲法です」

日本國憲法にれるものは発注できないということは、銃火の類は銃刀法違反になるため発注不可能になるし、覚せい剤や大麻と言った違法薬の類も無論発注はできない。確かに無制限に発注出來たら危険極まりない。

「二つ目は『ホワイトルーム及び學園からの出目的ではないこと』です。本學園から無斷で外出した場合、我々は武力行使する許可が降りています。逃げるのはあなたの自由ですが、命の保証はできません」

ただでさえ危険な能力を所持している人間が走したら、何が起こるか分からない。そう言った點も管理が行き屆いているみたいだ。

「そして三つ目は『製造方法が確立されているものであること』です。ここは研究所では無いため、新しい機械や薬、生などを生み出すことは出來ません」

それはつまり、タイムマシンを寄越せと言われても作ることは出來ないということだ。他にも癌の特効薬や、幽霊や妖怪の類も発注はできないということになる。ある程度制限は見え始めてきた。

「続いてホワイトルームにおける注意點の3點目ですが、就寢や起床の時間、自主學習時間、ゲームなどのプレイ時間は全て生徒の自主に任せています。何時に寢ようが何時に起きようが何時間ゲームをしようが完全に自由です。あなたの好きなように過ごしてください」

浜曷はつらつらと言葉を並べていくが、どことなく威圧のようにも取れてしまうような言い方だった。

「ただし、ここでの生活は全て監視カメラに記録されます。勿論、排泄や浴中は例外ですが」

三週間ずっと監視されるのも気分がいいものでは無い。だが、コウジはここで調べなくてはならないことがあった。どんなでも手にるこの部屋であれば、アレについて答えが出るかもしれない。

「それでは、これよりホワイトルームに室して頂く訳ですが、最後に何か言いたいことはありますか?」

浜曷は死刑執行前の処刑人のようなことを言ってきた。

「そうですね……………。ここから出る頃には、超強力な能力者になってみせます」

コウジは自分の決意をありのままの言葉で口にした。

「ふっ…。楽しみにしてるわ」

「強くなったあなたと再び出會えることを心待ちにしております」

浜曷と城嶺はそれぞれ放った言葉さえ異なるものの、何方も笑顔で頷いていた。

そして、浜曷が強い聲でこうぶ。

「ホワイトルーム!!メインゲート・オープン!!」

そうぶと轟音とともにゆっくりと扉が開いた。

扉の向こうは、完全に純白だった。

壁なのか、床なのか、天井なのかも區別がつかない完全なる白。部屋の角は一どこにあるのかも分からない。

「この部屋って何平方メートルなんですか?」

コウジは浜曷に問いかけた。

「この部屋の面積は9×9の81平方メートルです。天井高は7メートルで、容積は567立方メートルです」

「でか!!広いな!!!」

コウジは言われた數字に嘆した。學校の教室は大8×8の64平方メートルくらいである。さらにそれよりも大きな部屋を、三週間もの間たった一人で使うのだ。寂しいことこの上ない。

だが、ここで三週間生活できないような奴がこの學園での生活を生き抜けるとは思えない。

コウジは覚悟を決めて、扉の中へ足を踏みれた。

「それでは、三週間後にまた」

閉じていく扉と壁の狹間から浜曷がそう言い殘す。

「ええ、ではまた」

それに呼応するように、コウジは笑顔で返答した。やがて扉が完全に締まり見渡す限りの白の世界となった。

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